サンデー一覧

兵部の魂はいつまでもコミックス28巻付録のストラップに宿っている…(詭弁)サンデー3+4号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 サンデー2号のギリアムのサディストっぷりにドン引きした時の感覚が忘れられません(挨拶)。

 サンデー3+4号の絶チルでは、兵部が「黒い幽霊」の御曹司・ギリアムから何らかの取引を持ちかけられた結果、兵部が文字通り死んでしまい、兵部に同行したフェザーが彼の人格のバックアップを自分の内部に作成、如何なる理由によってかは判りませんが結果として自らの体を少年時代の兵部の形を模すこととなり、兵部の人格もまた少年時代に戻ってしまった──という衝撃のストーリーが語られました。
 薫のことは「くぃーん」と慕っていることからも判るように判別できるようですが、パンドラ幹部の真木や葉はおろか過去の兵部なら知っているはずの不二子のことも全く判別できないところからすると、あの兵部は過去の兵部の記憶などをそのまま引き継いだコピーではなく、単に「フェザーが作った兵部のようなもの」レベルなのかも知れません。この辺は、かつて皆本が少年化した時のようなパターンとは異なりますね。
 フェザーがどこまで兵部の「情報」を自分の中に残しているのかは判りませんが、ちょっとこの状態だと元の兵部への完全な「復元」は難しそうな感じ。

 仮に兵部が元の姿に戻ることなくこのままの状態でいたとすると、これから彼は(そしてフェザーは)どうなってしまうのでしょうか。
 彼はこのままバベルに飼い慣らされ、リアル兵部ハーマイオニーとして第二の余生を過ごすことになるのが順当な展開でしょうか?(順当?)

 ただまあもしフェザーがいなかったら間違いなく兵部はギリアムに単に殺されていた訳で、その未来をどのような形であれ書き換えて兵部を救ったことは、今後の「未来」において大きな変化を及ぼすはずです。
 少なくとも、兵部の存在を失うことで大きな動揺を受けるであろうパンドラのメンバーは、兵部が目に見える形で存在し、「兵部を元に戻せるかも知れない」という希望を持つことで、(兵部が死んだ未来の彼らが行ったであろう)「黒い幽霊への弔い合戦を仕掛けてみんな死ぬ」みたいな無謀な行動は、少なくとも慎むようになるんじゃないんでしょうか。

 サンデー2号において紫穂が自殺しようとしたオッサン相手に説教した時の言葉である「今日会った人昨日会った人、みんながあんたのせいで苦しむのよ!『なぜ気づかなかった』…って! 一人で生まれて一人で生きてきたみたいな気にならないで!」は、そのまま黒い幽霊との戦いに単身で赴く決断をした兵部に対しても向けられるべき言葉だったんでしょうね。

 あと今回は、兵部少年が薫に抱きついた時に皆本が発した「その子は僕の──」って言葉が良かったです。
 自分に課したセカンド童貞への誓いなんて無視して、我慢しないでそのまま告白しちゃって楽になっちゃえYO! と思いました(バカ)。

早くも29巻の薫フィギュア付きストラップがAmazonに登場しています。
28巻の兵部ストラップ共々、どれくらい売れるのか気になるところ。具体的には続きが出るかどうかくらい売れるのか(ry


今年もよろしくお願いします。サンデー3+4号感想

電波教師

 「鑑純一郎に担任を持たせる気ですか? あれだけ時期とクラスを慎重に判断すると…
 「慎重に判断して、”今だ”と思いました。
 「ウソだーっ!

 「電波教師」の台詞進行の特徴として、ボケる側が突っ込む側の話を全く聞いていないことが挙げられますが、その中でも理事長の暦は話を聞かないで常に独断専行で物事を進めるという意味において、間違いなくこのマンガ内で最強のキャラクターだと思います。まあ、彼女の独断専行っぷりは、彼女の鑑に対する信頼というか、自分の「人を見る目」の正しさに絶対的な自信があることの現れであることはよく判るのですが。
 その辺の彼女の性格は、今回の問題児である七海『改造人間』征十郎を学校にスカウトしに来たシーンにもよく現れてます。客観的に見ればこの展開は普通に人身売買なのですが、そうするだけの価値が七海にはあると彼女は今も思っているのでしょう。多分。

 あと鑑が叶『顔面パンチ』美奈子を人質にとって七海にゲームでの対戦を強要する件はどうみても鑑の方が悪役なのですが、まあこれはそういうマンガなのはみんなもう判っているので、まったく問題ないと思いました。

