そばにいられればそれでよかった サンデー10号「舞妓さんちのまかないさん」感想

舞妓さんちのまかないさん

 主人公のキヨが何故舞妓の屋形でまかないさんとして働いているのかという過去を描いた話でした。端的に言えば、彼女は「舞妓に憧れてはいたけど、舞妓になりたかった訳ではなく、舞妓の側にいられればただそれで良かった自分に気が付いた」ということになるんでしょうか。

 今のキヨは舞妓さんの側でまかないさん役に徹しているだけで幸せそうなのでそれでいいとは思いますが、いつまでも彼女がこの場所で料理を作り続けることができるのか、そしてこの場所に留まり続けることが彼女にとってベストなのかどうかは、多分まだ判りません。

 これが並の少年マンガや少女マンガだったら、ここから彼女の運命が大きく変わって再び舞妓への道を歩むとか、本格的に料理人への道を志すようになる的なドラマが起こること必至なんですけど、でも多分これはそういうマンガではないので、しばらくはこのまま特に大きなドラマもなく、彼女は彼女が自分で決めた居場所で、大好きな舞妓さん達のために穏やかに働き続けることになるんじゃないんでしょうか。

 劇的なことが起こらず、ただ日常だけが続いていくマンガが少年誌に載ってるというのは、ホントにすごいことだと思います。「舞妓さんちのまかないさん」は、サンデーが大きく変わったことを象徴するような作品になるのかも知れませんね。

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「ちろり」も一度ちゃんと通して読んでみたいです

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