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新編集部本格的新連載攻勢開始記念 サンデー45号「暁の暴君」感想

暁の暴君

 日本における柔道の競技人口は、およそ20万人!
 週刊少年サンデーの発行部数は、およそ39万部!
 サンデーの方が多い!(挨拶)

 新連載。編集長交代後に始まった新連載としては、既に畑先生の「アド アストラ ペル アスペラ」がありますが、あれは何というかこう存在自体が特殊なマンガなので、この「暁の暴君」が実質的な新体制下での初新連載作品となります。それだけに編集部の側もかなり力を入れてきているのでは、と勝手に思ってます。

 サンデーの柔道マンガと言うと、一般的には「帯をギュッとね!」や「いでじゅう!」といった青春コメディ路線を基調とした作品が思い浮かびますが、今回始まった「暁の暴君」は、武道の世界における権威に対してケンカを売る無頼の反逆者が主人公であり、従来のサンデーの柔道作品とはかなりノリが異なっているように思えます。少なくとも、簡単にラブコメ展開に移行できるようなマンガには思えません。
 個人的には「修羅の門」の第一話を思い出しましたけど、実際サンデーというよりはマガジンやチャンピオンに載っていてもおかしくないような硬派なマンガと言う印象です。

 あと硬派と言えば、この作品における柔道の権威である「講英館」という団体名が、(現実の柔道の権威である講道館のパロディではありつつも)講談社と集英社から名前を持ってきたと思わせぶりなところも、ちょっと硬派というか、ロックですね。サンデーと比較すると発行部数で負けてるマガジンとジャンプにケンカを売る暗喩なのかも知れませんが、小学館も出版社の世界では両社と並ぶ立派な権威じゃないですか? とツッコミを入れざるを得ないのが惜しいところ。

 話の筋としては「ちょう強い主人公が腐敗した権力者に戦いを挑む」という極めて判りやすいものであり、主人公やライバル・権力のボスといったキャラも既に第一話で立ちまくってるので、後は如何にバトルを魅力的なものにするかが見どころかと思います。
 主人公の一真は、「修羅の門」や「グラップラー刃牙」に出てきたらまかり間違いなく敵役になりそうなキャラで、散々いけ好かなさをアピールした挙句に最後はこっぴどくやられるに違いないタイプですよね(決めつけ)。こういう簡単には好感できなさそうなキャラをあえて主人公に据える辺りに、製作者側の覚悟を感じてます。勝手に

 また、今のところこのマンガにはいわゆる「ヒロイン」に相当するキャラが登場していませんが、多分最初はツンツンしていた今回の敵役の澤村さんや、目下のラスボスである講英館の大嶽さんが徐々に一真にデレて行くとか、そんな方向性を期待していいんでしょうか。大嶽さんはデレたらカワイイと思う(まちがい)。

帯をギュッとね!(1) (少年サンデーコミックス)
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「帯ギュ」の連載が始まったのが1988年。もはや歴史的な傑作


連載作品の入れ替わりが激しくなって来た感がすごいサンデー44号感想

BE BLUES!

 ついに龍に対するツンデレのフリができなくなってデレッデレに移行しつつある藍子っちーがとにかく可愛かった今回ですが、藍子がツンデレかわいいのはもう皆判りきっていることですので、個人的にはあえてクラス内で微妙にモテ期が来た可能性を感じさせた優人をクローズアップしたい気持ちになりました(あえて?)。

 色々な意味で超人の龍や桜庭が側にいるので普段はあまり目立ちませんが、龍の高速パスを処理できるテクニックと龍以上に走れる持久力、そして与えられた役割を最期まで遂行できるフォア・ザ・チームの精神性、女子(特に藍子)に応援されると普段以上のやる気を出せる根性を持ちあわせている彼は、サッカー選手として既に非凡な才能を持っている訳であり、現在の武蒼のビック4が引退した暁にはサイドバック要員としてそのままレギュラー入りできそうですし、将来はプロリーグの選手になれる可能性すらあるのではないかと思ってます。
 それにルックスも受けっぽい感じが強いけど悪くはないですし、脱いだら結構凄いことも判明してます(腹筋が)。なので、オレが優人のクラスの女子なら放っとかないよね! といつも思ってます。女子じゃないので思ってるだけですが。
 いつか優人にもモテる日が来るといいね! 肝心の藍子の眼中にはまだ全く入ってないけどね!

