柔らかい石はいい笑顔の者に(「八咫烏」の藤吉郎を見ながら)。サンデー17号感想
BUYUDEN
萌花が不良中学生軍団を単身で撃破し、彼女のボクシングの実力の半端無さをマンガ的に表現したの巻。
公園で倒れる不良少年たちのカットを見て自分が思い出したのは、「シグルイ」4巻で虎眼流の少年剣士に喧嘩を売った挙句、藤木源之助一人に素手で倒された浪人軍団の姿でした。つまりはそれくらい衝撃的だったということです。萌花が「シグルイ」の藤木ばりに「野良犬相手に表道具は用いぬ」と言ってもおかしくないくらいの衝撃です。
もし本当に萌花が虎眼流の剣士だったら、倒した後に一人残してあとはそこら辺で拾った石を不良に落として止めを刺すはずであり、残された一人は萌花の剣名を広めるための生き証人となるはずであり、更には武君がそこに理想の剣士の姿が目の前に輝いているからという理由で「いつか私も…
」と涙を流さなければならないのですが、でもそうはならなかったので、萌花は虎眼流の剣士ではないことだけは間違いないようです。
いったい彼女は、何処でボクシングの訓練を受けているのか、そして今回の暴力事件を彼女にボクシングを教えている面々がどう受け取るか? といったところが焦点になるのでしょうか。萌花が不良少年相手に事件を起こしたと知った父親が、「シグルイ」の牛股師範のように「でかした!
」と攻撃的な笑みを浮かべたりしたらどうしよう。正気にては大業成らず。武勇伝はシグルイなり。続く。
おすもじっ!
サンデー春の大攻勢第四弾は寿司漫画。冒頭からいきなり寿司屋の親方が主人公・司の正体が男装女子であることを冥土の土産的な勢いで語りだした時にはどうなるものかと思いましたが、最終的にはその主人公を男だと思い込んだ元ヒモの青年・寿に惚れ込まれて二人で寿司屋を営むことになる、という展開に落ち着きました。
司の寿司屋がこれからどうなるのかはまだ判りませんが、とりあえず寿が事あるごとに司のことを「こいつ男なのにどうしてオレはこんなにドキドキしちゃうの? これって恋?」と性的な視点で見つめてドギマギしてしまう性倒錯ラブコメディとして展開することは間違いなく、そういうのが好きな人なら楽しく読めそうな予感がします。
あと個人的には、「おすもじっ!」の原作を担当しているのが「ギャンブルッ!」の作者の鹿賀ミツル先生であることに驚きました。あの鹿賀先生の作品なら、ただの寿司マンガで終わることなく、これから更に波乱に満ちた展開が巻き起こることを期待したいです。20XX年、日本政府が寿司を全面合法化し、日本は世界一の寿司大国となった…!(まちがい)
ムシブギョー
「う…鰻が服の中に~!?
」
サンデー超連載時代の「ムシブギョー」とは、津軽からやって来た仁兵衛が様々な経験を経ておっぱいフェチに目覚めるまでの物語と定義できますが、今回のお春殿のおっぱい大盤振る舞いな展開により、仁兵衛がおっぱいに目覚めたことは必至の有様でしょう。よって、今回のエピソードをもってサンデー超の展開をなぞるこれまでの「ムシブギョー」は終演を迎え、次回からは新しい「ムシブギョー」が始まるに違いない! と思いました。
しかしあの熱血硬派な「ムシブギョー」が、まるで80年代のエロコメみたいなあからさまなエロ展開を仕掛けてくるとは意外でした。作者の福田先生の気合いの入れようが伺えるというものです。これからも作品が節目を迎えるたび、お春殿のおっぱいをお願いします(感想)。
はじめてのあく
作者に愛された変態・黄村が大活躍(ギャグマンガ的な意味で)の巻。彼が「死ぬ前に一度でいいから1000人の美女に踏まれたかったー!
」と泣き叫んだり、ユキの甘言に乗せられて簡単に調子に乗ってしまうところは、かつての「GS美神極楽大作戦」における横島君を彷彿とさせてくれます。
こういう男の古典的なダメさっぷりを判りやすく表現してくれるキャラは現代少年マンガでは貴重な存在なので、何としても生き残って欲しいですね。まあ彼なら仮に瀕死になっても女子に踏まれれば生き返ると思いますが。
神のみぞ知るセカイ
フィオーレは今ひとつ垢抜けない優等生といった印象が強いキャラでしたが、「フン、お前…何にも知らないのね!!
」のコマにおける桂馬を見下したような邪悪な笑みは、私の中にある美少女に蔑まれたい欲求を思い起こすのに十分なものでした。良かったです(感想)。
しかし次回はどうも女神ウルカヌスとタイマンバトルになりそうな予感ですが、ウルカヌスは桂馬ですらあれほどてこずった相手なので、おそらく『ヴィンテージ』の下っ端に過ぎない彼女では秒殺は必至。あのサディスト的な笑みが彼女の最期の輝きとなってしまいそうな予感。さようならフィオーレ(決めつけた)。
あと桂馬と意図せずに密着する体勢になったハクアがかわいいです。アニメ第二期が楽しみです。
結界師
物語も大詰めとなったこの作品ですが、今回はついに良守がケーキ作りにこだわる理由が明らかになったというお話でした(やや曲解)。
神をも殺せる能力を持っている良守母こと守美子ですが、息子達とのコミュニケーションは上手く取れていたとは言いがたく、彼女もその辺を気にかけていた模様です。今回、彼女が自ら「真界」を中から閉じてこの世界に残ると言い出したのもどうやらそれに対する気後れがあった様子。息子に対する気後れがそのまま息子と永遠に断絶することを選択させるというのは極端と言えば極端なんですけど、その辺が異能能力者たる所以なのかも知れません。
ちょっとヌけたところがある美人のお母さんって、ちょっとイイですよねー(感想)