今年もよろしくお願いします。サンデー3+4号感想
電波教師
「鑑純一郎に担任を持たせる気ですか? あれだけ時期とクラスを慎重に判断すると…
」
「慎重に判断して、”今だ”と思いました。
」
「ウソだーっ!
」
「電波教師」の台詞進行の特徴として、ボケる側が突っ込む側の話を全く聞いていないことが挙げられますが、その中でも理事長の暦は話を聞かないで常に独断専行で物事を進めるという意味において、間違いなくこのマンガ内で最強のキャラクターだと思います。まあ、彼女の独断専行っぷりは、彼女の鑑に対する信頼というか、自分の「人を見る目」の正しさに絶対的な自信があることの現れであることはよく判るのですが。
その辺の彼女の性格は、今回の問題児である七海『改造人間』征十郎を学校にスカウトしに来たシーンにもよく現れてます。客観的に見ればこの展開は普通に人身売買なのですが、そうするだけの価値が七海にはあると彼女は今も思っているのでしょう。多分。
あと鑑が叶『顔面パンチ』美奈子を人質にとって七海にゲームでの対戦を強要する件はどうみても鑑の方が悪役なのですが、まあこれはそういうマンガなのはみんなもう判っているので、まったく問題ないと思いました。
銀の匙
今回は、八軒が「豚丼」の処分について悶々とする一方、その八軒と吉野の間に何故か全く根も葉もない不純異性交遊の噂が飛び交う! というお話でした。こういう浮いた噂ができる共学校が羨ましいなあとか思う男子校出身者です。こんにちは(挨拶)。
今回キャラクターとして面白かったのは間違いなく始終体を張ってボケ倒した常盤君なんですが、噂を聞いて動揺するアキもラブコメ的な観点からすると見逃せない動きをしてくれました。最近つくづく思いますが、本当にこのマンガ面白いです。何でこんなに毎回面白いんでしょうか?(と言われても)
アナグルモール
自分を家族であると言ってくれた京介を守るため、同じ間人であるクワトロールに対して毅然と反旗を翻したルチルがやたらかっこよかった今回。
地上の人間が脆弱であることを間人が知ってしまったここからが、本当の「アナグルモール」の始まりなのだ! と確信するに十分な内容でした。2012年の更なる盛り上がりに期待したいマンガです。
ムシブギョー
「蟲奉行様」が白髪の美少女であることは超増刊連載版で提示されていましたが、彼女が何故「蟲奉行」なる職務に就いているのか、彼女が如何なる能力を持っているのか、何故彼女が江戸を蟲から守るためにわざわざ江戸から離れた場所に遷る必要があるのか、そもそも「蟲奉行様」とは何なのか? など、肝心な部分は明かされないまま週刊連載に移行してしまったので、いよいよ週刊の方でこれらの謎に迫る展開が!? と期待してるところです。
なお、蟲奉行様はご覧のとおりミステリアスな美少女であり、その容姿や身分からして真ヒロインを名乗る資格は十分あるのですが、仁兵衛はおっぱいの小さい女性には興味を示さないため、多分仁兵衛殿とそういう事になるとは思えないのが残念です。
GAN☆KON
いつか物語に絡むんじゃないかと期待されていたメガネ図書委員こと三峰椿さんですが、思いも寄らない形で代行者バトルに巻き込まれる形になってしまった模様。
何か勢いでうっかり新太に惚れてしまいそうな展開になってますが、仮に惚れてしまったとしても、あの男性を虫けらのような表情で見下す性格だけは最後まで固持していただきたいなと思いました。
はじめてのあく
ここに来て、まさかの黒澤×大神カップリング成立回。黒澤がテレて視線を逸らしながら自分が如何に大神のことを大切な友達と思っているのかを告白→大神も赤面しつつその告白を受け入れ、自分達が親友であることを改めて自覚→互いに抱擁→キャッキャウフフ、という美しいガールズラブ的な流れ。読んでて心が洗われる想いでした。
まあ、肝心のキャッキャウフフの場面が、「キャッキャウフフ」と書いて「さば折り」と読ませるハードな絡みだったことだけがちょっと普通のマンガとは異なりますが、格闘系カップリングだからこそできるハードな愛のコンタクトであると言えなくもないのではないのでしょうか(まちがい)。
「はじあく」も連載期間が長いし、そろそろ展開や人間関係など色々と煮詰まってきているので、今年はアニメ化決定か、あるいは連載終了かの岐路に立たされるんじゃないかとビクビクしてます。どうしよう。
おすもじっ!
今回の話は、東京からやって来た司に、生粋の京都人である寿が京都特有の年末年始の文化を伝えるという趣旨の、このマンガならではのとても文化的価値の高いエピソードなんですけど、司の天然ボケな性格と「実は女の子」という設定から来る独特の危うさ、寿の「京都の料理人」らしからぬ性的な意味で下劣な態度、破天荒芸妓見習いという枠から全くブレない七美など、出てくる連中がちょっとアレなので、どっか何かがおかしい雰囲気になってるのが面白かったです。
「おすもじっ!」は、第二部になってからかなり面白くなったと個人的には思ってるマンガなのですが、ギャグのノリなどが完全におっさん向けなどの要因があるので、多分サンデーを背負って立つようなメジャーな作品にはならないんじゃないかと思ってます(ひどい)。個人的な今年の注目作品ということで一つ。
小学館 (2011-12-16)
2巻の表紙の司が可愛すぎて辛い。1巻と対になってる構図ですね