銀の匙

 今回は、八軒が「豚丼」の処分について悶々とする一方、その八軒と吉野の間に何故か全く根も葉もない不純異性交遊の噂が飛び交う! というお話でした。こういう浮いた噂ができる共学校が羨ましいなあとか思う男子校出身者です。こんにちは(挨拶)。
 今回キャラクターとして面白かったのは間違いなく始終体を張ってボケ倒した常盤君なんですが、噂を聞いて動揺するアキもラブコメ的な観点からすると見逃せない動きをしてくれました。最近つくづく思いますが、本当にこのマンガ面白いです。何でこんなに毎回面白いんでしょうか?(と言われても)

アナグルモール

 自分を家族であると言ってくれた京介を守るため、同じ間人であるクワトロールに対して毅然と反旗を翻したルチルがやたらかっこよかった今回。
 地上の人間が脆弱であることを間人が知ってしまったここからが、本当の「アナグルモール」の始まりなのだ! と確信するに十分な内容でした。2012年の更なる盛り上がりに期待したいマンガです。

ムシブギョー

 「蟲奉行様」が白髪の美少女であることは超増刊連載版で提示されていましたが、彼女が何故「蟲奉行」なる職務に就いているのか、彼女が如何なる能力を持っているのか、何故彼女が江戸を蟲から守るためにわざわざ江戸から離れた場所に遷る必要があるのか、そもそも「蟲奉行様」とは何なのか? など、肝心な部分は明かされないまま週刊連載に移行してしまったので、いよいよ週刊の方でこれらの謎に迫る展開が!? と期待してるところです。
 なお、蟲奉行様はご覧のとおりミステリアスな美少女であり、その容姿や身分からして真ヒロインを名乗る資格は十分あるのですが、仁兵衛はおっぱいの小さい女性には興味を示さないため、多分仁兵衛殿とそういう事になるとは思えないのが残念です。

GAN☆KON

 いつか物語に絡むんじゃないかと期待されていたメガネ図書委員こと三峰椿さんですが、思いも寄らない形で代行者バトルに巻き込まれる形になってしまった模様。
 何か勢いでうっかり新太に惚れてしまいそうな展開になってますが、仮に惚れてしまったとしても、あの男性を虫けらのような表情で見下す性格だけは最後まで固持していただきたいなと思いました。

はじめてのあく

 ここに来て、まさかの黒澤×大神カップリング成立回。黒澤がテレて視線を逸らしながら自分が如何に大神のことを大切な友達と思っているのかを告白→大神も赤面しつつその告白を受け入れ、自分達が親友であることを改めて自覚→互いに抱擁→キャッキャウフフ、という美しいガールズラブ的な流れ。読んでて心が洗われる想いでした。
 まあ、肝心のキャッキャウフフの場面が、「キャッキャウフフ」と書いて「さば折り」と読ませるハードな絡みだったことだけがちょっと普通のマンガとは異なりますが、格闘系カップリングだからこそできるハードな愛のコンタクトであると言えなくもないのではないのでしょうか(まちがい)。

 「はじあく」も連載期間が長いし、そろそろ展開や人間関係など色々と煮詰まってきているので、今年はアニメ化決定か、あるいは連載終了かの岐路に立たされるんじゃないかとビクビクしてます。どうしよう。

おすもじっ!

 今回の話は、東京からやって来た司に、生粋の京都人である寿が京都特有の年末年始の文化を伝えるという趣旨の、このマンガならではのとても文化的価値の高いエピソードなんですけど、司の天然ボケな性格と「実は女の子」という設定から来る独特の危うさ、寿の「京都の料理人」らしからぬ性的な意味で下劣な態度、破天荒芸妓見習いという枠から全くブレない七美など、出てくる連中がちょっとアレなので、どっか何かがおかしい雰囲気になってるのが面白かったです。

 「おすもじっ!」は、第二部になってからかなり面白くなったと個人的には思ってるマンガなのですが、ギャグのノリなどが完全におっさん向けなどの要因があるので、多分サンデーを背負って立つようなメジャーな作品にはならないんじゃないかと思ってます(ひどい)。個人的な今年の注目作品ということで一つ。

