What's New!


03/11/25  (更新情報へ)

■東京都千代田区一ツ橋2-3-1

近況報告:
 最近は少し改善して来ましたが、相変わらず積読状態が解消できません。
 時間がないのは相変わらずなのですが、それ以上に本を読む気力がまだ完全には戻ってきていない感じ。

 そこで、自分にとっては食欲や性欲や睡眠欲と並ぶ基本欲求のひとつであるところの「本読みたい欲」の中枢を刺激してムラムラ来させるため、連休中に久しぶりに神田・神保町の書店街へ行ってみました。以前東京に出張して仕事をしていた頃は、よく通っていたところです。
 最近はマンガ以外の本は書店に出向かずに Amazon で買っちゃうことが多いのですけど(理由:本屋行って本を探すのが面倒くさいから)、やっぱり本は本屋で直に探して買ってこそ! 新しい本との出会いがオレを待ってるにょ! とかロマンチックなことを言いながら、まずは三省堂書店とか書泉グランデとかの神田を代表するでっかい書店に連続突撃を敢行。

 結果:広すぎる店内を探し回るうちに気力が尽きました

 目的の本がどのジャンル(=フロア)にあるのか全然見当がつかず、フラフラしているうちに体力と時間が尽きてしまいましたトホホ。結局、買い逃していた雑誌を数冊買っただけで退散することに。神保町で買った本の数よりも、同じ日に立ち寄った秋葉原で購入した同人誌の数の方が多かった、というのがさすがオレだと思います。
 十年位前に東京で仕事してて頻繁に神保町へ通っていた頃は、そんなことは全然なかった気がするのですが。勘が鈍ったのか。熱意が失せたのか。それとももう歳なのか。

 キーワード一発で探している本を検索→即購入ができる Amazon って、やっぱり便利ですよね!
(さようならロマンチック)


 そんな感じで生きてます。こちらは私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンホームページ C-WWW です。

 懸案の読書欲の方は、先週末に発売された「エマ」3巻を読んでムラムラしながら解消中です(語弊)。
 このマンガは国産メイドマンガを革命するだけの力を持った作品だと、改めて実感。この作品の登場により、メイド服来た美少女キャラがご奉仕するにゃーん! とか言ってても許された、これまでの無邪気な時代は終焉を迎えたと思いました。
 これからのメイドは13歳が来ます!(脈絡がありません)

(*´д`*)

 それで少年マンガ誌界隈では、マガジンジャンプの冬の新連載の陣容が発表されて話題になってますが、我らがサンデーはどうなんでしょうか。
 下馬評的には、椎名高志氏や藤木俊氏(以前超増刊で「こわしや我聞」を連載して好評を博していた方)が当確ライン上で、そろそろ新連載が始まってもおかしくないのではないか? とか噂されているみたいですけど(2ちゃんねるとかで)、実際どうなんでしょう。
 今年読み切り作品を掲載して存在感を誇示した万乗氏や夏目氏の動向も気になります。

 まぁ、このサイト的には「絶対可憐チルドレン」が近日中にサンデーで連載されることはもはや決定事項とみなされているので、その辺についてはまったく心配していないのですが。なので、もし「絶チル」の連載が今冬や来春に始まらなかったら、多分それは誰かが未来を書き換えたに違いないと判断致す所存であります。もしそうなったら、サンデー編集部に要望のハガキを出す前に、まずはタイムパトロールを呼べ! もしくはドラえもんを探してタイムマシンを奪え!
 「GS美神」のファンなら、雷雲を呼び寄せて落雷を発生させ、タイムポーテーションを試みるのも可。もっとも普通の人は、「雷に打たれると潜在能力が覚醒して時間移動する」なんて美神令子クラスの都合の良い展開が発生するどころか、落雷を受けると確実に死にますので、とりあえず時間移動能力を持った人物を自分の親にして、自分自身を新たに産み直してもらうところから始めて下さい。

 あと話は戻って「これってもう全然マガジンじゃねぇよ!」と個人的には大評判のマガジン新連載陣ですけど、個人的にはやっぱり西条真二氏に期待してしまいます。
 氏は小学館のマンガ雑誌ではホントに不遇というか、「小学館のマンガ的には正しいけど、西条真二氏のマンガ的には正しくない」系統の主人公のマンガばかりを描いて来ちゃった気がしてならないので、ぜひ新天地では本来の調子を見せて欲しいものです。新連載紹介に書かれた西条氏のコメントがやたら熱いので期待大。今から楽しみです。
 勿論、ヒロインが巨乳なのかつるぺたなのかも気になります。