 そして物語的には、前々から仕込まれていた黒部先生の死亡フラグがついに炸裂してしまいました。
 惜しい人を亡くしました(死んでません)。

なのは洋菓子店のいい仕事

 セージがほの香に夜の浜辺に連れ出された先週の段階では「セージ君、生きて明日の朝日を拝めないのでは」と危惧していましたが、とりあえず無事生還できたようで何よりでした。

 前々回のイタ電のシーンから推測するに、ほの香さんの気が狂っているのはもはや確実だと思われますが、その狂気は現状では自分を「おっぱいが出ないから」という無茶苦茶な理由で拒絶したタイムに向けてのみ向けられている様であり、セージに対しては「隣りに住んでるおっとりした美人のお姉さん」のキャラクター性を逸脱する行動は起こしませんでした。
 ただし、セージに対する彼女の姿が本来の彼女の姿なのか、それとも「おっとりした美人のお姉さん」像は己の狂気を隠すためのペルソナに過ぎないのか、いまだに判断はできかねる状況です。セージはほの香に対してフラグを一つ立てたように思われますが、それもまた彼女の思惑の内である可能性は十分にありそう。

 何にしろ、かの香の存在はこのマンガが単なる幼なじみラブコメの枠に収まらない、とてつもないを感じさせることに成功していると思いました。現在のサンデーにおいて「正気にては大業ならず」を最も体現している人物と申せましょう。
 このようなエクストリームな人物をラブコメ展開の軸に据える「なの菓子」は、相変わらず油断できない作品だと思います。

ヘブンズランナーアキラ

 連載が始まった頃は、一人ぼっちのコミュ症で頻繁に死線を彷徨っているおかしいキャラに過ぎなかったアキラ君が、今では陸上部のみならず県大会に出場する陸上の猛者たちの絆を結ぶ大切な存在にまで上り詰めたことに、感動を禁じえません。
 今回のお話は、この作品が最初に目指していた到達点だと言えるのではないのでしょうか。

 ただ、サンデーが今はあんな状況なので、あまりにアキラがスムーズにサクセスストーリーを突っ走っていると「このマンガこのまま終わってしまうのではないか」という危惧を抱いてしまうのも事実(不穏)。
 アキラが県大会で勝利したことで、次はいよいよ全国編か!? と思わせておいたところで、アキラが顧問の先生からいきなり「高校を辞めてくれない?」と吹っかけられる急展開を見せたこの作品、果たして次回以降どうなってしまうのか。全国編か、はたまたいきなり世界編か? はたまた男坂を登るのか。待て次号。

戦争劇場

 主人公の平凡な女の子が、ツンデレでツインテールで恋敵で性格が凶暴な後輩女子を手懐ける今回の展開は、往年の「マリア様がみてる」を彷彿とさせてグッと来ました(マイナーな感想)。
 撫子は天使の側が前面に出たらまかり間違いなくとんでもない美少女になれると思うんですが、それを決して許さない残念な性格が最後まで素敵でしたね。おつかれさまでした。

 サンデーが今はあんな状況なので、ラブコメ要素に決着付けた上で次回最終回になるのは致し方ないところですが、せめてラストバトルは「戦争劇場」の名に恥じない、天使と悪魔が愛の名にかけて血で血を洗う壮絶な争いを繰り広げて欲しいところです。
 そしてできれば、何かの拍子で天使ちゃんを脱がせて欲しいです。最終回だし。

アド アストラ ペル アスペラ

 前編を読んだ時は「ボーイズミーツガールがテーマのジュヴナイルSFなのにも関わらず、肝心のヒロインがまったく出てこないのがすごい」と思っていたんですが、実は最初からロボットの中にいた変なウサギの中に入っていたというオチでした。
 きっとそうだろうと思ってました(後知恵)。

