サンデー一覧

兵部の読んでた『超能力が世界を破壊する』はタケシ君父の著書だということに気付いて嬉しいサンデー31号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 今回は先週までのコメディ色が強い絶チル学園モードとは打って変わり、極めてシリアス度が高い話でした。「さぷりめんと」無し、ギャグシーンはわずか2カ所4コマのみという徹底っぷりが、今回のエピソードにおける緊迫度の高さを物語っていると言えます。
 というかむしろ、そんなエピソードにすらギャグ入れないと気が済まないのも凄いとも言えますが。兵部が命を賭けている状況下でも天然ボケができる澪はホントにバカでいい子です。

 その辺はともかく今回読んだ後にまず思ったのは、兵部は実はもう自分の寿命が永くないと思っていて、それであえてあのような行動に出たのではないか? ということでした。そしてもう一つは、兵部は皆本のことをそれなりに評価しているのではないか、ということです。

 今回のエピソードにおける兵部の目的は、皆本を(超能力を持った)子供に戻して薫と一緒にさせることで「薫が皆本に撃たれて死ぬ運命」を回避し、薫が皆本と一緒に生きていける未来を作ることにあると本人が説明していますが、兵部は皆本を若返らせる代償として全ての生命エネルギーを費やす必要があります。即ち
 つまり兵部は、今回の行動に対して文字通り命を賭けていると言えます。

 彼の性格からすれば、例え薫の将来を変えるためとはいえ身を賭した行動に出るのは異例な訳で(真木が「少佐のことだ、またすぐ気が変わる」と言ったのが、今回の兵部の行動が普段とは違うことを裏付けています)、それだけに兵部が今回の行動を起こすに至った理由として考えられるのは、「兵部は自らの死期を悟っていて、もう残された時間が少ないことを自覚している」からなのではないか、と思いました。兵部の体調が万全ではないことや、いずれ自らが去って薫がパンドラのリーダーとなるのを知っていることは、これまでのエピソードの中でも触れられて来てますしね。
 でも、もし本当にこのエピソードで「絶対可憐チルドレン」というマンガをこれまで牽引してきた立役者である兵部がいなくなるのであれば、今後の作品の方向性は間違いなく大きく変わってしまうのは確実。というか、個人的にはもはや兵部がいない「絶チル」なんて考えられません。兵部がいないなら終わった方がいいくらいです(言い過ぎ)。

 そしてもう一点、兵部が自分の能力の全てを使ってまで皆本の体と記憶を作り替えようとしているのは、逆に言えばそれだけ皆本のことを(薫の保護者として)評価していることを意味するのではないか? とも思いました。例え子供に戻ろうとも、薫が成長するまでの間「守る」ことができるのは皆本だけだという形で、兵部は皆本のことを認めているのかも知れません。

 ただ兵部の思惑が何にしろ、薫達チルドレンは(子供の皆本ではなく)大人の皆本と一緒にいることを自ら選択したので、今回の彼の目論見そのものは失敗に終わるでしょう。
 今回のエピソードは次号で完結すると思われますが、作者の椎名先生が今回のエピソードを「暫定最終回」と宣言した理由は何だったのか、次回ではいったい何か「終わる」のか、それが次の話で明らかになるものと思われます。
 ちょっとドキドキしながら、次のサンデーを待ちたいと思います。


「ザ・ムーン」の名を21世紀になって見ることになるとは思わなかったサンデー31号感想

アーティストアクロ

 新連載。やんちゃな主人公が夢を目指し、自分の能力を活かして大暴れ! といった感じの、極めて王道を志向すると思われる少年マンガという印象です。同じ王道志向は、「クローサー」「トラウマイスタ」にも言えることですけど。
 果たして「クローサー」「トラウマイスタ」そして「アクロ」は、かつてサンデーに掲載されて人気を博した王道少年マンガ「金色のガッシュ!」や「うえきの法則」に比類するクラスの作品に成長することができるのか。サンデー的にはそれを期待しているのは明らかっぽいので、作者の皆さんにも頑張って欲しいところです。でも体と心には気をつけて下さいね! 「ガッシュ」や「うえき」の作者は、長期連載した結果結局(略)。

 それで「アクロ」ですが、個人的に一番びっくりしたのは、主人公のデフォルトの彼女役となるべきヒロインが存在していないところ。今回出てきた主要キャラクターは、実質的には主人公のアクロとアクロに窮地を助けられたデコの二人だけであり、女子はエキストラ以外は全く出てきてません。
 つまりこのマンガはラブコメ的な展開に振る余地を持つことなく、完全に「アート」と呼ばれる能力バトル展開だけでマンガを盛り上げてやるぜ! と覚悟を完了していると認識しました。その意気や良しです。