2巻の表紙の司が可愛すぎて辛い。1巻と対になってる構図ですね


TVドラマ版「らんま1/2」は職場でちょっとだけ観ました(近況) サンデー1号感想

BUYUDEN

 「うちはただボクシングが好きだからやっとんねん!
 これまでのこのマンガのボクシングの試合展開では、「『勝てる!』と油断した直後にカウンターでパンチを食らう」「自分の信念に固執するボクシングで却って不利に」「体を強くする努力をして試合に望んだけど才能ある対戦相手に倒される」など、(満田先生の前作「MAJOR」とは違って)熱意が必ずしも結果に繋がらないシビアさを描いて来た感があるのですが、ここに来てついに「自分のボクシングに対する気持ちを自覚した萌花が渾身の右フックを放ち、対戦相手であり前回大会のチャンピオンである筧にクリーンヒットさせてダウンを奪う」という、少年マンガ的に極めて正しい正統派の展開を見せてくれました。
 しかしその直後、パンチを食らった筧も逆襲の右フックを放ち、萌花をダウン。例えヒロイン補正が入っている萌花と言えども、筧は熱意だけで倒せる相手ではないということなのでしょう。この辺の生半可なさっぷりは流石です。

GAN☆KON

 元々生きる世界が異なる神と人が共に生きることの困難さ、そしてその困難さもお互いの信頼があればきっと乗り越えられる! という希望。とても崇高かつ哲学的なテーマを、「空から降ってきた人間じゃない女の子さいこう!」であり、かつ「主人公の必殺技が亀甲縛りでアッハーン!」な「GAN☆KON」で読むことになろうとは思ってませんでした。
 実はこのマンガ、根底に抱えているテーマはもの凄く深いんじゃないんだろうか? と錯覚しそうになってしまいましたよ。ヤバイヤバイ(←ひどい感想ですが一応褒めてるつもりです)。

銀の匙

 「八軒はヘタレだねぇ~~そしてあんたはひどい女だねぇ~~
 自分もそう思いました(感想)。

神のみぞ知るセカイ

 久しぶりにエルシィが本編に復帰。前々回まで歩美とちひろと桂馬の三角関係地獄が繰り広げられ、ちひろは桂馬に(女神がいなかったという理由で)こっぴどくフラれ、歩美はそんな非道な桂馬に蹴りを食らわせて関係を悪化させるという後味の悪い結果になってしまったので、エルシィの相変わらずの脳天気な笑顔にはとても救われました。ありがとう

 物語の方は、桂馬が物語の舞台となっている舞島学園創設の秘密に迫る展開になって来ました。この秘密は、おそらく「何故この学園に駆け魂の大群が封じられていたのか」「何故今、この街に旧悪魔が集まっているのか」の謎に繋がっていることは間違いないでしょう。現世と地獄のみならず、歴史的な方向にまで物語が広がる。今更ながらですが、何かすごいスケールのマンガになって来ましたね。
 今となっては、物語初期にエルシィに無理強いされて歩美を攻略していたあの頃のシンプルさが懐かしいです。続く。

読み切り:CATCH&THROW

 今月のゲッサンで連載を始めたとよ田みのる先生による読み切り作品が掲載。
 「CATCH&THROW」というタイトルが示す通り、言葉も思うように通じず性格も正反対だった少年と少女が、フリスビーを通じて次第に気持ちを通い合わせて行くという、とてもよくできた美しいボーイミーツガールストーリーだと思いました。面白かったです
 絵柄は独特というか、今風の絵柄とはちょっと違った古風な雰囲気を感じますが、それと物語が醸しだす暖かい雰囲気がマッチしていますね。それがこの作品の魅力なのでしょう。

ゲッサン 2012年 01月号 [雑誌]
小学館 (2011-12-12)

タケヲちゃん物怪録」も読んだ人はみんな面白い面白い言ってるので、自分も読んでみたいです


サプリメントのロボショタ兵部だけでは満足できなかったんでしょうか先生?サンデー1号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 公式が病気!(挨拶)

 まず先週のお話ですが、結局のところ初音の父は明の父のことが大好きだという解釈でよろしいんでしょうか。俺はアイツのことが好きだけど、俺にはアイツの人生を拘束する権利などない! と強がって、色々と精神的に負担のかかる生活をしていたという。しかもその想いはむしろ相方には迷惑だったりするドジッ子っぷりまで発揮(オッサンだけど)。グッと来ますね。

