サンデー新連載「國崎出雲の事情」第二話までの感想
國崎出雲の事情
女形が登場するマンガといって真っ先に連想されるのは勿論「オヤマ!菊之助」ですが(いきなり)、「菊之助」が女形を学ぶという名目で女の子にエッチな事をするという、「ラブひな」とかそういうものが流行っていた90年代後半的なノリの判りやすいエロコメだったのに対し、この「國崎出雲の事情」の場合は『女形で女の格好をするなんて恥ずかしい
』『でも女形として注目を浴びるのは気持ちいい
』という相反する感情が主人公の中で交錯しつつドラマが進行して行く、一種のトランスジェンダーものとして描かれているところが、なんというかこう時代だよなあと思いました。
ただ、主人公の出雲は既に女形として舞台に立つ快感を知ってしまっているため、今は「女形なんて」とツンツンしていても、話の展開的にはいずれデレて来ることは必至。主人公がツンデレなのもやっぱり時代ですね(決めつけ)。
まあ個人的には「男らしさ」と「女形を演じること」は全く矛盾しないというか、むしろ女形とは「男」たるものを知り抜いた上で「女形」という名のアニマを演じるという意味においては男の中の男でなければできない仕事であると思っているので、最終的には出雲がその辺の感情的な折り合いをどう付けていくか? という形で話が進んでいくのではないかと思われます。
あと第一話では加賀斗という女形が登場しますが、このキャラは立ち位置的に面白いです。出雲を女形の世界へと牽引する先輩キャラであると同時に、掛け算妄想要員としても機能するという抜かりなさが素敵。病弱気味なのも何かちょっとソソられます。この辺も時代という奴なのでしょうか。
勝手に時代のせいにしつつおわり。