パティなら賢木とバレットの掛け算も余裕に違いないと思ったサンデー18号絶チル感想

 ピチピチ防護服の上にスカートを履かせるよりも、靴下を履かせた方がよりフェティッシュだと思います!(挨拶)

 それでサンデー18号の「絶チル」ですが、今回は皆本がおいしいところを持って行った印象です。扉絵では「命を懸けて、薫は僕が守る!」とか格好いいアオリと共に薫を抱きかかえて守る気まんまんな皆本ですが、実際のマンガの中では最後で結局囚われの身になってしまうところなど、さすがは囚われ慣れてる皆本はやることが違います。
 更に、杉花粉が漂う森の中であえてヘルメットを外し、自己を犠牲にしてまで「僕は大丈夫だ!」と薫に告げるその姿は、猛毒の瘴気が漂う腐海でマスクを外して微笑んだナウシカにも通じる潔さであり、きっとこのシーンを見た大きなお友達の誰もが「姫さまー!」と叫んでしまったに違いありません。薫を守るにしても、守り方が自己犠牲方向にアグレッシヴ過ぎますよ皆本さん。
 囚われの身になるとかナウシカチックな行動を取るとか、あと薫が実際には怪我をしていないことが判って安心して抱きついちゃったりするとか、皆本は本当に骨の髄までやることがお姫様体質だなあと思いました。
 腐海でマスクを外した以上、次回は絶対「肺に入った」ネタをやるよね!(やるのか)

 あと先週は感想書けませんでしたが、目の前に人がいるにも関わらずあえてチャット経由で話をするバレットの姿が、心に染みました。同じ居室にいるのにあえて目を合わせないでチャットで会話するとか、私は普通にやってるので。みんなもそうだよね?
 あと普通と言えば、人生の大切なことをアニメから教わってるところも普通ですよね。オレ達はフツーだ。

 皆本が立案した作戦がどんなものなのかはまだ判りませんが、個人的にはバレットの活躍を期待しています。自分が今もし中二だったら、絶対バレットに感情移入してると思う。あいつはオレだとか言いながら(痛い)。
 あと四コマでパティが賢木達の後を尾行する描写がありましたが、もしかしてそのまま今回の事件現場までついて来ちゃったりするのでしょうか。彼女が現場に来る頃はおそらく薫とファントムのバトルの真っ最中になりそうですが、パティには百合カップリングの掛け算能力は備わっているのでしょうか。パティさん絡みの謎が深まります。

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生存報告兼サンデー18号感想

神のみぞ知るセカイ

 ハクアがその中途半端なツンデレっぷりを存分に発揮した結果、桂馬に対するアプローチに予定調和的に失敗。桂馬の様なロジカル志向のボンクラ男子に対しては「何でもはダメだからね!」というツン言葉の裏に隠された「あなたになら何をされてもいいの♥」というメッセージを読み取ってもらうことは全く期待できないので、ハクアはもうちょっと直接的なアプローチを取るべきだと思います。それが無理なのがハクアというキャラなんだけど。

 あとハクアの「協力者」である雪枝さん(敬語)が出てきましたが、かつて「絶対可憐チルドレン」3巻の折り返し四コママンガで皆本を窮地に陥れた「フツーのおばはん」を彷彿とさせるおばちゃんだなあと思いました。
 この手のマンガにおける「おばちゃん」はある意味リアルの権化として描かれることが多いのですが、多分この雪枝さんもそういうキャラなのではないかと想像します。ここで言う「リアル」とは、おばちゃんがテレビを寝っ転がって観ながら煎餅食べつつ屁をするとか、そういう容赦のないリアルです。桂馬は彼女が敵(あるいは攻略対象)として出会わなくて良かったと安堵するべき。

アラタカンガタリ

 部下を失ったばかりか自分の鞘まで奪われ、かつて自分が拾った少女にまで罵倒されるという、カンナギ様のヘタレっぷりを存分に堪能するべきエピソードでした。
 というかカンナギ様って、最初に出て来て秘女王を殺害した時がピークで、後はヘタレる一方ですよね。ライバルキャラがここまで早期にヘタレて来るマンガは、サンデーではちょっと例がないように思えます。渡瀬先生はやはり全く容赦がありません。

 今のところ「アラタカンガタリ カンナギ ヘタレ」で検索しても40件程度しかヒットしませんが、カンナギはカンナギであるが故に今後もヘタレてくれること間違いなしなので、今後この件数は急上昇すること間違いありません。カンナギ様の存在のおかげで「アラタカンガタリ」がますます楽しく読めますね!(ダメな方向に)

はじめてのあく

 藤木俊先生渾身の薄い胸少女・キョーコのオールヌードが白眉でした。あのシャイな藤木先生が、自分の胸の大きさを気にして自分で自分のおっぱいをぺたぺた触っているだなんていう大胆なカットを描けるようになれるとは…(ひどい褒め方)。
 そしてジローがサイエンス特集番組(推定:NHKスペシャル)を観ようとしているところに激しく共感。「NHKスペシャルが好きな人に悪い人はいない」という独自の価値観に基づき、彼とはいい友達になれそうな気がします。