 超銀河レベルの帝国の皇帝と戦うために美少女と一緒に主人公の男の子が宇宙を旅する物語というと、自分の世代だと真鍋譲治先生の「アウトランダーズ」を連想してしまいます(古い)。
 「アウトランダーズ」だとヒロインは銀河帝国の皇帝の娘だったんですけど、「アド アストラ」のヒロインは一体何者なんでしょうか。メカの名前が「ヴェルサイユ」なので、やっぱり帝国の関係者なんでしょうか。

 というか、地球の外から来た人のはずなのに、何故わざわざメカの名前が「ヴェルサイユ」なんてフランス語チックかつマリー・アントワネット的なアレなんでしょうか。やはり彼女も、幼少期に「ベルサイユのばら」を観てた口なんでしょうか。「一番湯のカナタ」のワネットちゃんを何となく思い出します(ファンサイト要素)。

絶対可憐チルドレン

 真のヒーローは仲間がピンチの時に遅れて高いところから現れるという「ダイの大冒険」のヒュンケルメソッドを踏襲しつつ、悠理が久しぶりに再登場しました。
 再登場とともに「第四のチルドレン帰国!」ってアオリを背負っているところからして、彼女はチルドレンと合流するために帰ってきたと見て良いでしょう。

 「絶対可憐チルドレン」最終章となる高校生編の予告のティザーイラストでは、高校生になったザ・チルドレンと並んでバベルの制服を着て後ろ向きで立っていた謎の女性がいましたけど、あれはやっぱり悠理だったということになりますね。
 悠理と見せかけて実は女装したギリアムお兄さまである可能性も微粒子レベルで存在しているのではと思っていた時期もあったのですが、残念です(最初からないです)。

 そして悠理が合流することで高校生編の予告イラストの予言が実現したとなれば、いよいよ高校生編も佳境に入ってきたと言えるのではないのでしょうか。悠理とギリアムの戦いの火蓋が再び切って降ろされ、因縁に決着をつける時も迫っているのかも知れません。

 あと、9/22にアニメイト池袋本店で行われた椎名高志先生のサイン会の様子について、イベントに参加した井汲景太さんが感想掲示板に詳細なレポートを書いて下さいました。ありがとうございます。

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絶チル43巻、kindle版が既に発売されてますね。ありがたい


「だがしかし」アニメ化決定記念 サンデー42号感想

だがしかし

 「だがしかし」アニメ化決定おめでとうございます!

 アニメ化の際には、ぜひサンデー編集部および小学館におかれましては、己が持つあらゆる政治的影響力を駆使して、コミックス1巻第4話では正式名称を出せずに「ゴリゴリ君」というバッタ物的な呼び方をされていたみんな大好き「ガリガリ君」を、ちゃんと劇中で「ガリガリ君」と呼べるようにして頂きたいと思う次第です。
 できればコミックスの方も、ちゃんと「ガリガリ君」に改定した版を出して欲しいですね! 駄菓子がテーマのマンガにおいて、駄菓子的アイスの代表である「ガリガリ君」の名前を出せるかどうかは極めて重要な問題ですよ! 一流の出版社ならちゃんと権利関係をクリアにしておくべき!(エラそう)

 あとアニメ版に望むことは、アニメーターの総力を結集してほたるさんをエロく描いて下さいという点です。作品内ではパンチラとかそういうカットが一切無いにも関わらずに醸し出しているあのエロスさ加減を、アニメでもぜひ再現していただきたいです。本気でお願いします。

 なお、今回のお話のメインテーマである『恋と甘酸っぱいさくらんぼ』というと、昔読んだ「麦ちゃんのヰタ・セクスアリス」に乳首をさくらんぼに見立ててカップルがイチャイチャしてるシーンがあったように記憶していますが、遠い昔のことなのでそんなシーンはなかったかも知れません(「だがしかし」関係ない感想)。

なのは洋菓子店のいい仕事

 「ぼく、およめさんのおっぱいで ケーキ作りたいんだ

 この一文から溢れる狂気がすごいと思いました(感想)。タイム君は色々な意味で天才過ぎます。
 こんな言葉をひねり出す若木先生の才能を改めて感じると共に、ついに先生が本気を出して来たと思わざるを得ません。

BE BLUES!