 唯一気がかりなのは「気まぐれな女神」の存在。女神というからには、そのうち地上に降りてきて実体化して主人公に惚れたりする展開になりかねません。アーティストアクロに女はいらねえ!(勝手に決めつける)

結界師

 「やだシャンプー目に入ったー」ってそれ記憶の捏造!
 っていうか、良守は絶対それ以外にも色々と時音の裸体の記憶を捏造してるよね! 中学二年生だし!

 時音の入浴シーンを覗いちゃって大ピンチと思われていた良守でしたが、時音は時音で良守に対して負い目を感じていてやっぱり大ピンチな状況だったので、結局双方が謝って和解して仲良くなっちゃったという展開でオチ。ほのぼのして良いです。
 今回は、時音が良守相手に本気で悩んでいる姿が新鮮でした。あと、そんな時音の相談相手になって話を聞いてるうちにだんだん顔が紅潮して興奮状態になる、同級生のまどかさんが面白かったです。彼女はそのうち、時音と良守をくっつけようと勝手に画策するようになると思います。あと彼女の顔デザインの簡素っぷりは、「あおい坂」のキャプテンと双璧を成すとも思います(どうでもいい)。

 あと「オレの方が女の体のこと知ってるぜ?」みたいなエラそうな態度を取る閃も、やっぱり中学二年生男子的な反応で面白かったです。登場した頃は「女の子に違いない」呼ばわりされた閃ちゃんも、立派な中二男子に…。

月光条例

 「少女革命ウテナ」の劇場版でウテナカーを生で観てしまって以来、『女性を乗せた変な形の車が疾走する』というシチュエーションだけで全てを許せる私ですがこんにちは(挨拶)。なので、「高速で走る車の上でそのポーズを極めるのは無理ですシンデレラ姫」とかいう突っ込みは余裕で無視できます。
 ちなみに、ウェイト的には「女性を乗せた」よりは「変な形の車が疾走する」の方が高いです。現実的にはあり得ない形態の車が走るとか最高。同様の理由で、「リッジレーサーR4」のデビルカーとか好きです。あと「モテモテ王国」のデビルカーも。どうでもいいですが。

 そして前回のエピソードが「一寸法師」の現代から見た倫理的な問題点を明らかにする形になったのと同様、今回は「シンデレラ」を問題にする模様。
 「シンデレラが王子と結婚した後、生活の退屈さに辟易する」系のネタは古来から様々なパロディが作られてきましたが、「月光条例」のシンデレラは結婚した後の退屈な生活を事前に拒否して婚前逃亡を謀る、極めてアグレッシヴな女性としてデザインされているみたいです。「月打」されたのがシンデレラなのかそれともシンデレラカーと化したガラスの靴の方かは判りませんが、どっちにしろ彼女は結婚圧力がファンタジー世界と比べるとまだしも低い現代社会に来た方が幸せになるかも知れません。でも現代社会に来たら道路交通法は守ろうぜ!

オニデレ

 白ラン! 白ラン来た! 白ラン来たよ! これはサヤでなくても倒れるよね!

 サンデーにおける白ランの代名詞は、これまで「うる星やつら」の面堂終太郎が30年近くその座を保持して来たのですが、ついにその座を明け渡しかねない事件が発生しましたよ! 主人公格のキャラが白ラン着るとか、なんか少年マンガにあるまじき事態に!
 っていうか白ランて! 生徒会が白ランを着用て! 白ランを着て背中に天使の羽を背負う美少年の副会長ってアンタ! 少女向けボーイズラブマンガじゃあるまいし! キャー!q(≧∇≦*)(←バカ)

LOST+BRAIN

 最終回。結局話題になったのは「あまりにデスノートっぽい」と騒がれた第一話がピークで、それ以降は話題的にフェードアウトしていった感が強いです。というか、「デスノートっぽい」と評価された時点でこのマンガの命運は決まってしまっていたと思われます。

 このマンガ、最初は主人公の氷山が「オレ以外の人間は全てクズ」と公言しながら凄い勢いでSATSUGAI(ネット監視対策ワード)を開始→途中から「人間の弱さを消さないと世界は変わらない」とマトモなことを言い出して路線修正→でもやっぱり最後の方では「オレ以外の人間は全てクズ」路線が復活して人をクズ扱い、と軸がブレ気味だったところが気になりました。
 どうせSATSUGAIするなら、かの「アクメツ」並に徹底して欲しかったよ…(遠い目)

