新編集部本格的新連載攻勢開始記念 サンデー45号「暁の暴君」感想
暁の暴君
日本における柔道の競技人口は、およそ20万人!
週刊少年サンデーの発行部数は、およそ39万部!
サンデーの方が多い!(挨拶)
新連載。編集長交代後に始まった新連載としては、既に畑先生の「アド アストラ ペル アスペラ」がありますが、あれは何というかこう存在自体が特殊なマンガなので、この「暁の暴君」が実質的な新体制下での初新連載作品となります。それだけに編集部の側もかなり力を入れてきているのでは、と勝手に思ってます。
サンデーの柔道マンガと言うと、一般的には「帯をギュッとね!」や「いでじゅう!」といった青春コメディ路線を基調とした作品が思い浮かびますが、今回始まった「暁の暴君」は、武道の世界における権威に対してケンカを売る無頼の反逆者が主人公であり、従来のサンデーの柔道作品とはかなりノリが異なっているように思えます。少なくとも、簡単にラブコメ展開に移行できるようなマンガには思えません。
個人的には「修羅の門」の第一話を思い出しましたけど、実際サンデーというよりはマガジンやチャンピオンに載っていてもおかしくないような硬派なマンガと言う印象です。
あと硬派と言えば、この作品における柔道の権威である「講英館」という団体名が、(現実の柔道の権威である講道館のパロディではありつつも)講談社と集英社から名前を持ってきたと思わせぶりなところも、ちょっと硬派というか、ロックですね。サンデーと比較すると発行部数で負けてるマガジンとジャンプにケンカを売る暗喩なのかも知れませんが、小学館も出版社の世界では両社と並ぶ立派な権威じゃないですか? とツッコミを入れざるを得ないのが惜しいところ。
話の筋としては「ちょう強い主人公が腐敗した権力者に戦いを挑む」という極めて判りやすいものであり、主人公やライバル・権力のボスといったキャラも既に第一話で立ちまくってるので、後は如何にバトルを魅力的なものにするかが見どころかと思います。
主人公の一真は、「修羅の門」や「グラップラー刃牙」に出てきたらまかり間違いなく敵役になりそうなキャラで、散々いけ好かなさをアピールした挙句に最後はこっぴどくやられるに違いないタイプですよね(決めつけ)。こういう簡単には好感できなさそうなキャラをあえて主人公に据える辺りに、製作者側の覚悟を感じてます。勝手に。
また、今のところこのマンガにはいわゆる「ヒロイン」に相当するキャラが登場していませんが、多分最初はツンツンしていた今回の敵役の澤村さんや、目下のラスボスである講英館の大嶽さんが徐々に一真にデレて行くとか、そんな方向性を期待していいんでしょうか。大嶽さんはデレたらカワイイと思う(まちがい)。
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「帯ギュ」の連載が始まったのが1988年。もはや歴史的な傑作