古見さんには尾根峰さんが友達として必要でした サンデー11号「古見さんは、コミュ症です。」感想

古見さんは、コミュ症です。

 お姉さん属性持ちの尾根峰さん登場回。

 このマンガに出てくる只野くんの同級生共は、基本的に一つの属性を極限まで高めたエクストリームな個性の持ち主ばかりであり、この学園を出たら一般的な市民生活を営むことが可能かどうかすら怪しい人がたくさんいるんですけど、その中にあってこの尾根峰さんは「ちょっとお節介だけど基本的には親切で、他人の恋愛感情を察することもできる、頼りがいがある同級生」という、このマンガでは極めて貴重なマトモな人材だと思われます。
 こんな普通にいい人が、本当にこのマンガに出てきてしまって大丈夫なの? と思ってしまうレベルで普通にいい人です。

 特に、「古見さんが密かに只野くんのことを想っている」ことを察した上で、その恋を応援してくれる同性の人物が登場したことは、古見さんにとっては大きな助けになるのではないのでしょうか。
 古見さんと接触のある他の同級生女子は、なじみはともかくとして後はヤンデレ属性とか下僕属性とか中二病属性とかそんなのばっかりであり、しかもみんな古見さんを「友達」というよりは「信仰の対象」として崇拝している始末なので、もし古見さんが只野くんとの関係について何か悩みを抱えていて相談しようと思ったとしても、彼女たちは相談相手として何の役にも立たないことは必至の有様です。
 そういう意味においても、普通に「同性の頼れる友達」として色々と色恋沙汰を相談できそうな相手を得られたのは、古見さんにとって非常に良いことだと思います。良かったですねえ古見さん。

 それはそうと最近のこのマンガ、ここ最近は特に「只野くんの周りに自然と女の子達が集まってドタバタ劇が繰り広げられる美少女わんさかコメディー」の体をなしつつあるような気がしてならないのですが、その辺はどうなんでしょうか。
 現在の只野くんは、古見さんとは既に事実上の相思相愛状態ですし、その上(色々な意味でおかしい人達ばかりであるということは置いておいて)女の子が常に周囲に寄って来るだなんて、実はものすごい羨ましい立場にいるんじゃないんでしょうか。

 何かちょっと彼が恨めしくなってきたので終わり。

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古見さん2巻は顧客満足度(カスタマーレビュー)の高さにも注目

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そばにいられればそれでよかった サンデー10号「舞妓さんちのまかないさん」感想

舞妓さんちのまかないさん

 主人公のキヨが何故舞妓の屋形でまかないさんとして働いているのかという過去を描いた話でした。端的に言えば、彼女は「舞妓に憧れてはいたけど、舞妓になりたかった訳ではなく、舞妓の側にいられればただそれで良かった自分に気が付いた」ということになるんでしょうか。

 今のキヨは舞妓さんの側でまかないさん役に徹しているだけで幸せそうなのでそれでいいとは思いますが、いつまでも彼女がこの場所で料理を作り続けることができるのか、そしてこの場所に留まり続けることが彼女にとってベストなのかどうかは、多分まだ判りません。

 これが並の少年マンガや少女マンガだったら、ここから彼女の運命が大きく変わって再び舞妓への道を歩むとか、本格的に料理人への道を志すようになる的なドラマが起こること必至なんですけど、でも多分これはそういうマンガではないので、しばらくはこのまま特に大きなドラマもなく、彼女は彼女が自分で決めた居場所で、大好きな舞妓さん達のために穏やかに働き続けることになるんじゃないんでしょうか。

 劇的なことが起こらず、ただ日常だけが続いていくマンガが少年誌に載ってるというのは、ホントにすごいことだと思います。「舞妓さんちのまかないさん」は、サンデーが大きく変わったことを象徴するような作品になるのかも知れませんね。

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「ちろり」も一度ちゃんと通して読んでみたいです

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やればできる最高神、てらす様。 サンデー10号 「だめてらすさま。」感想

だめてらすさま。

 藤木俊先生お得意のドタバタ学園コメディ展開の回。アマテラス様の学生服姿も可愛かったし、新聞部の天城のトラブルメーカーっぷりも冴えてたし、国津神の百足のおっさん臭いエロさや男子学生共のボンクラっぷりも楽しかったし、そして散々ドタバタしつつもラストはきっちりと爽やかな青春ドラマとして落としてたし、最初から最後までちょう面白かったです。
 藤木先生がサンデーに帰ってくるからには、やっぱりこういう話が読みたかったんだよ! って感覚が具体化したようなエピソードでした。先生ありがとう!

 今回の白眉は、一日だけの学園生活を満喫したアマテラスが「悪くなかったかな!」と笑顔で言うところです。彼女がこんな表情したの、この話が初めてだったんじゃないんでしょうか。彼女もやればできる最高神なんですね。
 やればできる神様なのに、結局は最後に引きこもりに戻って色々と台無しになってるところも含めて、さすがてらす様だと思いました。やっぱりこのマンガ面白いです。

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「だめてらすさま。」1巻は3月発売らしいですよ

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