サンデー一覧

上目遣いの赤面少女から「あたしを好きにしていいから」と言われたい人の数→(サンデー8号「はじあく」感想)

はじめてのあく

 これはすごい!(先週の「これは面白い」からグレードアップした感想)

 我らが藤木先生が週刊連載漫画家としての進退を賭けて臨む渾身の作品(←決めつけ)「はじめてのあく」が、ついに第三回目に突入。巻頭カラーを飾るなど、いよいよ正念場に入って来ました(読者アンケート的な意味で)。
 今回はついにジローが己の心に芽生えたキョーコへの感情を自覚し、彼女を自分のモノにするために積極的にアプローチを開始、対するキョーコはそんなストレートなジローの感情に対して戸惑うばかり――という、概要だけ描けばごく普通のラブコメ的な展開になるはずのエピソードであるにも関わらず、「ジローには一般常識というものが全いので、自分の感情が恋であることを認識できない」という強烈なボケを設定することで、見事なまでのすれ違いドタバタコメディーを成立させることに成功しています。
 勿論、我々読者はジローとキョーコの感情が何であるかが判っているので、そのコメディーっぷりをニヤニヤしながら眺めて楽しむことができるという仕掛け。

 いやもう今回は全てのページのどこかしらかにニヤニヤできるシーンが存在しているので、「はじあく」読んでる最中は始終ニヤニヤしっぱなしでした。こんなニヤニヤできるマンガを描ける藤木先生すごい。マジですごい。
 これまで私の中で「藤木」と言えば勿論「シグルイ」の藤木源之助であり、失うことから全てが始まるのであり、藤木の剣先やや熱いか…なのでしたが、もはやこの認識は改めなければならないようです。今後は、「藤木」と言えばモリタイシ先生がモテていた大塚志朗先生がモテていたりするたびに嫉妬の感情を隠さない、非モテな藤木俊先生のことを真っ先に思い起こして行きたいと思いました。
 いやでも、こんな面白いマンガ描いちゃったら、藤木先生モテちゃうかも知れないですよ!(オタク男子に)


皆本は既に覗かれないと燃えない体質になっていたサンデー7号「絶チル」感想

 オレも悠理くらいの歳の女の子から「お父様」って言われてみTai!(挨拶)
 もう今日はサンデー8号の発売日ですが、サンデー7号の感想書きます。

 今回から始まった「パンドラリターンズ」編。前回のお見合い編はドタバタっぷりを演出するためだけに出てきた感のあるパンドラの面々ですが、今回は彼らとバベルがマジメにやり合う展開になりそう。
 とりあえず今回のエピソードでは紫穂+賢木のサイコメトラーコンビ対マッスル+パティの「ゲイとやおいは違うよ! 全然違うよ!」コンビが対戦するようなのですが、賢木がマッスルの脳内の皆本好きっぷりをメトったり、紫穂がパティの脳内の兵部×皆本っぷりをメトっちゃったりした時のことを考えると、どう考えても紫穂賢木組の方が不利なのではないかと思われます。
 いや紫穂は大丈夫か。紫穂なら更に黒い妄想(例:賢木×皆本)をパティに吹き込み、彼女に鼻血出させて戦闘不能にさせることも可能か。いやもう賢木は本当に皆本のことが好きですからね。アニメ版を観てると「気持ちは判るが、少しは自重しろ」って思っちゃいますからね。何の話だ(まったくです)。

 で、その賢木と、あと不二子にコードネームがついて皆本が自由に彼らを「使える」ようになったことは、事実上皆本がバベルの全てのエスパーを指揮することが可能になったとも言える訳で、バベルとパンドラの争いはますます皆本対兵部の対決の様相を呈してきそうな予感。中学生編は対ミラージュ戦がメインになるかと予想していましたが、ここに来てパンドラ絡みも重みが増して来ました。
 パンドラがこれまで以上に薫達にアプローチをかけて来るようになると、悠理ミラージュも動いてくるでしょうし、今後は更にバトル的な展開が増えていくのかも知れないなと思いました。

 あと、今回のサプリメントでは悠理がアレで「お父様」なナニなことを暗にバラすようなことしてましたが、本来はまだなじみのない読者のために作品への理解を助ける番外編であるはずだったサプリメントは、今ではすっかり本編と密接に関連しているというか、「本編でエピソードを裂く余裕はないけど、本編で使うネタとして事前に仕込んでおきたい」時のための場所として、積極的に活用されているように思えます。パティがパンドラのメンバーとしてなじんでいく過程なんかは、まさにそんな感じでした。
 こういう形で「作品内作品」を積極的に使うマンガってあまり例がない様な気がしますが、その辺どうなんだろう。

