小学生女子が主人公の少年マンガは名作の法則 サンデー16号「リオンさん」感想

リオンさん、迷惑です。

 リオンさんが小学校に転入し、意識高い系の同級生男子・三上くんに突っかかられて騒動を起こされるという話でした。

 現実における小学1年生というのは、ついこの間まで日がな一日遊んでいた幼稚園児だったという事実を鑑みれば、基本的に我々とは異なる独自のロジックを持った、我々の世界の道理が通じない別種の生物とみなされるものだと思われますが、そんな獣の群れに突然放り込まれても全く臆することなく、むしろ自らの「悪魔」というキャラクター性を周囲に納得させて瞬時にクラスに馴染むことができたリオンさんは、実はものすごくコミュ力が高いのではないかという気がしてきました。

 あるいは、リオンのような個性が高過ぎる存在をも容易に許容できる、このマンガの小学1年生達の世界こそが素晴らしいということなのかも知れません。神も悪魔も小学1年生にかかれば只の変わったクラスメートに過ぎなくなるということなのでしょうか。

 我々に近い道理を持ち、「悪魔」キャラを振りまくリオンを異端として排除しようとした三上くんの方がむしろ異端として扱われている点から考えても、我々はリオンに自然に接するこのマンガの小学1年生のように生き、通りが通じない存在をも受け入れられる寛容の精神を得るべきなのかも知れません。非寛容な雰囲気が蔓延する現代社会におけるアンチテーゼとしても読める「リオンさん、迷惑です。」。深いですね(多分まちがい)。

 あと、世の中には人間が石化されるシチュエーションが大好きな所謂石化フェチというジャンルがあるんですが、自分が石化された上に美少女に粘液をぶっかけられる今回の展開は、フェチ的にはどうなんだろうかと思いました。


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「リオンさん」のコミックス1巻は4月発売とのこと

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茂野吾郎はまだ…戦っている…!!(ミノル小林っぽく) サンデー15号「MAJOR 2nd」感想

MAJOR 2nd

 大河野球マンガとして一時代を築いた「MAJOR」が奇跡の復活。

 「MAJOR」は吾郎が幼少期だった連載初期からずっと読んでいただけあって、今では吾郎に対して親戚の子供に対するものと似たような愛着が沸いてしまい、今回の劇中で吾郎が今は台湾リーグで野球やってることを知って「んまー吾郎ちゃんまだ頑張ってるのね〜嬉しいわ〜ちっちゃい頃から野球好きだったものね〜でも奥さんと子供さんは寂しいでしょうね〜」とか遠縁の親戚のおばちゃん的なことを思ってしまう始末です。

 今回の「MAJOR 2nd」は、主人公がその吾郎ちゃんの息子の大吾くん。「MAJOR」の最終回では父と同じ野球選手になりたいと子供らしく夢を語っていた彼ですが、何だか父から受け継いだ才能は無根拠な自信尊大な態度だけだったみたいで、夢と現実のギャップで色々と大変そうな感じです。
 「BE BLUES!」の龍もそうでしたが、スポーツものの大河ドラマは幼少期に何らかのハンディを課せられるのが基本だと思われますし、更にこのマンガの作者が満田拓也先生であることを考えると、今後はおそらく「MAJOR」における突然野球の名門校を辞めて転校する展開や、「BUYUDEN」における家庭の事情でいきなりボクシングの名門校への進学を断念させられる展開など、そういう手合の大理不尽な運命が待ち構えていることは必至でしょう。過酷な運命にめげずに頑張って欲しいですね。

 あと、ラストで吾郎の幼馴染だった佐藤寿也の息子と思しきメガネ少年が登場したことで、世代を超えた吾郎×寿也なカップリングがいきなり成立する可能性が急浮上して来ました。ゆめゆめ侮ることなく、この二人の推移を見守っていきたいと思います。

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MAJOR・それは受け継がれてゆく魂の絆(ウルトラマンネクサスっぽく)

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電波教師凱旋記念・サンデー14号感想

電波教師

 みんな大好き「電波教師」が、アニメ版放送開始という手土産を引っさげて週刊少年サンデーに凱旋。本当におめでとうございます。「超弩級少女4946」の頃から、東毅先生はデキる子だと思ってましたよ!(エラそう)

 本編の方は、主人公の鑑がどんな自分勝手な人物かを紹介しながら、彼が本来のフィールドである学校の先生ポジションに復帰することで一人のメンコ少年が救われるまでを描く、「電波教師」として王道のストーリー展開でした。新展開になってもこのマンガの基本が全くブレていないことが伺えます。今後も安心して読むことができそう。

 あと今回の終盤のクライマックスでカラーになる演出って、サンデーだと「からくりサーカス」や「きみのカケラ」以来の快挙じゃないんでしょうか。東毅先生が藤田和日郎先生や高橋しん先生と並ぶ大物になった瞬間を観た気がします(おおげさ)。

競女!!!!!!!!