 また「アッパーズ」で大人気連載中の「餓狼伝」の外伝的な物語もマガジンで新連載されるそうなのですが、でも板垣先生大丈夫なのでしょうか(直入)。
 最近の「バキ」は、「格闘マンガとして面白い」というよりも、よりメタなレベルで突っ込みながら読む間違った読み方をした方が面白いマンガになっちゃってる気がしますがどうだろう。ドリアン海王とか。

 そしてジャンプの方では、やはり梅澤”デストローイ!”春人先生の復活に期待。今度はどんなロックな作品が飛び出てくるのか注目です。
 ボクが大好きな「武装錬金」もついに上位連載陣の仲間入りを果たしたっぽいですし、しばらくはジャンプから目が離せない日々が続きそう。やっぱりジャンプは面白いなぁー(そういう結論でいいのか)

 

更新情報:

 


03/11/18  (更新情報へ)

■Not Just Another Pretty Face

近況報告:
 抱えていた仕事が一段落し、ようやく心理状態が上向きになって来たので、積読状態になっている本の消化作業を開始しました。
 これまでのような「マリみて」とエロマンガの間を反復横飛びしているだけの毎日だと、そのうち同人誌専門店に駆け込んで乃梨子×志摩子本を物色し始めかねない精神状態になりそうで、ちょっとヤバいかなぁと思いまして(その発想が既にヤバいと思います)。


 という訳で、とりあえず月初に買ったままほったらかしにしていた「プリティフェイス」の最終巻である6巻から着手(よりによって)。

 この作品はそれほど連載期間が長いわけではなく、連載中における雑誌内での位置付けも最初から最後まで中堅どころの立場から抜け出せなかった感じで、週刊少年ジャンプ的な価値観ではそれほど「大ヒットした」「成功した」訳ではない作品であるということになると思うのですが、でも作品の人気そのものは(比較的人気が取りやすいラブコメマンガということを差し引いても)結構高い作品だったのではないか? と思ってます。
 特に最終巻である6巻では、「主人公がヒロインそっくりの顔に改造される」という無茶な設定から生じたドタバタをちゃんと話としてそれなりに納得できる形で収束させ、大団円の形で終わらせているのが素晴らしい。作品としてキチンと完結している点が、この作品の印象を高めているのは確かでしょう。

 思うに、このマンガが「スッキリした終わり方」を実現できたのは、ワンパターンを打開するためにおかしな(頭が)キャラをバンバン増やしたり、キャラ同士の関係がドロドロして話が収拾付かないくらいグデグデになちゃったり、ヒロインの性格が恋敵に嫉妬し続けていううちにどんどん歪んでしまって読んでてムカムカして来るような、長く連載やってるラブコメマンガなら必ずハマる泥沼的な状況(個人的に「めぞん一刻効果」と呼んでますが)に陥るほどには連載が長引かなかった、コミックス6巻目という微妙な連載期間だったことが幸いしたのではないのかなぁ、とか思っています。
 もしかしたらこの作品は、「コミックス6巻」という連載期間で終わったからこそ、『良作』の評価を得ることができたのかも。実際、このマンガもこれ以上続いていたら、今以上におかしなキャラがバンバン増えて大変なことになりそうな雰囲気もあったしね!(失礼)

 そんな感じで、いわゆるラブコメマンガにおいては、時には引き際を見極めるのも作品の評価を高めるためには必要になるのかなぁーと、最近の「いちご100%」を読みながら思ったりしました。
 というか、最近の「いちご100%」の展開は明らかに異常。主人公が誰かとキスしようとしたりそれ以上のことをしようとするのを阻止するためだったら、ガス爆発事故だろうが何だろうが平気で引き起こすこのマンガのお話の作り方は、ラブコメマンガとして面白いというよりも、むしろ「少年誌でラブコメマンガを続けるのって、やっぱりタイヘンなんだなぁ! 『寸止め』を守るのに必死だなぁ!」という、メタなレベルでの面白さを感じてしまいます。