 ノアに復讐するだけのために危険な場所でボールをキープし続け、そしてついにノアをぶち抜くことに成功した桜庭さん。やってることはスタンドプレーそのものなのですが、レノンや龍、そしてミルコの表情から察するに、みんな「桜庭のやることなら仕方がない」と思ってるっぽいです。
 桜庭さんはチームのみんなから愛されてるなと感じました(好意的解釈)。

 桜庭がこの試合でどんなことをしでかすのか心配だったんですけど、ノアには復讐できたし、結果的にチームに追加点をもたらすプレイをすることができてチームに貢献できたし、それだけの活躍をしても相手DFに派手に倒されたにも関わらずフリーキックを蹴りたいとギャンギャン吠えたり、龍がフリーキックを蹴って得点を決めた時に派手に悔しがったりといったダメな桜庭さんらしさも相変わらずだったしと、ちゃんと彼らしい活躍ができていた展開になっていたのは素晴らしいと思いました。

競女!

 元フェンシング選手の沢木さんは、フェンシング経験者だからおっぱいを自在に伸ばして突きを繰り出す!
 「弓尻」の異名を持つ海辺さんは、自分の水着を弓のように伸ばして自分自身を射出するという、「ドラゴンボール」の桃白白の「自分で投げた柱に乗って空を飛ぶ」並に物理的に不可解な曲芸を難なくやってのける!
 「尻収集家」の異名を持つ棗さんは、対戦相手のバイオリズムならぬ「バイオ尻ズム」を把握して確率論によって計算された立ち回りをする!

 単なるやられ役な役割のキャラにも、一度見たら忘れられない強烈な個性を持たせる。そこが「競女!」というマンガの素敵なところだと思います!(もちろんほめてます)

ヘブンズランナーアキラ

 アキラが友情パワーの高まりを受けてパワーアップ!
 連載序盤ではボッチだった孤独な彼は、陸上を通じて得た掛け替えのない仲間たちの想いを胸に、今新たなる力を得て走りだすのであった!

 この盛り上がり方、色々な意味で熱い! そしてヤバい
 このマンガもうすぐ終わるのでは!? と思ってしまったのはヒミツです(感想か?)。

古見さんはコミュ症です。

 「新世代サンデーグランプリ」と銘打った、ルーキー読み切り企画が始まりました。告知ページに編集長のコメントが載っているところからして、「新しいサンデー」の開催を象徴する企画としての力の入れようが感じられます。
 ただ「グランプリ」と銘打ってはいますが、ジャンプの「金未来杯」とは違って投票で優勝作を決めるわけでもデビュー枠が確約される訳でもないっぽいので、どちらかと言えば次期連載作家候補の紹介的な意味合いが強そうな感じの企画のようです。
 この辺の適度なぬるさがサンデーらしいというところなんでしょうね(好意的な解釈)。

 今回の「古見さんはコミュ症です。」は、ジャンルとしては「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」的な社会不安障害を抱えたヒロインの挙動をネタにしたタイプの話なんですが、コミュ症な挙動を単にギャグにするのではなく、そこから古見さんが主人公の協力で救われる話になっているところが優しいなと思いました。古見さんは本当ならカウンセリングを受けるべきなんじゃないかという気もしますが。
 あと黒タイツがいいと思います(正直)。

リオンさん、迷惑です。

 最終回。感覚的にはやっぱり打ち切りっぽいのが残念ですが、最期でリオンが三雲からこれまで無償の愛(やや誇張)を受けていたことに気付き、自分を愛してくれた者のために全力で答える慎み深い姿(やや誇張)が見られて良かったです。
 悪魔っ娘わんさかコメディーというコンセプトは良かったと思うので、ぜひ浦山先生には再起を期待したい所存です。