 その一方で「初音と合体する」ことが既定路線になった明にはちょっと同情してしまいますけど、まあ結局遅かれ早かれそうなることはもう彼自身も判っていると思うので、その辺の踏ん切りがついたらさっさと合体して幸せになってくれと思いました。
 なお、これまで自分が読んできた初音と明の薄い本では初音が明を食べちゃったパターンがほとんどなのですが、せめて本編では覚悟を決めた明が初音を食いにかかる展開を希望しておきます。もっとも初音に対しては明らかにヘタレ攻めなので、逆襲されて終わりな可能性が高いですが(何の話?)。

 そして今週は、一度は「ストーリー上極めて重要なのにも関わらず、サプリメントで処理されてしまうのではないか」と懸念されていた、兵部と「黒い幽霊」のファイナルバトルに関するエピソードである模様。ただ、今週の最後に出てきた黒髪の陰気な少年はどう見ても幼少期の兵部であり、バトルの最中に何らかの不具合が発生して中断・兵部が敗走したものではないかと推定されます。
 今回のバトルには兵部の側にフェザーが居たはずなので、今の兵部の姿は彼女が兵部を守ろうとした結果なのかも知れませんが、今のところ詳細は不明。

 次回以降は、兵部にいったい何が起こったのか、少年と不二子が出会ったとしてこの二人はどんな掛け合いを見せるのか、そして「くぃーん…」と名指しで兵部に求められている薫は、その兵部に対してどう接するのか? など、実際に見てみたいシチュエーションが沢山あって興味深いです。早く続きが読みたいです。
 かつて皆本が(兵部の能力によって)子供の姿にされた時のエピソードでは、「皆本の幼少期の苦労が今のチルドレン達を育てるための力となっている」ことをチルドレン達が諭して皆本が己の過去を肯定する展開を見せましたが、今回の話でも同じように兵部が己の過去と再び向き合う展開になるのかも知れません。

 後はサプリメント辺りで、澪が小さくなった兵部の姿を見た時の反応も見てみたいです。いつも以上に不器用な態度でツンデレしそう。真木はうじうじしてる兵部に説教しそう(変わらない)。葉はからかって遊びそう(変わらない)。

兵部フィギュアストラップ付きの28巻もまもなく発売。兵部祭りが始まったヒャッハー


今の黒澤さんの姿は「正義を唱えて力を振るう者の醜さ」が凝縮されてて素敵だと思うサンデー1号はじあく感想

はじめてのあく

 お久しぶりです(挨拶)。

 掃除用ロッカーの中に二人きりになった緑谷とユキの動向が気になる今週の「はじめてのあく」でしたが、その結果はユキがおしっこを我慢できなくて脱落するという、ある意味とてもこのマンガらしいオチが待っていました。
 でも、ユキがおしっこ我慢して赤面しつつモジモジしてる様子に対して、あの草食系ボンクラ男子の緑谷が思わず抱きしめにかかってしまう程の劣情を抱いてしまったのはちょっと意外でした。緑谷くんもついに目覚めてしまいましたね。おしっこ我慢フェチに(まちがい)。

 キョーコとジローの痴話喧嘩については、いつものことなので問題ないです。あとシズカは基本的には残念な子なので、ごくまれに見せる残念じゃない姿には惹かれますね(褒めてます)。
 そしてサブローのチャイナドレスですが、アリだと思います。

チャイナさんの憂鬱 The Spirit of Wonder [DVD]
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チャイナドレスというと「チャイナさんの憂鬱」を連想する世代。あと春麗


(今週号であったらしい!)の話題に完全に乗り遅れたサンデー52号感想

GAN☆KON

 第一話の表紙にも登場していた黒猫狼・マガミが登場。彼はやたらイサナに好意を抱いているようですが、今の少女形態ならともかく、元の姿である巨人形態の頃からイサナが好きだったんでしょうか。八百万の神々のセンスはいまだによく判らないところがあります。

 物語的には、そのマガミがドジを踏んで意図しないバトルに巻き込まれる──という至って正統派な展開を繰り広げており、そういった面でもこのマンガは設定は少々異常だけどやろうとしていることは極めて真っ当な能力系バトルであると言えると思います。イサナの入浴シーンがあったり、新太が「ちちしりふとももー!」とばかりにイサナに飛びかかったりするのも(イサナには乳も太腿もありませんが)ある種の懐かしさをも感じさせる程にオーソドックス。このマンガは、実は世間的な「サンデーのマンガ」の一般的なイメージに合致する、至って正統派な作品なのではないのでしょうか。