 とりあえず、作画担当の大谷先生にはおつかれさまでしたと申し上げたい所存です。右手でパフェ食べながら左手で自動書記してた由香の姿は、純粋にこんな絵を描けるのは凄いと思いましたです。


そろそろ時音について一言いっとくかと思ったサンデー30号近辺の感想

三つ星のスペシャリテ

 表紙のイラストがあまりにテニスの王子様チックであったため、「またサンデーか」と囁かれもしたみたいですが、その実態はフレンチシェフ物語。内容そのものは、奇を衒っていない極めてスタンダードなマンガという印象です。個人的には絵柄にやや古さを感じますが、堅実なマンガの内容には噛み合っているのかも。

 あとこのマンガは調理師学校を運営している辻調グループが監修・協力しているとのことですが、第一話でいきなり調理師学校主席のキャラをあっけなく潰しに来たのはちょっとロックだよなと思いました。

トラウマイスタ

 先週の第一話に出てきた「勇気の剣はチンコのサイズに比例する」のギャグが面白かったのですが、第二話には出てこなくて残念です。きれいな女の人がチンコチンコ言うのはいいですよね。もっと言って下さい

 そしてこの「トラウマイスタ」ですが、「トラウマは逃げるためじゃなくて乗り越えるためにある」ってそれはそもそもトラウマって言わないんじゃね? という根本的な部分での疑問があるものの、「このマンガにおけるトラウマとはそういうものだ」と納得さえすれば、いわゆるスタンドバトルものジャンルの基本に沿った少年誌らしいマンガではないかと思いました。

 にしても主人公の名前がピカソでアートマンの名前がゲルニカって、何というかこう凄いセンスですよね。何という迷いなき剛速球
 ゲルニカだからデザインが馬っぽいことに今気付いた(おそい)。

オニデレ

 この日記ではまだ一度も言及していない気がするのでこの機会に書きますが、「オニデレ」面白いです。ヒロインのサヤが回を追う毎に可愛くなっているのも良いですし、ギャグマンガとしても生徒会長の木下が出てきた辺りから明らかに調子に乗ってると思われます(良い意味で)。
 サンデー超増刊時代から洋介先生のマンガを読んでた人にとっては、今頃「ついにクリスタルな洋介先生に時代が追いついた!」と溜飲を下げているんじゃないんでしょうか。

 あとは比較的どうでもいいことですが、サヤ率いる鬼頭衆が「県内最強」を名乗っていることから、個人的にはこのマンガの舞台がどの県なのか気になってます。最初は洋介先生の出身地の秋田県だと決めつけていたんですけど、サヤのライバルキャラの一人に茨城出身の「鋼鉄の水戸」なる変態が登場したことから、茨城とライバル関係にあると言われている栃木県が舞台なのかも知れないと思う様になりました。
 いや本当にどうでもいいことなんですが(なら書くな)。

結界師

 仮にもサンデー感想サイトを名乗るのであれば、今週の「結界師」の時音姉さんの入浴シーンについて書かずにはいられないはずです。何と言っても、あの時音さんが脱いだ! というだけで極めて衝撃的な出来事なのです。自分の記憶では、ここまで明確な形で彼女が(少年誌におけるサービスカット的に)脱いでるシーンって、これが初めてではないか? と思うのですがどうだろう。

 元々「結界師」というマンガそのものが、お色気とかそういう路線とは縁遠い硬派な作品であり、更に時音は最も脱衣とはほど遠いところに位置しているキャラというイメージがあります。
 例えば同じ女子高生キャラという立場でも、「絶対可憐チルドレン」のナオミちゃんが脱ぐのとは訳が違うのです。ナオミちゃんというキャラは基本的に脱がされることが前提のキャラなのに対し、時音さんはクレバーな戦いや態度を通して「良守の憧れの女性」のポジションであることを読者に伝えるタイプのキャラなので、元々脱ぐ必要がないんですよ。いや、ないはずだったんですよ。

 そんな彼女がここに来て(覗かれたという形とは言え)良守に肌をさらしたということは、今の彼女は良守にとってもう「憧れの女性」という抽象的な立場だけではなく、血も肉もあって抱きしめたりすることもできる、手の届く範囲にいる生身の女性に変化しつつあることを、読者(および良守)にアピールする狙いがあったのではないかと思われます。というか妄想してます。
 両者の関係が変化しつつあることをこのような形で表現したとなれば、今後も時音さんの(性的な意味での)露出が増えることを期待していいんでしょうか。時音さんって結構そっちの方が油断し気味なとこありそうだしなあ。そういやこの前も「短パン履いてるから大丈夫」とか言って夕上に突っ込まれてましたし。
 油断し気味なお姉さんが時々ポロリとかして中学生男子がドキドキするシチュエーションを、「結界師」に対して期待していいんでしょうか。いいんでしょうか?