絶対可憐チルドレン

 キャラ人気投票の結果が発表されていましたが、予想通りというか何というか、やっぱり兵部がトップでしたね。人気投票優勝者には特別なエピソードが掲載される約束ですので、兵部がどのような形で脱がされるのかに期待したいです。脱がされるのは決定事項だと思うので。

 また、9/22には池袋アニメイトで椎名高志先生のサイン会が実施されましたが、そのシステムが「生原稿を3枚提示し、そのうちの好きな1枚を選んでそこにサインする」というファンサービス精神にあふれたものであったり、アニメの兵部役の声優の遊佐浩二さんからメッセージがあったりと、かなり盛り上がったみたいですね。羨ましい…!(行けませんでした)

 本編の方は、松風君と宿木との会話にしろ、賢木とティムバレコンビとの会話にしろ、チームの間の信頼関係や、本当に必要な時に側にいることの大切さを示唆するようなエピソードだったなと思いました。
 ただ、賢木や兵部は「黒い幽霊」はその信頼関係を突いて攻撃してくると疑っている訳で、信頼するべき相手をも疑わなければならない大人の辛さという面も強調されていたように思えます。

 そして今回のラストでは賢木が何か酷い目に遭いそうな予兆が描かれていますが、彼は中学生編でも事あるごとに割と酷い目にあっていてそこから何度も復活しているので、まあ賢木先生なら何とかなりそうなので頑張れと思いました(ひどい)。

絶対可憐チルドレン 43 (少年サンデーコミックス)
椎名 高志
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コミックス43巻は兵部会長が色々な意味で大活躍したエピソードが収録


桜庭さん登板記念 サンデー40号感想

BE BLUES!

 サンデーの編集長が交代した途端に、桜庭さんが起用されたよ!
 ついにサンデー新時代が到来した!(安易な感想)

 龍の活躍でリードした武蒼の「次の手」として繰り出したのは、優人と桜庭を同時に起用し、優人が中盤を支えて桜庭で更に得点を狙おうと言う、かなりオフェンシブな作戦だったという話でした。

 今回は初陣で緊張していた優人がビッグ4達のサポートを受けて落ち着くところを描いてましたが、まあ優人はあんな受けっぽい顔をしていても実は結構やる時はやる男であることは何度も描写されてますし、何より監督から与えられた任務はきっちりこなす献身的なプレーができる精神性を持ち合わせているので特に心配はないのですが、問題は桜庭さん

 一応監督からは「左サイドに張ってボールが来るのを待て」と言われているのですが、彼の頭の中は既にノアに対する積年の恨みを晴らすことで一杯であり、更に監督に対して往年の猫かぶりフェイスを浮かべて「まかせてください!」って言ってる時点で、まかり間違いなく言うことを聞く気はなさそうです。
 果たして桜庭さんはこれから何をやらかしてくれるのか。龍は荒ぶる桜庭を制御した上で、桜庭とのコンビ技を決めることができるのか。不安が高まります!

 あと今回は、優人が試合に出ることを知った優希が「お、おえ!?」って叫んでるのが面白かったです。
 ちょっと前のコマでは「龍がやっと試合で結果を出せた」ことを笑顔で喜ぶヒロインっぽさを垣間見せていただけに、そのギャップがすごい。高校生編メインヒロインの藍子っちーにはこういう芸当はちょっとできないと思うので、この辺が差別化要素なのかも知れません。

 窪塚さん、けっこうおっぱい大きいですね(真の感想)。

なのは洋菓子店のいい仕事

 サンデーの編集長が交代した途端に、ガチなラブコメ展開が始まったよ!
 ついにサンデー新時代が到来した!(安易な感想)

