遅れましたがサンデー2012年43号感想
絶対可憐チルドレン
マッスルの趣味を「治すもの」と認識するのではなく、あの格好をも許容される社会を作ることも、またパンドラのなすべきことの一つなのではないかと思います。遥かに遠い理想ですが(挨拶)。
本編の方は、予告通り旧陸軍超能力部隊編。現在の「黒い幽霊」を連想させる遺伝子技術、「そのためにだったらできることを全部しようと思える場所」という京介の理想など、今の作品世界に繋がる要素を垣間見ることができて興味深いのですが、それはそれとして、今回は朧さんがかつての威厳を取り戻したかのような影の支配者っぷりを発揮していたことが嬉しかったです。
お見合いを拒絶して婚期を先延ばしにする(決めつけ)ことと引換に、桐壷局長や不二子ちゃんを表立てにしつつバベルの全権を掌握しようとする彼女は腹黒くて素敵です。ただのお局様じゃないですよ! 日本で一番権力のあるお局様ですよ!
神のみぞ知るセカイ
今回の桂馬母の「これまでできなかったことができるようになった息子」に対する喜びようは、子を持つお母さま方であれば共感できるのではないかと思います。
今回は「生ぬるいホームドラマならまかせろ! ギャルゲーの本領!
」がなんかツボにはまりました。個人的にギャルゲーによくある日常パートに何となく居心地の悪さを感じていたんですけど、あれやっぱり生ぬるかったんだ。しかもあれが本領なんだ。まあギャルゲーは日常パートがないと非日常なエロ展開が目立ちませんので、そういう意味では日常こそが本領という認識は正しいのかも知れません。
あとドクロウさんはパンツ履いてない芸がナチュラルにできるところがキャラとしてズルいなと思いました(褒めてます)。
ひめはじけ
シュルトムのウェディングドレス姿は様になってそうな予感がします。
姉ログ
田口ケンジ先生は巨乳姉萌えマンガを武器にクラブサンデー界の激しい競争を勝ち抜いてきた猛者であることはもはや皆さまご存知のとおりであり、よって今回の「姉ログ」が前回を超える勢いで姉のおっぱいを強調してきていることは、もはや田口ケンジ先生作品における必然なのです。
この号ではうなじの話がかなり(姉の頭とおっぱいが)どうかしてて面白かったんですけど、夫婦漫才話における縦縞セーターおっぱいは姉の巨乳を無言でアピールしていて素晴らしかったですし、友人とのボケ倒し漫才に出てきた「メガドライブが稼働中なんだわ!
」における、貴方本当に現役高校生なんですか? 中身はメガドライバー(専門用語)のオッサンじゃないんですか? と思わず突っ込んでしまう時代錯誤っぷりも良かったです。
総じて「姉ログ」さいこう。いい連載が始まったと感謝しております。本当です。
BE BLUES!
PKに負けてみんな泣き顔なエピソード。最初のうちは大声で泣く優希の可愛らしさはマジ最強! 勝ち気な女の子が泣いてる姿は本当にカワイイなあ! とか思っていたのですが、何度も見返すうちに宮崎の泣き顔の方が可愛くね? 龍との約束を守れなかった悔しさを鼻水で全力表現してるんじゃね? とか思えるようになって来ました。
結論としては、みんな愛おしいです(感想?)。
境界のRINNE
鳳が出て来てれんげにちょっかい出す話が、何かこう自分が考える「高橋留美子先生らしいマンガ」に近くて面白いなーと常々思ってます。
れんげの毒々しいキャラ付けが自分の何らかのツボを押してることは確かなので、今後も「RINNE」を読みながら自己洞察に励みたいと思いました(感想?)。
正しいコドモの作り方
ファッティなおばちゃんに子作りを迫られる!
これだ! このマンガの肝である「女に迫られる恐怖」にこの上ないリアリティを与える鍵は、ここにあったんですよ!(熱弁)
今回はある意味第一部完的な話で、悠と今日子の間の距離が少し縮まったことが提示された意味で重要なエピソードでしたが、それはそれとして、悠の家に辰未が半裸で寝ていて、起きてくるなり「めし!
」と言い出す亭主関白っぷりを発揮しているのを目の当たりにしているにも関わらず、そういう方面の想像ができない今日子はやっぱりニブい子なんだなと感じました。
彼女が恋愛感情に鈍いことはアスカからも再三突っ込まれてましたけど、あのシーンを見ても腐った妄想が出てこないことで彼女の鈍さを表現しているに違いありません(決めつけ)。
その点アスカはちゃんとそういう方向の妄想を浮かべてニヤニヤしてた訳で、やっぱり女子は腐った方が人生が豊かになるのかも知れないと思います。極論であることは承知しております。
読み切り:ハナヨメわらし
秋の読み切り第三弾は、既にモバMANで「溺れる花火」「ヒメゴト」とディープな恋愛マンガを連載している経歴を持つ、峰浪りょう先生が登場。
「ハナヨメわらし」は内容そのものはアダルティではないものの、数百年に渡る座敷わらしの初恋、生と死を繰り返す人間との出会いと別れ、昔の民家と現代のマンションにおける「座敷わらし」の位置付けの違い、そして主人公の恋の行方など、複雑な要素を(読んでいる間はそうと意識させずに)含んだ、とても濃密なマンガだなあと思いました。
こんな完成度の高いマンガを「新人の読み切り」として読めるだなんて、何かものすごい贅沢な気分。ありがとうございました。
まあ結論としては、「勝手に現れて僕のことを一方的に好きになってくれる、人間じゃない女の子さいこう」は真実ということで。
小学館 (2011-04-28)
あらすじを読んだ限りでは「トランスジェンダーもの」の部類に入るのかも知れませんが、物語はより複雑そう。読んでみたいです