 まあ主人公の必殺技が亀甲縛りなのが正統派なのか? という問題はありますが、この技は何かかけられた方も気持ちよさそうなのでいいんじゃないんでしょうか。非致死性兵器を主力にするところも何だか現代的ですよね(詭弁)。

マギ

 「帰れグチババ!
 アラジンから無償の愛情を受けていないとものすごい勢いでダメになるアリババの姿を堪能するエピソードでした。アラジンいないとここまでダメな子に逆戻りするのかこの子。「故郷に帰る」ことを真剣に考え始めているモルジアナのことも少しは気にかけてあげたほうがいいんじゃないか? とも思うんですが、今のアリババはそこまで気が回らないくらいアラジンのことで頭が一杯な様子です。ほんとダメなー(嬉しそうに)。

 次回以降は、マグノシュタットへ向かうアラジン、暗黒大陸に向かうモルジアナ、そしてぐたぽよ~なアリババの三元中継で物語が進む多極的な展開になるんでしょうか。判っていたことですが、このマンガはどんどん壮大なスケールになって行きますね。

電波教師

 教師よりも生徒会長の方が権限が強いラノベのような設定の学園で、メイドカフェのメイドを題材にメイドの品格を語り出す主人公の鑑。何だか判らないけど、次回への引きとしては完璧な構図です。
 サンデー読んでるような人たちの約八割は、メイドカフェやメイドさんについて一家言ある面倒くさい連中ばかりであると推測されますが、その読者をも唸らせるメイド論を展開してくれることを期待します。

アナグルモール

 前回のエピソードでは、持ち前の素直さを発揮して見事にストーカーと意志を通じ合うことに(する必要ないのに)成功したルチルですが、今回はそのルチルがやって来た「地下世界」の紹介といった趣向でした。何かこう地下世界のイメージに違わぬ弱肉強食、かつ陰謀渦巻くおっかない世界であり、もし彼らがその気になれば地上制覇なんて容易い事が想像できますけど、「地上の人間はおっかねえ」という思い込みがあるが故に、どっか何かこうピントがズレてるというか、全編天然ボケなままでシリアス劇をしているかのような、妙な可笑しさがにじみ出てるのが面白かったです。

 今回登場した面々が地上に出て来てからが、本当の「アナグルモール」の開幕ということになるのかも知れません。楽しみです。

11/18に発売されたはじあく11巻は「とらのあな」で購入。おまけのカードは大神さんでした。
なお、「(今週号であったらしい!)」のネタを知らない方は検索してみて下さい(なげやり)


ガッカリフラレナオン祭り開催中!サンデー52号神のみ感想

神のみぞ知るセカイ

 「あんたって、サイテー!
 「ほんと…最低だ…

 前回のちひろに続き、今回は歩美のフラグをへし折った回。歩美とのフラグを一度折るのが桂馬の既定路線かどうかは定かではありませんが、歩美の姿を見た時に動揺していたところを見ると、彼にとってもこの場面での歩美との遭遇は予想外だったのかも知れません。
 ただ、歩美をあからさまに怒らせる台詞を言って彼女の蹴りを誘ったのは、多分彼の狙い通りだったような気がします。まあ、計算尽くの攻略の一環というよりは、単にあの時の彼の心情として「ここで一発歩美に蹴られたい」な状態だったから、あえて蹴られたのかも知れませんが。別に蹴られて嬉しいとかいう性的な意味ではなく(当然です)。

 個人的には、今回の話ではちひろとのフラグを完全にへし折り、泣きながら階段を降りていく彼女を見送った後で桂馬が見せた、普段の桂馬らしくもない唖然とした表情のコマに、この時の彼の本心が集約されているように思えてグッと来ました。
 ここでちひろをフらないといけないと覚悟を決めてフってはみたものの、ちひろが本当に駆け引きなしで自分のことを好きになったことを彼は知っていただけに、さすがの桂馬も動揺を隠し切れない様子が伺えます。桂馬もやっぱり完全な神ではなく、ちひろと同じ人間に過ぎないんですよね。当たり前ですが。

 そんな感じで本日の攻略は終了。次回はどうやら、ディアナによる精神ポイント回復イベントが始まりそうな予感です。(このマンガの中での)前夜では、女神アポロとかのんが桂馬の風邪を一晩で治してくれましたけど、ディアナは今の心身ともに疲れきった今の桂馬に何をしてあげることができるのでしょうか。
 というか、いきなり出て来て「好き好き抱いて(要約)」と言いつつ迫って服を脱いだら、何故かスクール水着を着てて本人もビックリ! という展開にはさすがの桂馬もドン引きしてるっぽいので、このままだとちんこ立つどころではないんじゃないかと思うのですが(ちんこ言うな)。