 いやまぁ、私はむしろそういうマンガの方が好きなので、一向に構わないんですけどね!
 この期に及んで登場してきた新キャラ・端本ちなみなんか、性根のひねくれっぷりや腐れっぷりなどのアレっぷりがモロに私好みでなんかもうハァハァ(以下略)


 以上、こちらは私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンホームページ C-WWW の更新情報でした。
 前から告知されていた椎名高志短編集が 12/18 に発売されることが正式決定した模様なので、ファンのみんなは今から要チェックだネ!(←幼児向け雑誌並みのアオリで申し訳ない)

 あと、同じく12/18 には、今ではサンデーの目次ページの下の方に「今週の『きみのカケラ』は高橋しん先生が体調不良のため休載します」と毎週毎週執念深く書かれていることで有名になってしまった、週刊少年誌の連載マンガとしては近年稀に見る展開を見せている「きみのカケラ」の第2巻が発売されます。
 噂によれば「カケラ」2巻では猛烈な数のページを書き直したそうで、マンガファン的にはそうした面を注目するべきなのですが、でも個人的にはそんなこと以上に、高橋しん先生の体の状態が相当アレでまだ連載再会の見通しも立っていない絶望的な状況なのにも関わらず、あえてコミックスの続きを出すことそのものが驚きであります。
 これは、作家としての誇りと意地がそうさせたのか。それとも、絶望的な世界の中で希望を見いだす「きみのカケラ」世界の精神を、作者自ら示そうとしているのか。

 ところで2巻には、レジスタンスの小さな女の子が思わずぱんつを濡らしちゃうシーンは収録されているのでしょうか?(おわり)

 

更新情報:

 


■今更になってしまったのでダイジェスト版サンデー感想
サンデー49号
  • 「美鳥の日々」に登場した泥レスラー・櫛名彩子がメガネを外すシーン
  • モンキーターンアニメ化決定
  • 「何すんねん!!」と林田のオデコをはたく「いでじゅう!」の森さん
  • 「俺様は?」における「つーか、基本的に置いてないし(笑)」の自虐ギャグ
  • 「ファンタジスタ」で、「まさか、本当にこいつとやるとはな…」と呟くイタリア代表のカルロ

 この号で一番ツボに来たのは、やっぱり「美鳥の日々」。
 以前、ここで「この作品の本質は、あくまで美少女わんさかラブコメである」と申しましたが、でもこれの前の話が相当深刻なものだっただけに、その続きとなる今回の開き直りっぷりは、もはや見事と言うしかありません。しかもネタがウェット&メッシーフェチなら大喜びな(というか、そういうのが好きな人以外は絶対に喜ばない)泥レスリングと来ましたよ! これでこそ本当の「美鳥の日々」だ! 井上先生は違う!

サンデー50,51号
  • 涙を流すクラウディア(ファンタジスタ)
  • 村上正直48歳(結界師)
  • 読む者をやたらと不安にさせる「かってに改蔵」
  • 妙に二人の絡み合う視線がエロく感じるふぁいとの暁扉絵
  • 青島優子優勝(モンキーターン)

 「ファンタジスタ」は、今まで忘れられていたクラウディアにスポットが当たったからというのもありますが、それ以上に話の作り方が上手いのに感心しました。これまで意固地にサッカーを嫌悪し続けて来た彼女の心を開く役目を担ったのがあの沖田だった、という展開には、本気でグッと来ました。電車の中で思わず泣きそうになったよ!(弱い)
 この二人はここに至るまでの間に様々な物語を紡ぎ出して来ましたが、それもこれも全てこの二人のほんの一時の邂逅を生み出すために積み上げられて来たものだったのか! とか思うと、やっぱりこのマンガの作者の草場先生は凄い人だなぁと感心させられます。
 「ファンタジスタ」って、やっぱりタダの姉萌えマンガじゃなかったのな!(だいなし)

 あと「結界師」は、「村上正直48歳」のキャプションが、妖怪なんかとまったく同じようなノリで描かれていたのが面白かったです。家族を残して自殺したかわいそうなサラリーマンも、死んでしまえば所詮は妖怪と一緒。
 ある意味、この作品の根底に流れる冷徹な世界観を象徴していると言えるのかも。考えすぎ?(考えすぎ)