 今回の話は、前々から仕込んでいた「セージとかの香の幼なじみ設定」というラブコメ要素の仕掛けをついに爆発させたような感じがします。
 ただ、そのラブコメ要素の爆発の仕方が「酔っ払ったかの香が幼児退行を起こし、セージが姉に憧れてることを牽制しつつ過去の約束をタテに結婚を迫る」というちょっとおかしいものだったところが、このマンガが只のラブコメマンガではないことを暗示しているような気がしてなりません。
 「白川と菜花の恋仲は人死を呼ぶ」という言葉も出てきましたし、この二人が本当にラブにコメるためにはこれから多大な障害が待ち受けていることは必至でしょう。

 というか、このマンガは基本的には「ケーキは暴力」とか言いつつ洋菓子好きな女子の運命を全く救わないことで有名な「なのは洋菓子店のいい仕事」ですので、普通のラブコメをやってもらっては困るんですよ!(←読者の分際でエラそうに振る舞う系)

 白川と菜花の両家には単なる商売敵を超えた何らかの因縁があるのはまず間違いないんでしょうが、
白川とも菜花とも今のところ血縁的な関係がない言葉が、この両家の謎に迫ってくれるんじゃないかと予想してます。あの子は普段は少々アレですが、やる時はやれる子です。多分。

AREA D

 サンデーの編集長が交代したら、触手が女性キャラに襲いかかったよ!
 ついにサンデー新時代が(略)

 人間の体液が大好きで穴という穴から入り込むにゅるんにゅるんした触手型モンスターを異次元から召喚する能力、掲載誌が違っていたら大活躍できたのではないかと思いました。具体的には二次元ドリームノベルズとかその辺(ひどい感想)。

ドリー・マー

 サンデーの編集長が交代したら、幼女のドリーが全裸になって生き返ったよ!
 つ(略)

 ついに最終回。
 「ドリー・マー」という物語はマー君・ドリー・プースカフェの三人の物語として始まりましたが、最期に再びそこに戻って来た印象を受けました。
 プースカフェは最期にマー君に対して愛を告白しましたが、そうなると実はこの物語はプースカフェによる壮大なヤンデレ劇だったという解釈が可能なのでは(大胆な仮説)。

 「ドリー・マー」に関しては、Twitterのリツィート数による投票という形でイメージガールオーディションを行うちょっと変わったプロモーションをやっていたことは知っていましたが、話題にするタイミングを逸してしまったのが心残りです。

絶対可憐チルドレン

 サンデーの編集長が交代したら、パンチラのカットがいつもより大きく(略)

 今回は、ザ・ハウンドの過酷な任務に松風君が指揮官として挑むという話でした。過酷な任務とは言っても、基本的にはコメディ回担当のザ・ハウンドなので大したことではないのではないかと思っていたんですが、実際は広大なエリアを歩き回りながら自然環境を観察・保護して回るという、バベルのエージェントの仕事というよりは環境庁の自然保護官の仕事に近い任務でした。
 この任務に対しては明が「俺たちよりふさわしいチームはない」とプライドを語ってましたが、この言葉からは彼がもう一人前の大人である風格が漂っていたと思います。すっかり頼もしくなりましたね彼。

 初音の方はこの期に及んでジブリアニメのパロディやってたので不安ですが、まあ多分彼女ももう大丈夫じゃないんでしょうか。多分。

 また今回は、松風君の指揮官としての成長と共に、いずれ来るであろう皆本とチルドレン達との別れについても考えさせる内容になっていたのもポイントかと思います。
 いつかはこのマンガも終わる時が来るんでしょうけど、エンディングでは皆本と薫はどのような関係になっているんでしょう。薫は何かこのまま自立した大人になれそうな感じはしますが、皆本は薫と「指揮官とエスパー」の関係ではなくなった時にちゃんと薫を自立した大人の女性として愛せるような男になれるかどうか、ものすごく心配なんですよねーどうなっちゃうのかしらー(気の早い悩み)

ドリー・マー 3 (少年サンデーコミックス)
バコ ハジメ
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9/18発売予定のドリー・マー3巻の表紙。今見ると泣けます(´・ω・`)


サンデー新時代が到来した気がする記念 サンデー40号「ハヤテのごとく!+アド アストラ ペル アスペラ」感想

ハヤテのごとく!+アド アストラ ペル アスペラ

 「この漫画は…打ち切りだー!