 っていうかですね。要するに、時音さんの体がエロ過ぎるんですよ。我々男性はついまずおっぱいに目が入ってしまうのですが、っていうかおっぱいの形も実に素晴らしいんですが、それ以上にその胸から腹にかけてのラインとか、腰のほっそりした括れ具合とか、細かい部分の描写っぷりが実に繊細で美しいのです。そう思いませんか皆さん。
 もし田辺先生が本気で「To LOVEる」型のお色気マンガを描いたら、さぞや凄いことが起こるのではないか? と期待してしまいます。

 何にしろ、今回は田辺先生の本気を垣間見させていただきました。ありがとうございました(深々と頭を下げながら)。

犬夜叉

 先週は時間がなくて触れられませんでしたが、連載終了おつかれさまでした。

 個人的に「犬夜叉」に注目していた点は、要約すると結局「琥珀が如何に周囲の年上の女性をメロメロにしていったか」に絞られる気がしてなりません。
 「けなげ」「いたいけ」「はかなげ」という守ってあげたくなる美少年三要素を兼ね備えた琥珀が、桔梗・珊瑚・神楽といった主要女性キャラクターをメロメロにして行く様は、読んでてこうちょっと何かドキドキしました。
 特に桔梗と琥珀の組み合わせは、両者共に一度死んだ後に甦っていること、そして共に成さねばならない使命を背負っているという重いバックグラウンドを持っていることが相まって、ある種インモラルな雰囲気を醸し出していたと(勝手に)思ってます。実際、桔梗の琥珀に対する入れ込み具合は半端じゃなかった感があります。
 こういう歪んだ読み方をしてしまい、大変に申し訳ありませんでした(手遅れ)。

 次回作もやっぱりサンデーかなと期待する一方、しばらく青年誌のフィールドで大人向けの作品を読んでみたいなー、とも思います。次回作が楽しみです。


ドッジボールやる時は眼鏡外そうぜと思ったサンデー30号絶チル感想

 今更ですが、サンデー30号の絶チル読みました。
 面白い! 何この盛り上がり方! さすが自称最終回エピソードは違いますね! この勢いならこのまま終わってもいいくらいです!(いくないです)

 今回ここまで読んでて気分が盛り上がった原因は、間違いなく兵部が出てきて今回の行動の狙いを語り始めたこと、およびその語り方が妙にムーディーだったこと。
 「学校から拒絶された過去を持つ皆本に『理想の学校空間』を与えることで過去の記憶を消去し、皆本を完全な子どもにする」ことが今回の彼の目的にあることを皆本自身に語りながら、いちいち子どもの皆本の顎に手をやったり、物憂げな瞳で皆本を見つめたりする兵部の色っぽさは異常。そんなに皆本が欲しいのか兵部。欲しいんだろうなあ。色々な意味で(性的な意味でとはあえて書きません)。
 兵部がこんなエロい態度を観るだけでも、彼が「皆本を子どもにする」ことに対して何らかの意図を隠し持っていることが明らかになる訳であり、そういう面でも演出の仕方が上手いよなあと思いました。

 その一方、薫が皆本に対してここぞとばかりにいちゃついているとこなんかは大変に微笑ましく、何かこう読んでてたいへんにニヤニヤさせて頂きました。何このクラス
 今の皆本はこのまま子どもに戻る気マンマンっぽいんですが、その皆本を止めることができるのは、おそらく現状では薫(というかチルドレン)しかいないと思われます。大人の皆本の存在が誰よりも必要なのは、まかり間違いなく薫自身ですからね。
 ただ、薫は今の子どもの皆本のままでもいいと思っているフシもあるので(冒頭の「これが京介の作った幻でも、何か裏があるとしても、私は――」参照)、来るべき土壇場で彼女がどう行動するかはまだ判りません。
 皆本はかつてお互いの将来のためにキャリーと一緒になることを諦めましたが、今の薫に当時の皆本と同じ選択ができるかどうか。そういう方向に話が持って行く可能性はあり得ると思っています。