 


03/11/09  (更新情報へ)

■Can't Ready, Don't Go

いきなり近況報告:
 みんな大好き超お嬢様美少女わんさか学園コメディー「マリア様がみてる」の最新刊『レディ・Go!』を、ようやく読むことができました。

 話としては概ねオモロかったですし、今後の展開に対する伏線も張られて先を読む楽しみが増えたのは良いのですが、でも前作「涼風さつさつ」で主人公の裕巳を一方的に崇拝し、歪んだ理想像を裕巳に押しつけて一人悶々としながらハァハァしていたおかしな新キャラ・細川可南子から毒気がすっかり抜けてしまって可愛くなっちゃった点だけが、個人的にはたいへんに残念でなりません。根性が歪んでねじ曲がったキャラクターを観察するのが大好きな私としては。

 意識過剰なお年頃の女子特有の大好きな先輩に対する歪んだ崇拝っぷりが、可南子ちゃんの萌え要素だったってのに! あれで性格がマトモになっちゃったら、彼女はただの協調性がない陰気な女子高生になっちゃうじゃん! 「マリみて」界におけるクイーンオブ根性曲がりであらせられる小笠原祥子さまのアレっぷりを、彼女も少しは見習うべきだよね!
 いつまでも歪んだ性格のままの君でいて!


 そんな感じでマンガとは無関係な話ですがどうかー? 深沢です。お久しぶりです。ヤバいですね(オレが)。
 最近は本気で本職のお仕事に時間を割かれて他のことが全くできないような毎日で、こちらの方のサイトの面倒を見る暇がホントにありません。大変に申し訳なく。

 また、最近はなんか新しいマンガや雑誌を買っても読むことが何となく億劫になってしまう、かなりダウナー気味な心理状態に陥ってしまって困っています。いやもう、おかげで積読状態の雑誌やマンガが溜まる溜まる。一ヶ月前に買った「サンデーR」なんか、もうルーキー作品投票の期限を過ぎてますよ。どうしよう。
 こんな心理状態の時には、勢い読むモノが先行きが分かり切っている読み慣れた小説(例;「マリみて」)とか、全てが予定調和の中で完結する「お約束」で構成された作品(例:エロマンガ)とか、そんなのばっかりになってしまいがち。ヤバいですね(オレが)。

 そんな感じでアレな私ですが、最近読んだ本の中で結構面白かったのが、「結婚ってどうよ!?」(岡田斗司夫+渡辺由美子、青春出版社)という本。
 著者の渡辺さん(前にここで紹介した同人誌「ビバ!めがねくん」の作者です)とはコミケ会場で何度か会ったことがあり、『面識がある方が書いた本』というのが興味を惹かれた理由だったのですが、しかし実際に読んでいるうちに、色々と身につまされる男のワガママをスバスバと指摘されて切なくなったり、女性の結婚に対する意識の過剰っぷりに恐れをなして女はおっかねえなぁと思ったりして、そりゃもう大変な気分に。一気に最後まで読んでしまいました。

 何というかこう、自分自身が「結婚」の二文字をどうしても意識せざるを得ない歳になっちゃってることを、改めて実感させられた気分にさせられました。とりあえず、私と同じような立場にいそうな、「結婚」という単語にいまいち具体的なイメージが沸かない三十代以降の夢見がちな独身オタク男女にオススメしておきます。

 というか、ここは少年マンガのサイトのはずなのに、こんなことを書いていいのかどうなのか。
 ヤバいですね(オレが)。


■Time Slipping Beauty RETAKE

 そんな感じでヤバい私ですが、ようやく「Time Slipping Beauty」後半が載っているアッパーズを読むことができました。
 以下感想。

 掲載誌がおっぱい&バイオレンスが売りな「アッパーズ」ということもあってか、前半を読んだ限りでは話のノリが結構ハードだという印象が強かったこのマンガですが、後半はハードな雰囲気の中にも主人公に「救い」を持たせていたり、小学館のマンガ雑誌で見たことがあるようなキャラクターやアイテムがくすぐり程度に出てきたりと、いくらかマイルドな内容になっている印象を受けました。
 特に、幽霊になっちゃった悟郎君が主人公一家の日常に入り込んで平気な顔で同居してしまう辺りのノリは、「あのGS美神極楽大作戦の!」の宣伝文句に相応しい雰囲気を感じさせてくれます。「せっかくだから、やっぱ幽霊出しましょうよ幽霊! ボク、おキヌちゃんの大ファンだったんですよ!」みたいな話が編集会議で出たのかも(妄想)。

