小学生女子が主人公の少年マンガは名作の法則 サンデー16号「リオンさん」感想
リオンさん、迷惑です。
リオンさんが小学校に転入し、意識高い系の同級生男子・三上くんに突っかかられて騒動を起こされるという話でした。
現実における小学1年生というのは、ついこの間まで日がな一日遊んでいた幼稚園児だったという事実を鑑みれば、基本的に我々とは異なる独自のロジックを持った、我々の世界の道理が通じない別種の生物とみなされるものだと思われますが、そんな獣の群れに突然放り込まれても全く臆することなく、むしろ自らの「悪魔」というキャラクター性を周囲に納得させて瞬時にクラスに馴染むことができたリオンさんは、実はものすごくコミュ力が高いのではないかという気がしてきました。
あるいは、リオンのような個性が高過ぎる存在をも容易に許容できる、このマンガの小学1年生達の世界こそが素晴らしいということなのかも知れません。神も悪魔も小学1年生にかかれば只の変わったクラスメートに過ぎなくなるということなのでしょうか。
我々に近い道理を持ち、「悪魔」キャラを振りまくリオンを異端として排除しようとした三上くんの方がむしろ異端として扱われている点から考えても、我々はリオンに自然に接するこのマンガの小学1年生のように生き、通りが通じない存在をも受け入れられる寛容の精神を得るべきなのかも知れません。非寛容な雰囲気が蔓延する現代社会におけるアンチテーゼとしても読める「リオンさん、迷惑です。」。深いですね(多分まちがい)。
あと、世の中には人間が石化されるシチュエーションが大好きな所謂石化フェチというジャンルがあるんですが、自分が石化された上に美少女に粘液をぶっかけられる今回の展開は、フェチ的にはどうなんだろうかと思いました。
小学館 (2012-11-16)
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「リオンさん」のコミックス1巻は4月発売とのこと