アニメ化決定おめでとうございます記念・サンデー9号「ムシブギョー」感想
常住戦陣!! ムシブギョー
「蟲奉行所に入った恋川春菊はずいぶん丸くなった。そして、以前より遥かに弱くなった
」
その昔、椎名高志先生が結婚された後には、よく「椎名先生のマンガは結婚してからつまらなくなった」って話を散々聞かされたものでしたが、これはきっとそれと同じようなアレですよね。私はそう解釈しました(思い込み)。
椎名先生は現在は絶チルが二度目のTVアニメ化でまさに絶好調ですが、その前のヒット作である「GS美神」から「絶チル」に行き着くまでには、「Mr.ジパング」→「一番湯のカナタ」→いろんな雑誌で短編を執筆→「パンドラ」と様々な変節を経るうちに作風が変化して行ったのと同様に、「ムシブギョー」の恋川殿が今のように「丸くなった」のも、また色々あって変節を経たに違いないんですよ。今回は彼が「人斬り」として斬撃を極めようとする理由となる過去の一端が明かされましたが、きっと彼にはその過去から今に至るまで、これ以外にも様々なドラマがあったはずなんですよ。
同じ「ちょっとお色気が入ったコメディ」でも「GS美神」と「絶チル」ではその面白さの種類が異なるように、「ムシブギョー」の恋川殿も、その強さの源は全く異なっているのです。昔のような殺気立った強さを期待する向きには「恋川は弱くなった
」と言われていますが、しかしそのように言う者達は、今の彼の強さの本質を見誤っているのではないか。私にはそう思えるのです。判って頂けるでしょうか。
結論としては、今の椎名先生がヒーローズカムバック企画でどんな新しい「GS美神」を描いてくれるのかが楽しみです(ファンサイト要素)。
小学館 (2012-10-18)
8巻は、アニメ化を目前に控える2月に発売。アニメでは動く蟲奉行所様に期待します