 でもこれって、読者としては面白いので一向に構わないのですが、作者にとってはもの凄く負担になってるんじゃないかという気が。おつかれさまです椎名先生。


我々は無乳眼鏡の時代の創世に立ち会っているのかも知れないサンデー7号「はじあく」感想

はじめてのあく

 これは面白いよ!(感想)

 今回は男女一つ屋根の下同棲型ドタバタラブコメディーとして、ンもう完膚無きまでに完璧な出来だったと思いました。
 お風呂場で裸見ちゃってキャーとか、女の子の部屋でぱぱぱぱぱぱパンツ拾っちゃってキャーとか、普段は邪険な態度を取ってる女の子がちゃんと歓迎パーティーしてくれて内面の優しさをさり気なくアピールするところとか、この手のマンガで行うべきエピソードをキチンと消化し、その上で「ジハクシール」というガジェットを効果的に使うことで、このマンガ独自の特徴を盛り込むことにも成功してます。絶妙のバランス感覚です。

 この調子なら大丈夫ですよ! このマンガはキますよ! ヤバイよ!(ヤバイの?)


さらば悪のゴン太くん・サンデー7号結界師感想

結界師

 ここ最近の正守は、良守に遺言めいた事を言うなどあからさまな死亡フラグを立てる行動をしていたので、来るべき扇一郎(自分内愛称:悪のゴン太くん)とのファイナルバトルはさぞや凄惨なものになるのではないかと期待していたのですが、実際に正守が扇一郎の元にたどり着いた時には既に扇七郎によってあっけなく倒されていたという、まさかの肩すかし展開。田辺先生にしてやられた気分です。
 更には、正守の政治的な意味での後ろ盾となっていた奥久尼も、同時に何者かの手によってバッサリ殺られちゃってるという展開に。これは七郎の兄殺しと裏でリンクしていることは間違いなく、裏会の実権を巡る陰湿なバトルが新しい局面に入ったことを伺わせます。奥久尼殺しに氷浦が絡んでいると臭わせたがっている演出を含め、ますます陰謀渦巻く展開になって来ました。

 今回はやたら血なまぐさいエピソードだったので、リフレッシュの意味を込めてそろそろ閃ちゃんが脱がないかなと思いました。閃なら時音の入浴シーンに対抗できる!(←関係ないです)


オレも思春期特有の恋愛をしたい!サンデー6号「絶チル」感想

絶対可憐チルドレン

 現役小学生の可憐Girl’sに「強く凛々しいドリル」って言わせた脚本家は天才!(今週のアニメ感想)

 そしてサンデーの方ですが、今回でお見合い編は終了。
 お見合いエピソード本編の方は、やはり菜々子さんの男絡みのトラブルが原因だった(語弊)というお約束に忠実な展開だったので安心して読めたのですが、お見合いが済んだ後で発生した「皆本が薫を飼い犬と間違えてベッドに引き込んじゃった」事件の方は(たった一話でここまで薫が「成長」してしまったという意味で)ちょっと想定外でした。まさかここまで薫が乙女チックになってしまうだなんて! 己の心の成長と変化に戸惑う、恋する思春期の少女モードになってしまうだなんて!
 作者の策略通り、ギャップ萌えに目覚めてしまいそうです。

 つまり、このエピソードはコメディにありがちな「お見合いエピソード」かと思わせておいて、本当の狙いはこれから加速して行くであろう「薫が皆本のことを恋愛対象として意識させる」展開に持って行くための準備をすることにあったということですね。皆本と薫のロマンスは、文字通りこの世界の未来を左右するものになる訳ですが、ついにこのマンガもそれに対して本格的に踏み込んで来るところまでストーリーが進んで来た様です。
 椎名先生のブログを読むとどうやら次回以降もこの思春期モードに入っちゃった薫の姿を拝めるみたいなので、その辺を楽しみにしていきたいです。いいなあ思春期女子。健全な意味で。

 あと今回は、何気に賢木が地味に面白かったです。皆本母の前で「できるサイコメトラー」を演じる紫穂をからかう挙動を見ながら賢木×紫穂的な妄想を抱くこともできますし、深夜皆本の部屋でアヘ顔しながら眠っている(語弊)賢木の姿を見ながら賢木×皆本的な妄想を抱くことも自由です。賢木というキャラの懐の深さを垣間見た思いです。
 自分は賢木×紫穂も賢木×皆本ネタもどっちもオッケーなので、どちらもおいしく頂くことができました。ありがとうございました。

 そして朧さんは、いい機会なのでここらでお見合いとかして、自分の人生の意義というものを考え直した方がいいと思います。
 連載が始まった頃は「ミステリアスな美女」的素敵キャラポジションにいたはずなんですけどね…(´д`;)