 そしてちさとちゃんは澪に嫉妬するよりも、東野が妙にいちゃいちゃしたがっている皆本に嫉妬するべきだと思います。


「そこは私の金八先生」ってフレーズを学校で流行らせようぜと思ったサンデー29号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 今週のサンデー29号に載ってる「絶対可憐チルドレン」を読みました。面白かったです
 とにかく今回は、全てのページにどこかしら笑えたり突っ込めたりグッと来る場所があるという、非常に密度の高い話だったと思います。とてもオーバーワークで今にも死にそうな状態の漫画家(誇張)が描いているとは思えないクオリティです。

 それで今回は、子どもになった皆本が小学校へ行くという展開から「兵部が教師や生徒役で出てくるのかな」くらいは予想していたのですが、パンドラメンバーが総出演するのは明らかに予想外。マッスル大鎌先生は勿論のこと、お嬢様っぽい挨拶をしながら登場した澪、職員室で複雑な表情をしながら教頭先生の位置に納まってるコレミツなど、誰も彼も面白すぎます。

 個人的には、やっぱり澪が良かったですね。このエピソードがアニメ化された暁には、このシーンだけ「マリみて」の松平瞳子っぽいしゃべり方で登場するんだろうなーとか思うだけでニヤニヤして来ます(バカ)。
 あと、東野に教科書を見せつつ「あ、あたしにくっつきたいばっかりに!?」と自意識過剰な台詞を言ってるのもステキ。澪は出れば出るほど面白いキャラに育ってますねえ。

 そして、その中で今回特に重要な位置にいたと思われるのがマッスル。別名大鎌先生。彼が皆本少年に対して「今日一日は安心してここにいていいの」と言いながらおでこにタッチしたシーンが、今回のエピソードの中では最も重要なポイントではないかと思いました。
 通っていた小学校から「いらない子」扱いされた直後の皆本にとって、周囲の大人から最も言って欲しかった言葉は間違いなく「君はここにいていいんだ」であると思われますが、今回のマッスルは実に自然かつ軽やかに「安心してここにいていいの」と伝えることに成功しています。こういうことを皆本に伝えることができるのは、性格や相性とかを考えると、やはり何だかんだでマッスルが適任なんですよね。
 マッスルを皆本のクラスの担任にしたのって、単にギャグのためだけじゃないんだよなと感心した次第です。

 そんな形で皆本少年のトラウマを癒しにかかって来ているかのようにも見える今回の兵部の行動ですが、勿論兵部は皆本を支配しようと今も狙っている訳で、次回以降に彼がどのような行動に出るのかが気になります。
 とりあえず、兵部のやることなのできっと様々な搦め手で皆本少年を惑わしてくるに違いないと期待。

 ちさとちゃんの嫉妬は、徐々に微笑ましいレベルを超えつつあるような気がします。


[Clip]集積回路の夢旅人+神知るブックマーク

 サンデー25号に掲載された「神のみぞ知るセカイ」に出てきた人生のエンディングテーマ『集積回路の夢旅人』に曲を付けて初音ミクに歌わせた作品。これはすごい。本当に作ってしまうところが特に。
 最後に出てくるゲーム機が(マンガのX-BOX360ではなく)黒サターンというところに、個人的にグッと来ました。

 そして『神のみぞ知るセカイ』は、扱っているテーマ故か、それともこの作品の持つポテンシャルがそうさせるのか、どうやら様々な人達の心の琴線に触れて語らせる力を持つ作品であるらしく、まだ第6話までしか掲載されていないのにも関わらず、既に様々な意見がネットに登場しているのが興味深いです。
 以下、自分が面白いと思った記事のブックマーク。


澪のツンデレはもはや熟練の域だと思ったサンデー24号絶チル感想

 今更になりますが、サンデー24号の絶チル感想です。

 まずフェチ要素の確認から。パティの黒いストッキングが破けている様がいいです。椎名高志作品における破れストッキング描写というと、「GS美神極楽大作戦!!」コミックス9巻の横島君の妄想に出てくる美神令子のストッキングの破れが思い出されますが、それと比べると破れ描写技術が大きく向上しているのが伺えて嬉しいです。
 しかも、今度の場合は破れ対象がまだ少女であり、かつストッキングが黒いので、よりフェティシズムを刺激するっつうか、端的に言ってエロいですよね。ですよね(連呼)。このご時世にこんな描写にゴーサインを出した編集の人は度胸があるなあと思いました。パティに黒いストッキングを履かせたのは、これがやりたかったためなのな!(決めつける)

