少年誌のグラビアに男性アイドルグループが起用される時代に我々はいるサンデー21号感想

結界師

 「もう、3回ほど殺したんです

 先週までとは打って変わり、灰の状態からでも余裕で復活できる脅威の再生能力を持つカケルの過去話開始。
 今回は、何よりもこの壱号の「3回ほど殺したんです」という台詞にグッと来ました。この台詞からは、「死」が日常であるミチル達の殺伐とした生活っぷりと、そんな彼らをも驚かせるカケルの超常っぷりがにじみ出ており、「非日常」や「不死身」が大好きな私の心の中に住む中二男子が大喜びしてました。専門用語で言うところのイモータルな存在には、やっぱり純粋に憧れちゃいます。

 「結界師」の世界では、無道さんの例もあるように不死身のキャラ(=魂蔵持)はかなりの重要人物として位置付けられる傾向があるので、カケルも今後の物語の鍵を握る存在になることは間違いないでしょう。彼女の恩人であるミチルを直接殺したのは扇七郎(属性:イケメン)であることを考えると、いずれカケルは扇七郎とバトルに突入することは必至の有様。イモータルとイケメンの夢の対決です。
 更に言えば、カケルはかなり強度なつるぺた体型っぽいので、その辺も夢です。誰の夢なんだ(何これ?)。

國崎出雲の事情

 登場するキャラの大半がどっか性倒錯を起こしている「國崎出雲の事情」の中でも特に性的な意味で倒錯してそうな粂寺皐ですが、このキャラの造形をどっかで見たことあるよなーと記憶の中を検索したところ、「パタリロ!」のバンコランにたどり着きました。モデルがバンコランじゃ仕方ないですね。

 この人は基本的に言動が全ておかしいので、個人的には(やはりナチュラルに言動がおかしい)皇に次いで大好きなキャラです。今回は、保健室で寝ている出雲を見つけ、スーツを脱ぎながら「悪い子め! 停学の前にオシオキされたいか!」と言い出すところが笑いのツボに入りました。
 この台詞だけ切り出すと明らかに「教師と生徒」という身分の違いに基づいたパワーハラスメントに他ならないのですが、そもそもこの粂寺というキャラは最初から身分が違おうが何だろうが出雲に対してエロいことしか考えていない変態であることを全く隠そうとしていないキャラであるため、読んでいても「この変態め!」とニヤニヤしながら清々しい気持ちになることができます。つまり、粂寺皐は良い変態です。
 同じ変態なら、彼女のように人を幸せにする変態でありたいものですね。

 そしてその粂寺に迫られてる出雲ですが、女装させられて恥ずかしい思いをさせられながらもどっかしらで悦びを感じているように私には見えるのですが、その辺どうなんでしょうか。
 でも、もし出雲が完全に目覚めちゃったらこのマンガは終わってしまうので(倫理的に)、粂寺さんはその辺を上手く匙加減して出雲を攻めて頂きたいものだよなと思いました。

T.R.A.P.

 「今さら静岡にてめーらの出る幕なんざねえってな!
 このマンガの舞台が静岡であることを今知りました。舞台が静岡なら、一人くらい語尾に「ずら」を付けたりするキャラがいないとおかしくないですかね?(いる方がおかしいと思う)

 物語の方ではカイン君が早速過去のトラウマに起因してそうなトラブルが発生して苦しみそうな展開ですが、先週までモテモテだったのでこれくらいの試練は必要だと思いました(心が狭い感想)。あと、ライバル高校の生徒からも「真崎絡み以外で五十嵐が立ち直る訳がない」と言われまくっている五十嵐君は、生前はどれだけ真崎君のことを愛していたんだろうか? と想像して、ちょっと怖くなりました。

神のみぞ知るセカイ

 アニメ化決定おめでとうございます(遅い)。コミックス8巻の帯に若木先生の漫画家としての経歴が書かれており、端的に言って人としてダメだった時期が非常に長かったことが自虐的に表現されていますけど、今若木先生が「神知る」を描けるためにはこの「ダメだった時期」の経験が絶対的に必要であったことは明らかです。よって、何ら恥じる必要はありません。
 漫画家に限らず何らかの表現者にとって大切なのは、自分が「何者」であるかを知り「自分にはこれしかない」というものを見つけること、そしてそれを表現できる術を持つことである――ということを、若木先生は身を以て体現していると申せましょう。挫折してギャルゲーにのめり込んだことが心の糧となり、それが後の成功に繋がる。いい話です。多分

 連載の方は、いよいよ檜の「巨大化」の謎に迫るところまでやって来ました。桂馬に反抗されてそれを制圧したり、落ち込んだ桂馬を慰めた時に巨大化が発生しているところからすると、彼女の「オレはビッグだ」的なプライドが刺激された時に巨大化するみたいなトリガーがあるのかも知れません。
 何にしろ、おっぱいがでかいお姉さんキャラが更にでかくなるのはステキだと思いました(結局)。

はじめてのあく

 ジローとサブローがエロ雑誌を拾ってしまってドタバタするという、今となってはレトロな味わいを感じてしまうエピソード。ポルノ雑誌が「ビニ本」なんて言い方されてた時代のエッセンスを感じます(古い)。

 最近は、この手のポルノ雑誌の廃棄についてもゾーニングという概念が発生して来ており、成人向け雑誌を捨てる専用のゴミ箱なんてのが置いてある自治体も結構あるようなので、今回の様な「道ばたでエロ本拾う」系の話を普遍的に少年マンガのネタとして使える時代というのは、実はもうそんなに長くないのかも知れないなあ、と漫画の内容とは全然関係ないことを考えてしまいました。すみません

電脳遊戯クラブ

 サンデー21号のグラビアを「嵐」が飾ったことが話題となりましたが、その号のサンデーの巻末に掲載された「電脳遊戯クラブ」は、徹頭徹尾うんこをフィーチャーした不潔極まりない内容でした。
 爽やかでカッコイイ男性アイドルグループが少年マンガ雑誌のグラビアを飾るのはまさに「時代」を感じさせますが、今週の「電脳遊戯クラブ」は時代全く関係ないというか、むしろ「人間の欲望を自由に描く」ことができるマンガという媒体が本来持っている粗暴な下品さに満ちあふれていたように思えます。これは言うなればロックなのです。ロック。
 今回の「電脳遊戯クラブ」はただひたすらうんこを積み上げた汚くて臭い下品なマンガですが、例え時代が変わって誌面がいくら爽やかになったとしても、マンガの本質とはこのようなものであるべきなのだ! ということを、暗に訴えているのかも知れません。まあ今回は結局うんこなんだけど。

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コメント

  1. クロ より:

    たしか私が中学くらいの時(15年ぐらい前?)、SMAPがグラビアに出てた気がします。
    キムタクが、「コキまくれ」とかメッセージを書いていた気が。。。