 その一方で、この作品に緊迫感を与えている最も大きな要因は、物語が今どきの不安な世相をベースに作られている点であることは間違いありません。元々椎名高志という漫画家には、その時代の世相を読みとって作品に反映させる能力がありましたが、このマンガはその才能を久しぶりに活かして「世相を反映した、なんかちょっと頭良さそうなマンガ」にすることに成功していると思います。
 こういうマンガは、基本的に読者が今の社会に対して何らかの興味や意見を持っていないと成立しない(というか、持ってないと読んでもあまり面白いとは思えない)訳であり、そういう意味においても今回の話は読者の社会性を信頼した上でお話が成り立つ、いわゆる「青年誌向け」の題材になっていますね。サンデーとかだと、こういうヤバそうな題材のものはやりにくいんでしょうか。

 あとストーリーの方は、最後の最後で主人公に「救い」が与えられる方向に話が進んだのが、個人的には正直ちょっと意外でした。読む前は主人公に「悟郎を救って掟を破るか、掟を守って悟郎を捨てるか」の選択を強いるような展開になるのかなぁと思っていたのですが、その選択を迫られていたのは、むしろ常日頃からコヨミを見守ってきた家族達の方だった模様。
 考えてみれば、主人公のコヨミは既に日常的にそういう過酷な選択を行うことを強要される(そして掟を選んで後悔する)日々を送っている訳で、彼女の心はかなり限界に近いところにまで追いつめられていたと言えます。コヨミが日々選択にさらされているのと同様、彼女の周囲の人間も「コヨミを救って掟を破るか、掟を守ってコヨミを壊すか」の選択を強いられる状況に追いつめられていた――と、つまりはそういうことなのでしょう。

 コヨミが心を開くきっかけとなった悟郎君の台詞の中に「できることをみんな全力でやって事件と戦ったんだ。悔いが残ったとしても、お前も誉められていいんだよ」ってのがありましたが、コヨミ同様コヨミの祖母もその言葉に心を動かされたのかも知れません。
 人生は後悔の繰り返しと申しますが、コヨミの「失敗」の産物である悟郎君の言葉が、コヨミの祖母の「どうにもできないこととはいえ、もうちょっと何とかできなかったのか」という感情を揺り動かすきっかけになったのかも。

 やっかいなオハジキ様の「呪い」を受け入れてまでコヨミ達が時間を遡って見知らぬ他人を救おうとするのは、「人間」としての良心や尊厳があるからだけど、結果的にそれがコヨミ達を苦しめている――というパラドックスが、「掟」という単語で表現されるこの作品の根幹を成すシステムとして存在しています。
 そのシステムを、たった一例に過ぎないけど打ち破り、救いを得ることができた――という後半の展開は、登場人物達を幸せを与えるのと同時に、この作品の読者に読後の爽快感を与える効果をもたらせています。そういう点を含めて、このマンガはいいお話だと思いました。

 にしても、アッパーズ連載の「全日本妹選手権」は、一般的なマンガとしての表現を面白さにつなげることをほとんど放棄しているという意味において、もはや「マンガ」になってないと思った(いきなり)。
 うわー、オレも部屋に引きこもって一日中時代劇チャンネルを見る優雅な生活がしてぇー(おわり)

 

更新情報:


03/11/03 

■次のサンデーが出る前に、とりあえずサンデー48号の感想だけ載せておきます。
投稿作品の掲載やリンク更新依頼の反映、メールのお返事などは水曜日以降までお待ち下さい(私信)
  1. 「怖いよ、ダリア、どんどん攻撃だよー!」(金色のガッシュ!)
  2. 電撃食らってる美羽(史上最強の弟子ケンイチ)
  3. 斑尾の犬小屋(結界師)
  4. シャドウ(焼きたて! ジャぱん)
  5. コメットくん(ロボットボーイズ)
  6. 番外:今週の美鳥の日々

1. 「怖いよ、ダリア、どんどん攻撃だよー!」(金色のガッシュ!)

