「ついにきた?」サンデー39号はじあく感想

はじめてのあく

 先週から今週にかけての「はじめてのあく」を読んでいるうち、この作品世界における「正義の味方」と「悪の組織」って、警察権力を国家からアウトソーシングされた民間軍事会社と、地域に根ざした昔からの暴力団の関係に近いのかなあとか、余計なことを考えてしまいました。
 この作品世界は警察の手に負えないほど「悪の組織」が蔓延しているのか、あるいは「悪の組織」はある種の必要悪であると社会が認識しており、国としてはとりあえず対策してます的なポーズを取るために「正義の味方」をパフォーマーとして雇っているのか、その辺はまだよく判りませんし、多分作者は何も考えていないと思います(決めつけ)。

 まあ、今回のエピソードの主眼はキョーコがジローに心を許していく描写にあるのは明らかなので、まさに余計なことですよね。すみません。

 そうそう、そうなんですよ奥さん(いきなり)。今回の最後の方でキョーコが「なんか民間人って言うのは…イヤだったのよね。私とこことは関係ないって言ってるみたいで…」と言ってましたが、これはもう「自分はジローと一緒にキルゼムオール=阿久野家の一員になる」と言っているに等しいですよね奥さん。遠まわしなプロポーズみたいなものですよ奥さん。
 そして今回のラストシーンにおける、(ボンクラなのでまだキスのちゃんとした意味を理解していない)ジローがキョーコのほっぺにチューした時の、キョーコの表情と反応を見ましたか奥さん。なんという可愛らしさでしょうか。これはもう完璧にキましたね。「キョーコはジローの嫁」なのは読者は既にみんな納得していることと思いますが、本人もついにそうなる覚悟を決めた! と解釈してよさそうです。

 あとジローに必要なのは、キスの持つ意味を本人が理解した上で、今回のような「ごほうびのキス」ではない「本当のキス」をすることに他なりません。いやまあ、正直なところボンクラなジローには「本当のキスの意味」とか理解できるとはまだ思えないのですが、それでもキョーコにここまでの表情をさせてしまった以上、ジローは男としてやるしかないのです! がんばれジロー! 全国のボンクラな男性サンデー読者が応援しているよ!(多分)

 あと今回は、戦部どのがジローの長姉のアヤに惚れてるシーンが出てきましたが、まだ高校生のジローとは違っておっさんはもう30過ぎてるんだから、モジモジしてないでもっと頑張れと思いました。

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