魔王

 「〈令嬢〉なんてクズに犬養が殺られたら、あんたと命懸けで戦った兄貴の命まで安くなる

 少年向け格闘マンガとかだと、一度戦ったライバルキャラが主人公に対して「お前を倒すのはこのオレだ!」という理屈で主人公に襲いかかる他の敵と戦うようになり、最終的には仲間になったり主人公を守って死んじゃったりするパターンってのは割とよく見かけるものなのですが、このメソッドを主人公がライバルキャラに対して適応するのはちょっと珍しいのではないかと思いました。
 要するに、潤也は犬養のことが兄と同じくらい好きなのですね?(まちがい)

 あとそれとは関係なく、「お前は俺が始末する」と鼻血を流しながら言う潤也が、彼がこの言葉に込めた想いの強さと、それに相反する客観的にこのシーンを観た場合の珍妙さがミスマッチになってて面白かったです。

トラウマイスタ

 ピカソ君がダ・ヴィンチに完全敗北の巻。しかもタダの敗北ではなく、いわゆる「精神と時の部屋」的な空間で修行をし、ダ・ヴィンチに対抗しうる決定的な力「勇気の剣」を得た後での敗北という、ちょっと普通ではあり得ない展開を見せてるところが凄いです。
 もし「トラウマイスタ」が普通の少年マンガであれば、「努力・友情・勝利」というジャンプ三大原則に沿った展開でまかり間違いなくこの戦いは主人公が勝利したはずなのですが、残念ながらダ・ヴィンチが登場してからの「トラウマイスタ」は既に普通のマンガではなくなっているらしく、「勇気の剣」はへし折られ、スジャータを失うという、主人公の努力が全く報われることがない展開になってしまいました。

 この経験は間違いなくピカソにとってのトラウマになると思われますが、このトラウマは彼に新たなアートマンを与えることになるのかも知れませんね。もしかしたら、我々は「主人公の心の傷が能力となる」このマンガのコンセプトの真の恐ろしさを、これから思い知らされることになるのでしょうか。
 「トラウマイスタ」…なんて恐ろしいマンガ…(ゴゴゴ)

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アニメ終了感想日記

 今更ですが、アニメ版「絶対可憐チルドレン」の放映が終了しました。
 この作品に関わった全ての皆さま、おつかれさまでした。そして、ありがとうございました。

 このサイトではほとんどアニメの感想書いてませんでしたけど、一応全話ちゃんと観てましたよ!(←手遅れ気味のアピール)

 最終話の前半は原作週刊連載版の第一話をベースにしたエピソードでしたが、第一話のテーマである皆本の台詞「何にでもなれるし、何処へでも行ける」がそのまま最終話のテーマとしても通用するのが凄いというか、作品の主題そのものにブレがない証拠なのかな、とか思いました。
 さすがは「背骨の通った美少女SFコメディー」を標榜して連載を開始しただけのことはあります。「ソリッドな秋葉系でない」の部分はスルーの方向で。

 そして後半は、流石にハヤテのように「第二期決定!」とは行きませんでしたが、チルドレンの新コスチューム、悠理の登場、ティムバレコンビの復帰、パティの掛け算趣味などの『今後』を意識させる要素を垣間見せてくれたのが嬉しかったです。これは「続きはマンガで読んでね!」というアニメスタッフからのアピールであると解釈しました(妄想)。
 今出てるコミックス16巻が、ちょうどアニメが終わった直後からのエピソードになっているというアニメファンに優しい仕様であることを、もっと小学館はアピールした方がいいと思います。コミックスの売れ行きの好調さの理由を担当編集者の交代に求めている場合じゃないと思います(サンデーGX編集者日記 3/25参照)。

 とにかくこのアニメを観ていて思っていたことは、これを作ってる方々は「絶対可憐チルドレン」という作品、そしてこの作品を生み出す母体となったSFというジャンルそのものが、本当に好きなんだろうなということでした。
 椎名先生は「こういうのが大好きな自分を偽れない!」と悟りを開いてこの作品を作ったことは既に皆さまご存じだと思いますけど、こういうのが大好きなのはアニメ作った方々も一緒だったんだろうな、と想像してます。
 この時代に「絶チル」のようなプリミティブな超能力SFアニメを作れることの、作り手側の喜び? みたいなものを感じていました。勝手に

「全ての人間、全ての子供の未来は輝いている」

このメッセージが、あなたの心に届きますように。そしていつか、どこかで、それを必要としている子供の心を救いますように。

アニメ第51話・最終回: 完成原稿速報・ブログ版より引用

 そして個人的に「絶チル」が改めてすごいなと思っているところは、「未来」に対して極めてポジティブなメッセージを発している点です。このご時世で。
 私は「絶チル」の中ではキャリー編が特に好きなんですけど、どこが好きかって言われたら、「未来の日本が人工衛星の打ち上げ当番国を勤められる程、航空宇宙技術が発達している」ところをあえて挙げたいです。現在の日本における宇宙開発の現状はともかく、このマンガの世界ではちゃんとこういう形で「明るい未来」が出現することを肯定して表現しているのがこのマンガの素晴らしいところだと、かねがね思ってます。
 例え絶望的な未来が予知されていようとも、それを乗り越えるだけの希望を読者に与えることを、本気で目指している作品。大げさに言えば「絶対可憐チルドレン」の魅力はそういうところにあるのかも知れません。

 何はともあれ、アニメ関係者のみなさん、改めておつかれさまでした。
 椎名先生はアニメが終わっても気力を失って倒れないよう頑張って下さい(ひどい)。

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