 今回の話で、黒パンスト属性に目覚めた子は必ず居ます。五人はいます。よくやった。

 バレットやティムはバベルに保護された結果立派なオタクに更正しましたが、パンドラに保護されたパティはこれからどうなるんでしょうか。ブラックファントムから課せられた使命である「チルドレンの監視」を無意識に実行する薫のストーカーになるのか、それとも真木×兵部に萌えちゃう立派なオタクになるのか。何にしろ幸せになって欲しいです。

 そしてそれ以外の点についてですが、今回(というか「ファントム・メナス」編全体)のメインテーマは、兵部が澪に語った「いつか君たちが手を差し出した時、自分でもよく判らない理由で彼女は拒絶できない。何故なら、それは彼女が幼い頃たったひとつ餓えていたものだからね」という台詞に集約されていると感じました。今回のサブタイトルが「ファントム・メナス」である所以がここでしょう。

 この台詞で個人的に気になったのは、兵部があまりに過去に拘りすぎていると思われること。
 実際、兵部自身や「パンドラ」の構成員達は過去に満たされなかった想いがあるが故に仲間となった訳ですし、伊号の未来予知も兵部の予測の正確さを裏付けているので結局このマンガはそのようになるんでしょうけど、人の未来の行動はそこまで過去に束縛されるものなんだろうか? とも思ってしまいました。

 もし薫がパンドラと組む理由が幼少時の愛情の欠如に起因するものであったとすれば、まだ現在の段階ではこの未来を回避できるんじゃないかという気がします。それこそが、このマンガの今後の大きなテーマの一つになるのではないのでしょうか。
 っていうか、まさにこれこそが “We can try over the future world“! ”We can try over the future world” なんですよ! 略すると「わー」ですよ! わー!

 ただ、この未来を回避するためには、今回の最後で薫の「甘え」を冗談だと思って軽く流した皆本のボンクラっぷりを何とかしないといかんですね。
 そういう意味では、やはり不二子ちゃんの取る「皆本とチルドレンをデキさせる。そのためには手段は問わない」という戦略は大筋では正しいのかも。やり方はかなり間違っている気がしますが。


ここ最近のサンデーまとめ感想

 お久しぶりです(枕詞)。
 最近書いてなかったサンデー感想のまとめみたいなものを淡々と書いてみます。

MiXiM♀12

 「MAR」が終了した頃は色々大変だったらしい安西先生が奇跡の復活を遂げ、再びサンデーで新連載を開始。
 薔薇を背負った美少年三人組がサンデーの表紙を飾っているところからして「ああ、これはそういう人気を狙ったマンガ?」とか思っていたのですが、最期にラムちゃん(=いわゆる「オレだけを好きになってくれる空から降ってきた人間じゃない女の子」キャラの、サンデーにおける総称)がいきなり出て来てビビりました。そういう人気を狙っているのかと思わせておいて、実はそっちの人気を狙いに来ていたとは。中々あなどれません。

 個人的には往年の「ロケットプリンセス」みたいな脳天気ラブコメマンガになって欲しいところなのですが、「銀河系青春ストーリー」という壮大なスケールのアオリが入っているところからすると、それだけでは済まないような気がしてなりません。このマンガはどこへ向かおうというのか。そういう方なのかそっちの方なのか。

結界師

 時音さん強化エピソードと解釈。「短パン履いてるから見られても大丈夫!」とハキハキ言えるところから推測できるように、時音さんは元々少年マンガのヒロインとしての立場を超越したところに立っている人であり、そこが彼女の魅力でもあります。「神殺し」をやってしまってからも彼女は全くブレることなく、「己は己の成すべきことを成すだけだ」みたいなサバサバした行動理念で動いているように思えます。なので、生足見られた程度では彼女の感情は揺らがないのです。
 この辺、「時音のいない世界なんて俺は知らない!」と初々しい台詞を堂々と言ってのける、良くも悪くも感情で動く良守とは対照的ですね。果たして良守は無事時音を救い出し、時音の生足を間近で見ることができるのか否か。良守が時音の短パン姿を見た時の反応が今から楽しみです。