2009年のサンデーは若木先生が引っ張ると確信したサンデー6号「神知る」感想

神のみぞ知るセカイ

 「落とし神」こと桂馬は、ギャルゲーコミュニティの中だけではなく、ゲームメーカーからもリアル神としてあがめ奉られていたのであった! という事が判明したエピソード。また、この作品世界における「ギャルゲー」がどんなものであり、社会的にどんな位置付けにあるのかを解説しているエピソードであるとも言えます。

 このマンガにおける「ギャルゲー」は、我々のいる現実世界のギャルゲーとは同じギャルゲーと言えどもちょっとギャルゲーが違うのではないか? という感覚を何となく持っていた方もいるのではないかと思うのですが、今回のエピソードによって、この作品における「ギャルゲー」は単に女性との恋愛をモチーフにしたゲームというだけではなく、何よりも桂馬が言うところの「2Dヒロインへの愛」が込められているかどうかが評価されるものになっているみたいです。

 そういえばちょっと前のエピソードで、桂馬がギャルゲーの歴史をエルシィに語る時に(通常のギャルゲーの進化の過程ではなく)「2Dへの愛が3Dを打ち破った! 足りないDはDREAMで超える! それがギャルゲーだ!」みたいなヤバイことを真顔で語っていたので、流石にこれは桂馬の妄想だろうと当時は思っていたんですけど、実はこのマンガの中では「足りないDはDREAMで超える」ど根性スピリッツこそがギャルゲーにとって最も大事なものになっており、そしてそのスピリッツをギャルゲーメーカーに叩き込んだのがよりによって桂馬本人だったということになっていたとは驚きました。まさに桂馬は、この世界におけるギャルゲーの創造主の立場に立っているのです。
 まさかこのマンガが、ここまで桂馬と「ギャルゲー」の関係について、ここまで壮大な設定を用意していたとは思いませんでした。今回のエピソードを初めて読んだ時、はからずもちょっと感動してしまいました。いやマジで。

 なお、今回のエピソードの中で「ギャルゲーは全世界で500万本売り上げる」との表現があったので、実際世界規模で500万本売れたソフトにどんなものがあるか調べてみたところ、Wii版「ゼルダ」やPS版「トゥームレイダー2」、PS2版「クラッシュ・バンディクー4」などが該当する様です。ゼルダと同じレベルでギャルゲーが売れる世界ってどんなだろう。
 二次元キャラと愛しあって生きてゆける人達が、世界中に500万人もいる世界。それはきっと、この現実世界よりも遙かに素敵なところなのかも知れません。


今週号読むまで主人公のメガネっ子が女子だということに気付かなかったサンデー6号「はじあく」感想

はじめてのあく

 「はじめての」という単語を見ると反射的に「おるすばん」を連想してしまうお兄ちゃん達こんにちは!
 このロリコンどもめ!(バックベアード様の声で)

 そういうアレとはおそらく何の関係もなく連載が始まった「はじめてのあく」。みんな大好き「こわしや我聞」の藤木俊先生が、幾度かのサンデー超での読み切りを経て、ついに満を持して週刊少年サンデーに帰って参りました。

 満を持しているだけあって、第一話から藤木作品独特のテイストが全開。
 貧相な体格に地味なメガネにもっさい髪型、ハイキックを繰り出しても決して翻ってパンツを見せることがない鋼鉄のスカートという、全く以て少年マンガにおけるヒロインらしくない女子高生をあえて主人公として登場させるストイックさ。その一方で、彼女の相方として「悪の科学者」を名乗る明らかに常識外れで独善的な思考の持ち主の少年をぶつけてくるという破天荒さ。主人公の友達や従姉も一癖ありそうな連中ばかりです。
 どれも、藤木先生の持ち味が存分に発揮されている、素敵なキャラクター達だと感じました。

 藤木先生の作品の魅力は、個性的かつ(良い意味で)独善的なキャラクター達が作り出す作品世界の雰囲気の心地よさにある――と私なんかは思っているので、そういった意味でもこの「はじめてのあく」もまた自分にとってはとても楽しめる作品になりそうな予感がします。
 おそらく今後登場するであろう、これまた破天荒に違いない「正義の味方」達との掛け合いも含め、このマンガの世界がこれからどうなって行くのか注目して行きたい所存です。

 そんな「はじめてのあく」に対するこのサイト的な懸念点としては、「常識的な性格の主人公の前に、異世界からの闖入者が!」というこの作品のスタイルが、ほんのちょっとだけ「一番湯のカナタ」を連想させてしまうところくらいでしょうか。そういや闖入者が姉弟ってとこも、弟が変なガジェット使ってトラブルを引き起こすところも、主人公の家庭が父子家庭ってとこも似てますよね。
 がんばれ藤木先生(←ひどい)。


