子供はいつまでも子供ではいられない サンデー9号「絶チル」感想

絶対可憐チルドレン

 「信じられない! 僕は薫を…

 皆本が「『破滅の女王』となった薫」ではなく、自分が育ててきた薫を愛していることに、今更ながら気付いてしまったエピソード。「お前は今頃それに気が付いたんか!」と読者が突っ込まざるを得なくなるような話なんですけど、その辺はもう皆本なので致し方ありません

 ただ問題は、このエピソードは(マンガの中での)現在進行中のものではなく、あくまで「チルドレン達が松風君に現在の体の状態を伝えている

」というシチュエーションの中で語られている過去の物語であるという点であり、つまり皆本は自分が薫を愛してしまっていることを自覚していながら、「薫を好きだ」と告白した松風君を、彼の気持ちを知った上であえて一緒にチームとして組ませていることを意味しています。
 皆本としては、薫のことを愛していると自覚はしていても、それでもやっぱり「自分は薫とは一緒になってはいけない」と思い込んでいるんでしょうね。皆本さんマゾいっすね。

 皆本に対しては、これまでの物語中でも散々「自分の気持ちに素直になれ」と色々な人が言ってると思うんですが、この調子だとまだまだ先は長そうな感じ。高校生編のラスボスは「黒い幽霊」でもギリアムでもなく、自分の感情をムキになって否定し続ける皆本の堅物っぷりになる可能性が、非常に高くなって来たように思えます。

 あと、薫がもし超能力が暴走して崩壊した場合はブラックホールになるんじゃないかと前回の感想で書いたんですが、流石にそこまではならない模様。「半径15kmが壊滅」とのことなので、もし薫が都心で暴走すると都内が壊滅状態になるのでエライことには代わりはないのですが。

THE UNLIMITED 兵部京介 4 (少年サンデーコミックス)
大柿 ロクロウ
小学館 (2014-12-18)

アンリミのコミカライズは、カタストロフ編が収録された4巻が発売。ユウギリかわいい

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超人になっても非モテの心は忘れないで欲しい サンデー9号「BIRDMEN」感想

BIRDMEN

 紅一点のつばめを中心とした仲良しグループ内のほのぼのラブコメと思わせておいて、実は烏丸達が既に恋愛感情面においても「人間」とは違った存在になりつつあることを随所で示唆している、なかなか奥が深いエピソードだと思いました。
 自分がもう人間相手にこれまでのような感情を持てなくなったことに気付いてしまった烏丸は、また一歩鷹山と同じ領域に近付いてしまったとも言えます。もう彼はこのまま戻れなくなるのでしょうか。

 あと烏丸は今回、本人は全く意識することなく地味女Bこと鮫洲さんにフラグを立てていたりしたんですが、これって普通の女子に興味がなくなってから女子にモテるようになる系統なんでしょうか。そういえば「Dr.椎名の教育的指導!」にもそういう話ありましたよね(ファンサイト要素)。

 というか鮫洲さん、実は結構可愛くないですか。フラグが立ってモブから名前持ちのサブキャラに昇格した途端にメガネの中の瞳が描かれて可愛くなるだなんて、まるで恋愛マンガみたいで素敵です。もちろん褒めてます。
 自分は常々、「いつか田辺イエロウ先生は、己のキャリアを放り出す覚悟で美少女わんさかコメディを描いて欲しい」と願っているのですが、今回はつばめにしろ鮫洲さんにしろ女の子がみんな可愛く描かれていて、夢の田辺イエロウ風ラブコメの一片が垣間見えたいみたいで嬉しかったです。こういう感じの話を、今後もたまにはお願いします。
 しかしこのままだといつか烏丸が「人間」を超えてしまうことによって鮫洲さんのフラグがへし折られる展開が待っていること必至であり、その日を考えると辛いです。「神のみ」でちひろのフラグがへし折られた時並に辛そう(想像)。

 あともう一つの可能性としては、ラストで鷹山に引っ張られて退場する烏丸を見た鮫洲さんが、鷹山×烏丸妄想に目覚めて腐っていく展開もあり得るのではないかとも思いました。個人的にはこの組み合わせなら逆もアリなんじゃね? とか思うんですけど(どうでもいい)。

BIRDMEN 4 (少年サンデーコミックス)
田辺 イエロウ
小学館 (2014-12-18)

「BIRDMEN」の電子書籍化もお願いします(懇願)

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新時代における美少女介護作品の旗手となるか!?(何それ) サンデー9号「リオンさん、迷惑です。」感想

リオンさん、迷惑です。

 単体で社会に出ると数分も持たずに不適合を起こして死んでしまいそうな女の子の世話を諸般の事情で押し付けられ、強制的に同棲することになる系の物語を、個人的に「美少女介護モノ」と呼称していますが、「リオンさん、迷惑です。」もその部類に入ると認識しています。介護の対象は美少女ではなく幼女ですが。
 こういった作品が掲載されるということは、サンデーの主力読者層もそろそろ「娘が欲しい」と思ってるおっさんになって来ているのかも知れません。少なくとも私はそうです。

 これは美少女介護モノなので、基本的には自称悪魔っ子のリオンのウザ可愛らしさを愛でるマンガだと思うんですけど、個人的には眼鏡っ子悪魔のブルーベルが出てきてからこの作品にかなりヒートアップして来ている感があるので、自分はやっぱりこういう子が大好きなんだよなと己を再認識しているところです。
 何かこの子、今時の悪魔としてもかなり非常識なリオン相手に、今後ものすごく苦労させられそうな予感しかしないんですけど、そういった苦労性かつ薄幸そうなところにも、何かこうクるものがあります。

 あと、ブルーベルもいざとなったら大人モードに変身したりできそうですが、彼女が仮に大人になっても、リオンとは違っておっぱいが小さいままのは確定な雰囲気があります。何故でしょうか(と言われても)。


WONDERLAND MUSEUM 1 (少年サンデーコミックス)
浦山 慎也
小学館 (2012-11-16)

浦山先生がサンデーSで連載していた作品。好評なレビューばかりで読んでみたくなりますね

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