 サンデー編集長交代に伴い、「これから掲載マンガを容赦なく入れ替えるよ! なさけむよう!」的な内容で業界に衝撃を与えた「読者の皆様へ」が公開されてから2週間、いよいよ誌面もそれを反映した内容になって来つつあることを伺わせるネタを「ハヤテ」が早速ぶっ込んで来たなーと思いました。
 「ハヤテ」の場合は特に、今回の声明文の発表を受けてインターネット(というか2ちゃんねる)では真っ先に「打ち切られる」とか言われてた印象があるので、こういう自虐ネタがより光ります。

 まあでも、本当に打ち切られるならこんな悠長なことを書いてる余裕なんかないはずなので、「ハヤテ」はそう簡単には打ち切られないと思いますけどねー(´・ω・`)

 そんな畑先生ですが、今週から「ハヤテ」と新連載「アド アストラ ペル アスペラ」をサンデーで開始しました。
 「ハヤテ」の中では『正直、最初は軽い冗談のつもりだったのだが』とか言ってますけど、これはあくまで畑先生の謙遜であって、本当はサンデー新時代の到来を象徴する連載になるよう綿密に打ち合わせていたのでは? と信じていたのですが、サンデー編集部の人が自ら「初めは冗談のつもりだったのに……」って白状してしまっている記事を見てしまった今となっては、本当に冗談から勢いで作ってしまった作品であると認めざるを得ません。

 我々のような凡人としては、いくらネタが浮かんだからと言っても明らかに自分にとって過負荷となる同一誌二本同時連載をやってしまうのは信じられないんですが、本当にマンガを描くのが好きな作家というのは、本来こういうものなのかも知れませんね。
 以前、松江名俊先生が週刊連載の合間にフル3DCGアニメ「技の旅人」を作ってしまった時も信じられませんでしたが、真のマンガの天才というのはそういうものなのでしょう。多分。

 そして「アド アストラ ペル アスペラ」の感想ですが、「偽りの平和の裏に隠された真実を見てしまった少年の成長物語」という正統派のジュヴナイルな雰囲気の作品っぽくて、そういうのが好きな自分としても期待大です。
 今週のサンデーの表紙を飾った、本当ならボーイズミーツガール的に出会うであろうヒロインと思しき女の子がまだ全く出て来ていない辺りなんか、早くも大河ドラマの雰囲気を醸していますよね(褒めてます)。

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「それが声優!」も含めると三本連載体制なのが純粋に恐ろしい


前記事のアンケートへのご協力ありがとうございます サンデー39号感想

BIRDMEN

 「バードガール」を名乗る褐色美少女が本格的に参戦、烏丸達とバトルを開始する展開となりましたが、個人的には今回2コマだけ出てきた鮫洲あやめが可愛いなと思いました。

 彼女、現時点ではまだモブキャラに毛が生えた程度の存在感しかありませんが、登場する度に確実に可愛らしさがアップしていることは間違いありませんし、何よりクラスメートの中で唯一烏丸を気にかけてる健気さと相まって、今後何かのタイミングで化ける可能性はかなり高いのではないかと推測してます。願望込みで。
 そのうち、烏丸絡みで生死に関わるレベルの大事件に巻き込まれるんじゃないんでしょうか彼女。楽しみですね(ひどい)。

 あとは「バードガール」こと強化人間のCATさんですが、「ブーストオン」と言いつつ何か薬剤が入ったアンプルを首にぶっ刺してる描写があったので、多分そのブーストが切れたら反動で弱体化してシワシワになって負けてしまいそうな予感がします。その辺の見極めを烏丸達ができるかどうかが勝負の分かれ目になりそう。少年マンガの世界では、ドラッグに頼ったキャラはたいてい最後には負けることになってそうですしね。
 “Winners don’t use drugs”は、かの伝説的なゲーム「ソード・オブ・ソダン」にも登場した、世界共通の合言葉ですからね! ドラックダメゼッタイ!(間違った結論)