 ディアナが水着を着ているのは多分ディアナの宿主である天理の意志が絡んでいるからではないかとは思うので、前夜ではかのんが桂馬を癒したように、次回は天理が桂馬を何とかしてくれるんじゃないか? と期待しております。

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アニメ版のちひろ解決編が収録されているBlu-ray4巻。ハクアはマンガの方でもそろそろ再登場が待たれます


「お金なら初音たち稼いでるよ?」で俺の中の父ちゃんが号泣 サンデー52号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 皆本ハーマイオニーVer1.5編は、単なるコメディ4コマの枠を超え、人ならぬ存在であるメイドロボの滑稽な挙動を通じて「自由意志とは何か?」を追求する哲学的な領域に踏み込んで来つつある…と思わざるを得ません(買いかぶり挨拶)。

 あと、ナイはユーリが存在しなくなった今でも「悠理の側に近づくと催眠能力で猫に擬態する」超能力が解除されていないことを知りました。これじゃナイが全裸で悠理に「おじょうさま~」と擦り寄るマイドリームな展開が不可能になってしまい、ひいては悠理の中で眠るファントムが復活してしまいますよ。何とかならないんでしょうか(と言われても)。

 本編の方は、「古いものは面倒」と一方的に本家の土地の売却をしようとしている現代的な初音父と、「先祖代々の土地を金のために売ろうと言うのか?」と反対する伝統を重んじる明父が対立している構図が明確になっており、もしこれが横溝正史のミステリー小説が原作のドラマであれば間違いなく愛憎渦巻く群衆劇が繰り広げられた挙げ句に死人が出ること必至のシチュエーションなのですが、しかしこれは残念ながら椎名高志先生のマンガなので、そういう展開にはならないんじゃないかと思われます。多分。
 まあでも、金田一役があまり事件防止の役に立っていないところは一緒みたいですね。「しまったぁー!」って気付くのが遅いところとか。

 物語の構造的には初音父と明父は資産を巡って対立しているように見えますが、カップリング的な視点から見ると、初音父が「犬神家と宿木家の繋がり」を象徴する土地を売却することで、明父は「初音父が自分との関係を清算して関係を断ち切ろうとしているのではないか」と疑っており、それ故に初音父に対して怒りを感じているのでは? という妄想が浮かんで来ます。お前にとってオレとは、土地のように「古くさくて面倒」なもののひとつでしかなかったのか? これまで尽くしてきたオレを裏切ろうというのか? みたいなアレですよ。
 既に「様」を付ける必要がないのに、いまだに「様」を付けて呼んでるところからして、明父が初音父にどんな想いを抱いているのか、察して余りあります。いいですよね

 そういうアレなので、今回の話は「犯人は誰?」みたいな普通のミステリーではなく、基本的にもういい歳の子どもがいるオッサン同士の愛憎劇を妄想込みで楽しむエピソードだと思いました。今回は愛憎の憎の側だったので、次回はの側の話が見れると期待してます。時代はオヤジです。

 あと、このエピソードでは、紫穂がいい動きをしてるなと思いました。推理モノなのでサイコメトリーが活躍できるというのも勿論なんですけど、個人的には前回「明のミスで皆本と薫が同じ部屋に寝ることになってしまった」シーンで、「何か一回でも僕が妙なマネをしたことがあるか!?」と強情になった皆本に対し、薫の腕関節をとって布団に倒すことで皆本を性的に動揺させると同時に、「あたしはへーきだけど!」と言った薫に対しても自分の言葉が何を意味しているのかを悟らせ、二人に一緒に寝る作戦を断念させたクレバーさは流石です。
 紫穂は何となく、皆本の薫に対する複雑な心理を判っているのかも知れませんね。

 そして葵は、白い帽子と服のお嬢様スタイルが可愛いのでイイです(結論)。

八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
横溝 正史
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個人的に「金田一耕助」と聞くと最初に浮かぶのはこれです。怖そうなので読んでないけど(ダメ)