月光条例

 「月打」される対象は「おとぎはなし」ということになっていますが、「おとぎはなし」の具体的な定義がどのようになっているのか、ちょっと気になっています。
 「月打」されたキャラクターは行動がおかしくなってしまうということは、即ち月打されたキャラは元のキャラをベースにした新しいキャラになってしまうということであり、これは要するに「キャラクターの二次創作を行う」ことに等しいのではないかと思われます。つまり「月打」は、二次創作を行っても著作権的に問題が生じない作品であれば、「おとぎはなし」に限らずどの作品でも対象になり得るのではないのでしょうか。より具体的に言えば、青空文庫に掲載されている小説であれば「月打」され得る可能性があると考えられます。
 「よだかの星」で社会に絶望した夜鷹が月打されちゃったおかげで星にならずに社会に復讐するテロリストになったり、「小公女」ではセーラが月打されちゃって巨大化してミンチン先生に襲いかかって(以下略)みたいな。そんなことばかり考えている今日この頃です。

 主人公の月光は口で言ってることとやってることが相反する、極端なツンデレキャラだよなあという印象です。「あやかし堂のホウライ」のホウライを彷彿とさせます。

金剛番長

 少し前にやっていたさそり番長のエピソードは、さすがの私も「こんな60年代のヤクザ映画的なノリで付いてこれる読者がどのくらいいるの?」と不安になったりしましたが、でも読者を置いてきぼりにしてこその「金剛番長」なので、まあこれはこれでいいんじゃね? と自分を納得させることにしました。

 そして今回の暗契五連槍編ですが、爆熱番長以外はもはやどんな戦闘方法を使うのか想像もつかない奴らばかりです。道化番長なんか、ハシラで「なんでこんなヤツが爆熱番長と手を組むことになったんだろう」と編集者から突っ込まれている始末です。更に粘着番長に至っては多分人間ですらないです。でも、全く非論理的な展開が許される自由さがあるからこそ、「金剛番長」は面白いのです。困ったマンガですね(ニヤニヤしながら)。

神のみぞ知るセカイ

 第二話で、主人公の桂馬が「早く契約を終わらせるためには、エルシィを妹として一緒に住むのが最善の策だ」と論理的に結論付けて同居を認めた展開に感心しました。決して感情にほだされる訳ではなく、あくまであらゆることに感情よりも理性を優先させて対処するタイプの主人公って、少年マンガでは実は案外珍しいのかも知れません。

 第三話では、ギャルゲーの攻略法がそのまま「現実」でも通用することを理解した桂馬が、これまた理知的に淡々と現実女子を攻略しにかかる姿が妙に格好いいです。オレがこのマンガ内の女子なら絶対惚れてるね! と断言して行きたい。


「神のみぞ知るセカイ」読んだ日記

 サンデー19号に掲載された若木先生の新連載「神のみぞ知るセカイ」を読みました!
 これは面白い! というか素晴らしい!

 このマンガの素晴らしいところは、この手のマンガにありがちな「ゲームよりもやっぱりリアルな恋愛の方が良い」という、現実世界を支配しているが故に読者に対して説得力を持つ価値観へ安易に迎合するようなありがちなオチには決して流れることなく、あくまで「現実の恋愛をゲームの方法論で攻略する」というスタイルを最期まで貫き通して結果的にそれ成し遂げたことで、読者の価値観を逆転させることに成功した点にあるのではないか、と思いました。
 いやもう何というか、このマンガを読んだ後の爽快感は異常。この感覚を味わったのは、きっと私だけではないはずです。むしろサンデー読者の8割は感じたはず。

 若木先生はかねてからブログで「アイドルマスター」の美希と結婚宣言したり、「アイドルマスター」のあずさと結婚宣言したり、アイドルが不祥事を起こす現実に絶望して「やっぱアイドルはバーチャルが一番だね!」とハキハキ語ったりするステキっぷりを発揮しておりましたが、この「神のみぞ知るセカイ」という作品はそんな勢いでゲームに対して真摯に没頭することができ、かつそれを創作のパワーに変換することができる若木先生だからこそ作り上げることができた作品なのだ、と断言できます。
 やっぱ人間、己の好きを貫くことが何よりも大切なんだよな、と「神のみぞ知るセカイ」を読んで改めて感じた次第です。ボクもがんばろう!

