2009年のサンデーは若木先生が引っ張ると確信したサンデー6号「神知る」感想

神のみぞ知るセカイ

 「落とし神」こと桂馬は、ギャルゲーコミュニティの中だけではなく、ゲームメーカーからもリアル神としてあがめ奉られていたのであった! という事が判明したエピソード。また、この作品世界における「ギャルゲー」がどんなものであり、社会的にどんな位置付けにあるのかを解説しているエピソードであるとも言えます。

 このマンガにおける「ギャルゲー」は、我々のいる現実世界のギャルゲーとは同じギャルゲーと言えどもちょっとギャルゲーが違うのではないか? という感覚を何となく持っていた方もいるのではないかと思うのですが、今回のエピソードによって、この作品における「ギャルゲー」は単に女性との恋愛をモチーフにしたゲームというだけではなく、何よりも桂馬が言うところの「2Dヒロインへの愛」が込められているかどうかが評価されるものになっているみたいです。

 そういえばちょっと前のエピソードで、桂馬がギャルゲーの歴史をエルシィに語る時に(通常のギャルゲーの進化の過程ではなく)「2Dへの愛が3Dを打ち破った! 足りないDはDREAMで超える! それがギャルゲーだ!」みたいなヤバイことを真顔で語っていたので、流石にこれは桂馬の妄想だろうと当時は思っていたんですけど、実はこのマンガの中では「足りないDはDREAMで超える」ど根性スピリッツこそがギャルゲーにとって最も大事なものになっており、そしてそのスピリッツをギャルゲーメーカーに叩き込んだのがよりによって桂馬本人だったということになっていたとは驚きました。まさに桂馬は、この世界におけるギャルゲーの創造主の立場に立っているのです。
 まさかこのマンガが、ここまで桂馬と「ギャルゲー」の関係について、ここまで壮大な設定を用意していたとは思いませんでした。今回のエピソードを初めて読んだ時、はからずもちょっと感動してしまいました。いやマジで。

 なお、今回のエピソードの中で「ギャルゲーは全世界で500万本売り上げる」との表現があったので、実際世界規模で500万本売れたソフトにどんなものがあるか調べてみたところ、Wii版「ゼルダ」やPS版「トゥームレイダー2」、PS2版「クラッシュ・バンディクー4」などが該当する様です。ゼルダと同じレベルでギャルゲーが売れる世界ってどんなだろう。
 二次元キャラと愛しあって生きてゆける人達が、世界中に500万人もいる世界。それはきっと、この現実世界よりも遙かに素敵なところなのかも知れません。

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