かわいい女の子だと思った?残念!彩香ちゃんでした!(おすもじっ!の)サンデー51号感想

銀の匙

 自分も割と農村と言って良い地方の出身で、親戚も当時は農業をやってる人が多かったので、「美味いものを人に食べてもらう時のこの人達のわくわく顔」の感覚は何となく判ります。
 今思えば、やたら野菜とか送ってくるのは「あんたんとこの野菜美味かった」って言葉を聞きたいってのもあるんかなあ。こういう付き合いを煩わしいと思うかどうかで、農村暮らしが合うかどうかが分かれるんかなあ。自分はどっちかというとダメでしたが(ダメ)。
 勇吾君は今回、絞った牛乳をお釈迦にしてしまったことをやたらと気に病んでますけど、こういう性格も彼が農業を続けていくうちに次第に大らかになったりして行くんでしょうか。大らかな勇吾の姿はまだ全然想像できませんが。

 あと先週の話に出てきた勇吾兄ですが、典型的な「頭はいいけど社会不適合」タイプの困った人間だなあという感じ。多分ラーメン屋とかの飲食店経営には向かないと思うので、ずっと放浪してる方がいいんじゃないかと思いました。
 ああいう兄と厳格な父親に挟まれて育った勇吾の気苦労が伺えます。ちょっとしたミスでも凹んじゃう性格になるのは致し方ないのかも知れません。

マギ

 最近、職場にサンデーを持っていって机の上に置いておくと、マンガが好きそうな女性から「『マギ』見たいからサンデー読んでいい?」って話しかけられませんか?(挨拶)

 今回の「マギ」は、アラジンがきれいなおねえさんの色香につられてエッチないたずらをするのがメインの、本来「マギ」ってこういうマンガだったよねーと再認識させられる内容でした(本来?)。あと個人的には、ドゥニヤ姫とヤムライハの間に主従百合が成立しそうな余地があるところに、ちょっとグッと来ました。来ますかね?(こなさそう)
 なお、職場の同僚女子から話を伺ったところ、「やっぱジャーファルですよ」的なコメントを頂いたので、今後は彼の動向も気にかけていきたいと思いました。

ムシブギョー

 基本的に「ムシブギョー」という作品は、登場人物がみんな仁兵衛に萌え萌えになって行くようにできているので、今回登場した「寺社組」の白榊もやはり最後はちょっとだけ仁兵衛にデレて帰って行きました。
 超増刊版では白榊は最終的に仁兵衛にデレッデレになったりしてたんですけど、週刊版の方の彼はどこまでプライドを維持してツンツンできるのかが見ものです。まあでも彼もいずれは今回の長福丸のようになってしまうはずなので、その過程を楽しみに読みたいと思います。

 なお先週のエピソードでは、仁兵衛の孤独な頑張りを彼の頭を撫でながら褒めた小鳥が素敵でした。今の仁兵衛を赤面させることができるのは、お春のおっぱいと小鳥さんだけです。

電波教師

 前回いきなり主人公の鑑が学校教師を首になったかと思ったら、今回は「得体が知れない危険人物ばかり」を集めたおかしな学校に教師としてスカウトされ、かつその学校の理事長は「美少女」を自称する色々とおかしそうな(頭が)美少女だったという怒涛の展開に。ここからが本当の意味での「電波教師」が始まる模様です。
 今回は、主人公の「頭の良さ」を表現する方法が「魔法少女の変身が可能であることを素粒子物理学レベルで証明する」というのが、新しいというか今っぽいと思いました。理事長の暦が語った「経済とも産業とも違う価値観がこの国には必要」なる現代日本の問題点の指摘もそうなんですが、やはりこの作品は「今作られ、今読まれるべき必然性がある」タイプのマンガだなあ、という認識です。

 にしても、「美少女」理事長の暦といい、今回登場したCERNCERMの素粒子物理学者のリン博士といい、相変わらずこのマンガに登場する女性キャラはみんなおっかないです。これでこそ東先生のマンガです。

おすもじっ!