 若木先生、楽しい作品をありがとうございました。
 これから毎週楽しみにさせて頂きます。


おっぱい!おっぱい!(ハヤテのおまけカードを取り出しながら)サンデー15号感想

結界師

 最近の良守は事ある毎に「一人でやろうとしないで周りと協力しろ」と周囲から説教されっぱなしな感がありますが、今回はついにこのマンガにおける最強キャラである時子さんにまで説教されてしまいました。良守が持つ、年上の女性が思わず彼を説教したくなるという説教フェチズム誘発能力の強さを実感した次第です。
 今回(というか今エピソード全体を通して)そんな感じで時子さんに押されまくりな良守でしたが、最後に「自ら回転しながら念糸を閉じる」という大道芸で時子さんをビビらせ、一矢報いることに成功。なんて馬鹿な子なんだ。もちろん、馬鹿は常に褒め言葉です。

ハイド&クローサー

 なんかこのマンガ、実は出てくるキャラがみんな人形フェチばっかりなんじゃないかと思うようになって来ました。

 自分の脳内におけるハイドの声はチャールズ・ブロンソンの声をアフレコしている時の大塚周夫さんなのですが、そんな声で喋る人形がハードボイルドに大暴れしていたら、そりゃまあ龍美ならずとも惚れるのは仕方ないことだと思います。
 今からアニメ化が楽しみです(気が早い)。

金剛ヽ(゚∀゚)ノ番長

 サンデーにおいて「引きこもり気味のフィギィアオタクが改心し、後に原型師となる」展開と言えば「美鳥の日々」の高見沢修一ルートが有名ですが、今週の「金剛番長」は「美鳥の日々」が完成までに2年の歳月をかけた高見沢ルートをわずか1週でクリアしてしまう、という偉業を達成してしまいました。
 「番長計画」の壊滅から引きこもりのカウンセリングに至るまで、あらゆる問題に対して無理矢理スジを通して万事解決! スジを通した者が勝利する法則に支配されているこの作品世界において、金剛番長に通せないスジなど存在しません! よって金剛に不可能はないのです!

 「金剛番長」という作品はいったい何と戦おうとしているのか、その鱗片が見えてきた気がします。

ギャンブルッ!

 ビストロフ編終了。この漫画の連載を通して、最も面白いエピソードだったのではないかと思いました。勝負を決した理由が「リボルバーのどこに弾が入っているのかが判るから」という、(ツキや運がどうこうという抽象的なものではなく)物理的に単純な理由で説明できるものだったからかも知れません。後はロシアンルーレットというゲームにつきものの心理的な駆け引きの面白さ故でしょうか。
 沢尻のお兄ちゃんとはギャンブラーとして対極の位置にいるマサルというキャラが、このエピソードを超える(ギャンブル漫画として)面白い勝負をしてくれることを期待してます。

魔王

 ここ最近の展開はかなり安藤にとって大きな選択を強いるものになっていますが、もはや彼に全てを忘れて平穏に生きるという選択肢を選ぶつもりがないことは、今週明確になりました。
 今の彼は学校で暴徒と化した学友達に囲まれて以来の大ピンチな状況に立たされていますが、果たして今度は如何なる方法でこの窮地に立ち向かうのか。前は「仮面ライダー」の悪の秘密結社の名前を延々と言わせることで窮地を脱しましたが、今度は場所が火事現場なだけに、消防車型ビークルが出てくる轟轟戦隊ボウケンジャーを擁する戦隊シリーズの名前で攻めて欲しいところですね(そういう問題ではありません)。

読み切り:チェンジボーイ

 同人マンガ業界に疎いので、当初何故このマンガがネットで妙に騒がれていたのか判りませんでした。
 ああ、そういうことなの?

 マンガとしては、読み切りなのにも関わらず「主人公が乗り移った本来の体の持ち主の魂は結局どうなったのか」という点に関して全くフォローがないので本来的な意味でオチがついていない、という問題点があるのですが、作者のサイトに掲載されていた情報によれば、元々このマンガは3話構成の短編として作られた作品の第1話のみをベースにして作られたものだということなので、その辺は致し方ないのかも知れません。それに、このエピソードだけでもちゃんとラブコメとしては成立してますしね。
 もしかしたら、そう遠くない将来に続きを読めるかも? とか期待しておきます。

 あと個人的には、ヒロインのチカが「ウォンチュ!」と言いながら出てきたところが気になりました。ウォンチュ。ウォンチュと言えば個人的には断然「星降る街角」の掛け声であり、即ち敏いとうとハッピー&ブルーなんですけど、現代のアイドルも普通に「ウォンチュ!」とか言うのん?(歳がバレる意見)