ゲームをプレイすることで救われたのは君だけじゃない!(マジレス)サンデー29号電脳遊技クラブ感想

電脳遊技クラブ

 東武伊勢崎線や東京メトロ千代田線に乗る度、「進め!聖学電脳研究部」のことをを思い出します(挨拶)。

 かつて「兄ふんじゃった!」でサンデー読者を震撼させたりさせなかったりした小笠原真先生が、サンデー本誌に復活。今度は、現在流行中のジャンルである(多分)文化系部活動マンガに挑む模様です。しかも題材はゲーム制作。
 ゲーム作りはプログラミングを志す人間なら誰もが一度は通る道である以上、現役職業プログラマとしてはこういうマンガの存在は応援していきたい所存です。なので、「C言語のmain関数には引数が二つあるので、main(int argc,char *argv[])と書いた方が良くね?」とか細かいことは今後言いません。言いません。

 個人的に面白いなと思ったのは、主役のプログラマ少年・ニシン君が『天才』であることを「OSを自作できるほどの腕の持ち主」という形で表現した点。この手のマンガだと、理系の天才キャラは「ゲームが上手いから頭もいいしIQも高いに違いない」みたいな、往年のファミコンコミックを彷彿とさせる割と安直な表現がとられがちなのですが、コンピュータに対するリテラシーが一般に広がっている現在であれば「OSを自作できる腕前」と来ればなんか凄そうなことが判ってもらえるんだなと思いました。
 また、そのOSのユーザーインターフェースであるパソ子のデザインのゆるさっぷりとそれに反比例した毒舌っぷりが、ニシン君のセンスというか頭のおかしさ(良い意味で)を示唆しているところも面白いです。

 小笠原真先生のやることなので当分真面目にゲーム作るような展開は期待できませんが(決めつけ)、題材としては面白いので今後に期待しますという感じ。

 あと職業プログラマ的には、「母が遺したカーネル」というのが何かグッと来ます。ファミコンマンガだと「父ちゃんが作ったゲーム」とかそういう感じの定番アイテムが、プログラムマンガになると「母ちゃんが作ったカーネル」になる訳ですね。
 自分もプログラマとして産まれたからには、何かソースコードを残して死にたいものです(死ぬの?)。

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ネット感想界で一番遅いサンデー28号感想

最強!都立あおい坂高校野球部

 静岡県出身の私としては、静浜のピッチャー神木の根性の曲がりっぷりにもう萌え萌えです。自分が小学生の頃に読んだ野球の解説書には「ピッチャーは投球を終えた瞬間から九人目の野手となって守備体制に入らないといけない」と書かれていましたけど、そんな基本すら無視して投球に専念するというか、投球以外は面倒くさがってやりたがらないわがままっぷりが素晴らしいです。
 これでもし「あお高」が高校野球への無邪気な幻想を打ち砕くために作られたメタ的な視点を持ったマンガであったなら、こんなひねくれ者がエースなチームが優勝して「高校野球」的なものに問題意識を投じることも可能なのでしょうけど、しかし「あお高」はそういうマンガじゃないというか、むしろ努力友情勝利的少野球年マンガの基本フォーマットに沿った作品であるので、このままでは神木はあお高打線にかき回される→自分も守備しないと勝てないと認識させられる→バントを自分で捕球して神木が努力友情勝利路線に覚醒、みたいなパターンに落とし込まれることは必至の有様。神木はどこまで静岡県代表としてひねくれ者の意地を守り通せるのか、元静岡県民として期待したい所存です。静岡県関係ないけど。

 というか、いくら神木が守備をしないボンクラと言えども、このままあお高がバント戦法を続けるのもちょっと少年野球マンガ的じゃないというか、同じ少年野球マンガでもむしろ「砂漠の野球部」テイストな雰囲気を醸してしまう可能性もあるので、正当派少年マンガを名乗るにはその辺のさじ加減が難しいよなと思いました。

ハヤテのごとく!

 片思いだらけの「ハヤテ」界において初登場時からハヤテに片思いを抱いているマスターオブ片思いの西沢さんが、片思いの果てに得た悟りの境地をビギナーオブ片思いであるシスターに説いてハヤテの窮地を救うの巻でした。

 更に今回、西沢さんはハヤテに対して不意打ちでキスした上に「惚れてもいいんだぜ」みたいな照れ隠しの裏に本心が覗く言葉を繰り出して改めてアプローチするものの、ハヤテは遠回しな表現ながらも「お友達でいましょう」と回答、結果的にフラれてしまう形となりました。この反応は西沢さんもある程度は覚悟の上だったんでしょうけど、やっぱりフラれてしまっていることには変わりありません。
 ナギやヒナギクに対しては鈍感というか徹底的なボンクラっぷりを遺憾なく発揮しているハヤテですが、女をフる時だけ格好良くなるのは困りものです。何という女泣かせ。マリアさんから天然ジゴロの称号を得ているだけのことはあります。ダメだこいつ早く何とかしないと。

神のみぞ知るセカイ

 桂馬が攻略した女子が一同に介してみんなでモンモンするの巻。記憶からは消えても心には何か残るものがあるということなのか、それとも駆け魂が抜けてリセットされたおかげで桂馬の魅力に気が付くことができたということなのか。
 桂馬は桂馬で、一度攻略を終えて関係なくなったはずの女子に対して面倒見る責任みたいなものを感じ始めているっぽいですし、彼女たちと桂馬の関係はいずれまた生臭くなりそうな予感。専門用語で言うところの焼けぼっくいに火って奴?