 マスクを被った対戦相手の仮面被った選手が尻からカードを出して主人公たちの瀬戸内チームを挑発してましたが、主人公達はそのカードを見るだけで全くのノーリアクションだったところが面白いと思いました。
 「競女!」という作品は、既に単なる女尻相撲マンガではなく乳と尻を使った異能女体能力バトルマンガとして読むべきものに変質していますが、斯様な世界ではもう尻からピック・ア・カードする程度では驚くにも値しないということなんでしょうか。
 いやまあ、本当はあのシーンは挑発を受けて怒りゲージが上がってしまってリアクションどころではなかった、という描写なのは理解してます。ホントです。

 でもあの仮面の人、二つ名が「マジシャンズバスト」らしいので、本領は尻ではなく乳を使ったマジックだと思われます。乳から何を出してくるのか注目です。

BE BLUES!

 今回の試合、ベンチにちゃんと桜庭さんが座っていて、いつものように悪態を付いていたので安心しました(感想)。今回は飼い主のミルコさんもいることですし、監督が桜場を博打で使ってくれる可能性はあるんじゃないんでしょうか。

 あと今回は対戦相手のエースのシュートを防いだナベケンが目立ってましたが、ゴールキーパーってポジションは「仲間がピンチの時に救ってくれる」ということが可能なので、結構少年マンガ映えする存在なんだよなーと思いました。
 真のヒーローは高いところからちょっと遅れて現れるという「ダイの大冒険」におけるヒュンケルメソッドは、サッカーマンガにおいても有効なのですね。まあ「BE BLUES!」における真の「遅れて現れる」立場のヒーローは、勿論桜庭さんで決まりなんですけどね。既に二回くらい遅れて登場して大活躍してますしね彼。
 何を書いているのか判らなくなったので次。

ノゾ×キミ

 ノゾミが自分の中のドキドキする感情の本当の正体に気付いたけど、もう手遅れだと察して涙するの回。
 この世の中には「冷徹な女王様が真実の愛に目覚め、女王の仮面をかなぐり捨てて愛を訴える」展開に興奮を覚えるフェティシズムが存在すると思っているんですけど、そういうのが好きな人には割とたまらない回だったんじゃなかったんでしょうか。私なんかはンもう大興奮しました(カミングアウト)。

 そしてこのサイトにおける冷徹な女王様といえば勿論「GS美神」の美神令子になる訳ですが、彼女がその仮面を捨てて横島君のために涙を流せるようになるまでには、1991年の連載開始から2013年の東日本大震災チャリティアンソロジー「ヒーローズ・カムバック」に掲載された特別編に至るまでの22年の歳月が必要だったことを考えれば、「ノゾ×キミ」のノゾミはまだ気付くのが大分早かった分、美神よりも良かったんじゃないんだろうかと思いました。
 美神令子さん、もし順当に歳取ってたら今はもう四十(略)。

絶対可憐チルドレン

 暴走すると周囲を巻き込んで自壊する自分の超能力と改めて向き合い、そういった能力もまた自分の一部なのだと薫が覚悟を決める話でした。自分の過去や資質を肯定するという物語は、小学生編クライマックスの皆本や中学生編クライマックスのユーリの時にも語られていましたが、このモチーフが繰り返し語られるということは、やはりこのマンガにおける根底のテーマはここにあるということなのでしょう。

 また、薫が心配なあまり狼狽える兵部の姿が面白かったです。彼も薫と同じ経験をして色々乗り越えてきたので、ここはあえて見守るべきだと判ってはいるけど、でも保護者としては皆本同様に過剰に心配しちゃうんですね。カワイイおじいちゃんですね(褒めてます)。

 あと今回は、兵部の妄想の中でも薫の悪夢の中でも、皆本が胸筋チラヘソチラをやらかしていたことが印象的でした。この二人の中では、やっぱり皆本はチラリズム要員として認識されているんだなと思いました。

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せっかくなので、伝説のコミックマーケット回のアニメ化を希望して行きたい

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