ダヴィンチの登場でこの作品は「最後の晩餐」を迎えるのか?(上手いこと言ったつもり)サンデー4+5号トラウマイスタ感想

トラウマイスタ

 「トラウマイスタ」はヒロイン格のスジャータさんがやたらちんこの大きさに拘ったり、執拗に涎を描写するエピソードがあったりと妙にフェティッシュなマンガなのですが、今回登場した「ダヴィンチ」を名乗る新キャラクターは、その変態性においてこれまでのフェチ描写を遙かに凌駕しているといえます。

 彼が使役しているアートマン『モナ・リザ』がロリッロリな少女の姿形をしているだけでも十分にヤバいと思うのですが、彼女の股間から腕を突き出して口に突っ込んだり、彼女の股間から「ズル…」と音を立てて頭から出てきたり、彼女の股間を「モナ足! モナ味! おいしィー! おいしすぎる!」と叫びながら舐め回すなど、やたらと股間にこだわる描写の数々はまさに圧巻でした。何という股間フェチ
 ダヴィンチの登場を以て、「トラウマイスタ」は完全にサンデー読者の青少年にフェチの神髄を植え付けるマンガになったと言えましょう。素晴らしいです。少年マンガは読者にトラウマを植え付けるくらいの毒がないといかんですよね!(いかんのか)

 なお、「モナ・リザ」の能力はおそらく重力操作で、対象物を重力で引き寄せてそのまま圧壊させる技を使っているものと思われますが、彼女の主のダヴィンチの変態っぷりの前では、斯様な理屈など大した意味はなさそうです。
 しかしレオナルド・ダ・ヴィンチも、まさか後世で自分がこんなこんな変態キャラのモデルになるとは思わなかったのではないのでしょうか。うっかり歴史に名を残すと恐ろしいにゃー(ファーザーの声で)


続報:「ソク読み」がFirefox3に正式対応するとのことです

 以前『ソク読み』ビューアーが Firefox 3 に対応していない件について書きましたが、小学館オンラインに対応をお願いする要望を投げてみたところ、昨日返答がありました。
 それによると、「Firefox3 と Flash の組み合わせで一部使えない機能が存在していたので非対応としていたが、Firefox と Flash がバージョンアップして問題が解消されたので、現在検証を行っている。24日までには検証を終わらせ、Firefox3 に正式対応する」(要約)とのことです。
 Firefox および Flash プラグインを共に最新版にしていれば、おそらく問題なくビューアーを起動できるものと思われます。

 素早い対応ありがとうございました。
 24日が楽しみです!


サンデー2+3号「ツクモツキ」感想

ツクモツキ

 読み切り。マンガのスタイルとしては「金色のガッシュ!」(というかポケモン)と同系の、主人公+特殊能力を持った仲間のモンスターのコンビでバトルを行うタイプになると思いますが、モンスターに相当するのが「八百万の神々」であり、その神々は人間のパートナーとして契約すれば神のままでいられるけど、パートナーを得られないと「付喪」という祟り神と化して暴走してしまう、というちょっとひねった設定になっているのが、この作品世界の特徴であると言えます。
 この設定の存在によって、このマンガにおける神々は特定の人間に従属せざるを得なくなっています。サクヤはその象徴と言える存在として描かれてますね。

 そのことを物語前半に(不遇な扱いを受けるサクヤを通じて)描写することで、後半における主人公の「人も神も付喪もみんな大事なお客サマ」という論拠で神や付喪を救おうとする行動にカタルシスを生じさせることに成功しているなと思いました。簡単に感想を言えば、とても面白かったです。

 主人公のパートナーの「十徳」は十徳ナイフの神という設定なので、今回のナイフ以外にも缶切りやドライバーの能力も使用できると考えれば応用も広がりますし、今回のサクヤとのコンボのように他の神の力と併せれば更に色々なことができそう。今回は読み切りですが、作品の設定自体はかなり自由度を高く持たせている感があるので、これは将来的に連載化を狙っているんじゃないかと思いました。
 個人的に感じた唯一の問題点は、主人公の歌詞のセンスが致命的に悪くて読んでてムズムズするというところですが、おそらくそれも狙ってやってるっぽいので、これはこれでこのマンガの味であると判断せざるを得ません。「正気に戻ってちょんまげどーん」とか。

 なお、サクヤこと「木乃花佐久夜毘売」は、古事記に登場する実在の神様がモデルみたいです。
 日本古来の神様のはずなのに、「イエス、マスター」とか平気で英語を喋っちゃうところが彼女の萌えポイント。多分。