 彼女たちのバンドの話はおそらく学園祭ネタをやる時に再び出てくると思われるので、その時に今回出てきた女子たちが桂馬に対してどんなアプローチをかけるのか期待。個人的には結局ドラムをやるメンバーが集まらず、桂馬が女装してドラムを叩く展開を希望していきたい。

魔王

 今回のエピソードを理解する上で、もっとも重要なキーワードを再確認します。
 「蜂」はパンツを履いていません

 斯様な認識の上で今回のエピソードを読み返してみると、パンツ履いてない蜂を前にして動揺してしまう辰美と、パンツ履いてない蜂を前にしても全く臆することなく渡り合った上、蜂に「こいつはバケモノだ」と認識させるに至った潤也とでは、もはや器が違うことは明白です。
 どちらも「犬養を失脚させる」という目的は共通しているのですが、その目的に対する覚悟の違いが、「蜂」というパンツ履いてない刺客と対峙した時の結果の違いだったのでしょう。刺客のパンツの有無に動揺する程度では、己の運命と向き合うことすら叶わないのです。

 「蜂」がパンツ履いてないことにここまで深遠な意味を持たせた作者の力量に感心しました(妄想です)。

トラウマイスタ

 ついに最終回。スジャータは常に僕たちの側にいるよ! みたいな、宗教的なレベルにまで到達した美しい形で無事収束できたことを喜びたいです。本当にこのマンガはやらかしてましたからね。特にダヴィンチが登場してからの急展開っぷりは、間違いなくサンデー読者の記憶に永く残ることになるはず。
 何というか、「今、自分は次回がどうなるのか想像も付かない週刊連載マンガを読んでいるんだ」と実感させられる、ダイナミックかつドラマチックな作品でした。作っている方からするとものすごく大変なマンガだったのではないかと思うのですが、一読者として楽しませて頂きました。感謝。
 中山先生の次回作にも期待させていただきます。

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ご愁傷さま朧さん(ニヤニヤしながら)サンデー28号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 大人になった葵のおっぱいがあんなにデカいはずはない!(挨拶)

 今回の「試験に出る超能力」編は、薫の皆本への過剰意識の描写から始まり、「カタストロフィ号」を得たパンドラの新たな活動への布石、既に「幽霊」と化している宇津美との対比によって浮かび上がった過去に囚われ続けている兵部の姿、薫の「女王」の才能の更なる鱗片、澪と薫との間の「絆」の発露など、今後の展開への実に示唆に富んだかなり興味深いエピソードであったと思うのですが、そのエピソードを締めるのがよりによって皆本が如何に女性に対してボンクラなのかを一話丸ごと費やして紹介するというのが、何かこうどうしても必要以上に面白くしないと気が済まない作者の意地のようなものを感じました。
 いくら相手が葵とはいえ、ここまでデート中に女性に気を使えないボンクラ男が童貞じゃないなんて、とても信じられません(こだわる)。

 確かに日本科学未来館は基本的に男の子が大喜びで行くところであり、あまりデート向きの場所ではないのですが、時々大人のデートプランに組み込めそうな特別展示をやっている場合もあるので、どうしても彼女連れて行きたいのであればそういう展示をやってる時が狙い目(逆に言うと今は無理)。ちゃんとイベント情報をチェックするのは「ときメモ」時代からのデートの鉄則です。それができないからボンクラなんだけど。
 にしても『君と私のメモリーチップを交換しないか?』でウケが取れるここの観客(葵除く)のSFリテラシーの高さはあなどれません。やっぱりここはそういうボンクラ共が集まるところなのか。もちろん自分もボンクラなので、日本科学未来館は大好きです。お台場っつったら、パレットタウンや海浜公園じゃなくてまずはここですよね。次が国際展示場。

 でも、葵のボーイフレンドの黒木君も間違いなく科学館で大喜びするタイプのこっち側の男子なので、葵はいずれ今回の艱難辛苦を黒木君相手に再び味わう羽目に陥るのではないか? と予想します。黒木君が葵にフられるエンディングが見えた!(決めつけ)

 そして最後のコマの薫の台詞「ま、それもカワイイけど」は、個人的には男をダメにする女の台詞なのではないかとか思いましたが、でも女子にこう思ってもらえないとサンデー読者の男性の8割を占めるボンクラの心が救われないので、薫にはいつまでもそのピュアな気持ちを忘れて欲しくないものですね。ものですね。

 皆本のボンクラっぷりを揶揄する時の賢木は、本当に楽しそうだなあと思いました(今回の感想)。

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