 「うちは、お兄さまだけのもんや…
 ヤンデレ! 彩香ちゃんはやっぱりヤンデレでしたよ! ヤンデレ美少女の誕生です!(うれしそうに)

 彩香の料理の腕が凄いことは今回のエピソードで十分判りましたが、彩香がそこまで心酔している『お兄さま』は、本当にあの寿なのか? という疑問が出てきます。彩香の兄が寿である可能性は(叙述トリックでなければ)高いものと思われますが、「大志万」時代の寿は、今のボンクラでアダルトビデオが大好きな寿とは全くの別人だったのでしょうか。
 次回はこの二人が邂逅すること必至な様相なので、「おすもじっ!」第二部における最大の謎である「寿の過去」が明らかになるのかも知れません。

 あと、彩香は今のところ司を男の子だと思っていますが、実は女の子だったことを知ったらどういう反応を示すのでしょうか。精神状態が不安定そうなヤンデレさんなだけに、司の体が心配です。包丁の扱いとか慣れてますし彼女(ひどい感想)。

ちいさいひと

 掲載される度に、我々読者に児童虐待の現状を再認識させられる社会派コミック「ちいさいひと」が帰って来ました。今回は、東日本大震災直後の宮城県石巻市における、孤立した避難所が舞台の模様です。
 当時は、今回のマンガのように沢山の子供たちを抱えたまま孤立した状態となった建物が沢山あり、ツィッターに救助を求める情報が飛び交っていたことを、このマンガを読んで思い出しました。個人的にはあの時からまだそれほど時間が経っていないように思えるんですが、実際はもうあれからもう半年以上が経過しているんですよね…。

白榊が登場する超増刊版「ムシブギョー」3巻。週刊連載とは比べものにならないドメスティックバイオレンスが炸裂してます


「あんな現実女、ボクが気にかけることは絶対ない!」 サンデー51号神のみ感想

神のみぞ知るセカイ

 「好きになるのに…理由なんてないよ!
  気がついたらもう、好きになってたのさ!

 桂馬が秩序だった論理が支配するゲームの世界に住む神であるならば、対するちひろは時として理屈が通じない、あいまいで非論理的な現実世界の人間である。それを象徴するような言葉だと思いました。

 「攻略もしてない…接点もない…それで、なんでボクが好きなんだよ!」の台詞から伺えるように、桂馬にとって「好き」という感情はあくまで攻略という手続きを踏んで初めて獲得される感情であると認識していますが、ちひろにとって桂馬を好きである理由は「気がついたらもう好きになってた」という言葉が全てであり、それ以上の理屈は必要ありません。現実はギャルゲーよりも遥かに複雑系であるが故に、斯様な非論理的な感情も(桂馬にとっては残念ながら)アリなのです。困ったことに。
 かつて桂馬はちひろのことを「現実女」と罵倒してましたけど、今でもやはりちひろは桂馬にとって(そして、この作品そのものにとっても)ままならない現実の象徴なんでしょう。

 女神探し編が始まってからというもの、このマンガに出てくる主要女性キャラクターは基本的に体の中に女神を養っているか、女神そのものであるか、あるいは悪魔であるといった、良くも悪くも超現実的な面々ばかりになって来た感があります。
 特にかのんは「桂馬に救われるのを待っている囚われのお姫様」的なポジションにいることもあってか、以前登場した時にはかのんちゃんマジ女神としか表現しようがない、神々しいまでのアイドルオーラを放っていたのが印象的です。

 しかしそんな中でちひろは、あくまで「現実の人間」というポジションに位置し続けているキャラクターであることが明確になりました。桂馬のことが好きだとハッキリと意思表示をした彼女は、もしこのまま順当に学園祭が開かれ、かつそれまでにかのんが救われれば、学園祭のステージの上でかのんと(桂馬を賭けて)対峙する機会が起こりえるかも知れません。
 もし本当にそうなったら、理屈抜きの恋ができる普通の人間の女の子として、歌でも恋でもアイドルであるかのんと正面から張り合うことができる、そんな彼女の輝く姿を見てみたいなーと、今回必死になって桂馬に自分の想いを伝えたちひろを見て思いました。ホントに素敵な女の子になりましたよね彼女。

 しかし、桂馬が今やっていることはちひろとのデートではなくあくまで「女神探し」を賭けた攻略であり、女神を探してかのんを助けなければ、上記のような機会をちひろが得ることもあり得ません。という訳で、桂馬はちひろとのフラグをへし折る作業に入らざるを得ないのです。
 そんな桂馬にとっての誤算は、ちひろとのフラグを折る工程を、本来の目標である歩美に見られてしまったことでしょう。これは荒れますよ。女子二人からモテてモテて困る展開から一転、女子二人に嫌われまくる展開に突入ですよ。ここからが本当の地獄ですよ。

 果たして桂馬はこの状態から歩美の中にいる、女神だか何だかよく判らない存在を引き出すことができるのか否か。まだまだ先は長そうです。

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