 ビクトリーム様に続いて雷句誠先生のおかしなセンスが大爆発したベルギムEO様も、ついに今週がやんちゃの仕納め。ナゾナゾ博士のパートナーのキッドと相打つ形で、共に退場することに相成りました。ありがとうベルギムEO様。アニメになるまでさようならベルギムEO様。もしカードゲーム化されたら、パートナーのダリア共々カードゲーム専門店で単品買いで集めたくなる程オモロかったです。カードになった時の能力は「MPを1減らす:椅子から立つ(あなたが)」くらいでどうだろう(無意味)。

 冗談はともかくとして、今週の本当の見所は、一番最後のコマで描かれた「キッドの最後の技で破壊された遺跡の壁の向こうに広がる青空」で決まりです。成長して旅立っていったキッドに対するナゾナゾ博士の寂しいけど清々しくもある感情が上手く表現できている、心に残る名シーンだと思います。
 自分がまんカレML担当者なら、「今週のココがポイント!」は間違いなくここにするね!

2. 電撃食らってる美羽(史上最強の弟子ケンイチ)

 そして「今週のココがポイント!」の次点となるのは絶対コレだよね! コレ! ヒロインが体を張ってお色気を振りまくことこそが、少年マンガの基本だということを知れ!(うるさいよ)
 色々な意味において、「ケンイチ」の風林寺美羽は今時珍しい少年マンガの王道ヒロインだと実感しました。電撃で破けたレオタード姿で悶えるヒロインを読めるのは少年サンデーだけ!

3. 斑尾の犬小屋(結界師)

 鹿の生肉が大好きな500年も生きてる化け犬という存在と、犬小屋の前に置かれたドッグフードのギャップが面白いので第三位。
 正直、鹿の生肉よりも今時のドッグフードの方が旨いんじゃないかと思いますが、その辺どうだろう。このサイトを読んでいる犬の方がおられましたらご意見下さい。

 あと個人的には、ハシラ部分に書かれた「へたれだった良守は、時音を守るため強くなろうと決意!」っていう簡潔すぎるストーリー紹介も妙に面白かったです。勿論まちがった意味で。
 私が思うに、このマンガの主軸となるのは「隣に住む幼なじみのちょっと年上で小生意気な女の子」に対して色々と複雑な想いを抱いている主人公の少年の成長物語であり、「思春期の男の子に特有な異性に対する微妙な感情」というジュヴナイルな部分をメインに据えていることが、このマンガを「少年マンガ」として成立させている最も重要な点であると言えます。……でも、この要素を簡潔に要約しようとすると「へたれだった良守は、時音を守るため強くなろうと決意!」という身も蓋もない文章になってしまうのもまた事実。

 憧れの少女を守ろうと強くなろうとする気持ちは強いんだけど、でも体も頭もまだ成長していないために気合いだけが空回りしてばかりでなかなか思い通りに行かない発展途上の少年のジュヴナイルなもどかしさも、客観的な視点で突き詰めてしまえば「へたれ」というたったの三文字で要約できてしまうことを、このストーリー紹介は雄弁に物語っています。ジュヴナイル感台無し。
 図らずも身内(=編集部)から「へたれ」と言われてしまった主人公を、「こいつはただのへたれじゃねぇ! 少年マンガの主役を張れる、凄いへたれなんだゼ!」と表現することができるかどうか。それがこの作品のみどころとなるのではないのでしょうか。
 ウソです。

4. シャドウ(焼きたて! ジャぱん)

 「ジャぱん」のフランス代表準決勝敗退という展開は、個人的には「ファンタジスタ」のブラジル代表準決勝敗退よりも意外でした。フランス代表のリーダーの変態っぷりがあまりにヤバ過ぎたのが原因でしょうか。確かにあんなキャラは、ゴールデンタイムに流すアニメには絶対登場させられないよなぁー(論点が違う)。
 そんな感じで色々とヤバかった(けど中身は意外に紳士だった)フランス代表にとって代わって決勝戦で日本代表のライバルとなるのが、どうやらこいつらしいです。何かもの凄い判りやすい性格してると思った。個人的には、こういうガキのケンカみたいなことするキャラは大好きです。

 あと橋口たかし先生は、先月号の「ぱふ」で編集の冠氏と一緒にインタビューを受けてましたね。「僕はパンよりご飯が好きです」「今時、企画から全部自分で作る漫画家なんて、いる訳ないじゃないですか(笑)」なんていうシュートな発言が目白押しで、とてもオモロかったです。さすが橋口先生は違う!

5. コメットくん(ロボットボーイズ)

 さいたま電波工業戦を見る限りにおいては、このゲームのシステムは「とにかく対戦相手よりも先に本丸にたどり着いた方が有利」っぽいように思えます。そういう意味で主人公チームが選んだ「速攻重視」の戦略は理にかなったものであったと言えますが、今回の対戦相手である聖セイレム学園チームのロボはその辺どうか。
 迫水君は「あの車輪の大きさではスピードはなさそうだから大丈夫」みたいなことを言ってますが、果たしてそうなのか。個人的には、全体的に筒型をした形状と、後ろに付いている羽根みたいなパーツが気になります。

 私が思うに、あのプリティーな羽根みたいなものはガスの噴出口であり、筒状のボディに格納された圧縮ガスをジェット噴射して爆発的な推進力を得るタイプと見ました(ルール違反?)。また、あのラブリーな口からは圧縮ガスの力で針を飛ばすことが可能で、あらかじめ飛び道具で風船を全て割ってからゴールに向かって突進する戦略を取ってくるんじゃないかと思うのですがどうだろう(やっぱりルール違反?)。

 あと、迫水君が最初にセイレムチームと握手した時、リーダー女子の手が汚れているのに気が付いたのは、「彼女たちはああ見えて相当ロボットを作り込んでいる」と彼女たちの実力を暗示するための伏線であることは明白なのですが、その割には「案外普通っぽい女の子達だね」という星沢君の言葉に素直に「ああ、そうだな」と答えちゃう迫水君は相当なお茶目だと思った。
 貴様も少年マンガの主人公なら、「いや、彼女たちはああ見えて相当ヤルぜ! あの手を見れば判る! 奴らはあなどれねぇ!」みたいなことくらい言え! コミックス1巻の表紙せんだみつおのポーズを取ってる場合じゃねぇっつの!

番外:今週の美鳥の日々

 実際に今週のまんカレMLに取り上げられたのは「美鳥の日々」。今回は心理面の描写がメインとなるエピソードということもあってか、キャラクターと背景の区別を明確にするための描画テクニックが紹介されていました。

 で、作画面はともかくとして(していいのか?)、耕太君に美鳥の存在がバレたにも関わらず、ストーリーの面では大きな動きはありませんでした。来週からはまた通常のコメディーに戻ると思うので、このマンガはこれまでの路線でまだまだ続きそう。ただし、「美鳥が人間に戻ったら記憶がなくなる」という制約事項をセイジが認識したことは、今後のストーリー展開にかなりの影響を及ぼしそうではあります。
 これまで美鳥が自分の体に戻れないのは、現実を拒絶する彼女自身のダメな部分が「現状維持」を望んでいるからだったのですが、更にセイジも今の生活を崩したくないと望んでしまうとなると、美鳥のダメっぷりが更に加速して行くことは必至。世界から自ら隔絶し、二人だけの妄想の世界に浸る美鳥に対し、セイジは果たしてどうするのか。セイジは美鳥の手を、彼以外の「世界」と繋げる事ができるのか?

 ……と、ものすごい長いスパンで考えるとこのマンガはそういうテーマを持った作品ということになりそうですが、でもまぁこの作品の本質はあくまで美少女わんさかラブコメなので、今後もそういう路線でがんばって頂きたい。ゾンビになれるその日までがんばれ井上先生。


[ C-WWW 更新状況へ ][ 更新日記 タイトル別Index ][ ホームページへ戻る ]


'03
10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
'02
12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
'01
12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
'00
12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1
'99
12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2
'98
12, 1 | 10, 11 | 8, 9 | 6, 7 | 4, 5 | 2, 3
'97
12, 1 | 10, 11 | 8, 9 | 5, 6, 7 | 1, 2, 3, 4
- '96
96/10 - 96/12 | 95/ 9 - 96/ 9

cwww@pos.to
Readme!