だがしかし

 駄菓子屋に置いてあるルーレットゲームは、自分も昔散々プレイした記憶があります。「当たるとコインが出てくる」というプリミティブかつ射幸心を煽るゲーム性は全てのゲームの面白さの基礎なので、ココノツ達がハマるのも致し方ないと思います。
 自分はあの頃の経験から「この手のメダルが出るエレメカは基本的に当たらない」ことを学び、パチンコやスロットにはあまり金を突っ込まない大人に育ったので、あれはあれで必要な経験だったのかも知れないと今は思ってます(遠い目)。

 あと最新ゲーム機というと、個人的な経験ですが Wii Uを買って「スプラトゥーン」を初めて遊んだ時には、粘性のあるインクがリアルタイムで飛び散って床や壁に塗りたくられる描画を見て「ネトネトしてる感じが本当に出てる! 今のゲーム機すごい!」と妙な感慨に浸れたので、みんなもWii U買って「スプラトゥーン」やればいいと思いますし、グラフィックがもっと高性能なPS4も欲しいなというのが、今回の「だがしかし」の感想です。

BE BLUES!

 ノアさんの突進をレノンが止め、そこからカウンターで龍→小田と繋いでゴール。見事逆転に成功した回でした。今回の得点はカウンターサッカーを志向する武蒼の理想的なプレイですし、また龍がボールを持ったことで赤城のディフェンダーに焦りを生じさせたのがきっかけとなって得点に繋がったという意味で龍の成長を感じさせる展開でもありました。
 が、個人的にはその龍の活躍を見た藍子が、ミルコに対して「彼、未来を…目指せるようになりましたか?」「目標…大きいですもんね」と言ってるシーンが良かったです。

 彼女のこの口ぶりは「私は龍の夢を理解しており、彼の夢を応援している」ことを示すものであり、即ち彼女自身が龍の成長を優しく見守る正ヒロインポジションにいることを高らかに宣言しているに等しいものだと理解しました。
 龍のことが好きだとか、龍の彼女になりたいとかそういう俗っぽい欲望ではなく、「主人公の成長を見守る」という気高く尊く清らかな正統派ヒロインの位置に自分はいるのだ! と認識していなければ、「目標…大きいですもんね」なんて言葉はナチュラルに出てこないと思います。
 今回のこの台詞を以って、「BE BLUES!」高校生編の正ヒロインの座は藍子っちーのものとなったと確信するに至りました。なので、正妻ポジションの優希も、窪塚さんから「あんたのダンナ」とか言われて喜んでる場合じゃないと思います。

 あとは、得点でリードした監督が「よし…次の手だ!」と言ってましたが、どのような手を打つんでしょうか。相手のDFが龍に脅威を感じているのでよりオフェンシブに行くのか、それともツートップ+ポゼッション重視の体制に戻して試合を落ち着かせるのか。
 少年マンガのお約束では基本的に「この手の試合では守りに入ったら負ける」なので、ここはやはり攻撃的に行って欲しいですね。具体的には桜庭を投入し、試合をよりカオスにして頂きたいです。
 はい、単にノア対桜庭の因縁の対決が見たいだけです。

tutti!

 オーケストラ部を支配する蘭部長を崇拝しているらしい、トランペット担当の連堂さんが登場。部長がスーパートランペッターである頼城君に目をつけ始めてたことで自分の立場が脅かされると感じ、保身のあまり彼を過小評価させようと必死になる小物っぷりを発揮してました。こういう歪んだ女子キャラは個人的に大好きなので大喜びです。
 昔のマンガだったら、こういうキャラは嫉妬した相手の上履きに画鋲を入れたりしたものでしたが、せっかく現代の吹奏楽部が舞台のマンガなので、嫌がらせするにしてもより吹奏楽っぽいことをやって欲しいです。トランペットのマウスピースをこっそりブロッコリーに置き換えるみたいな展開を期待して良いのでしょうか(ない)。

 あと、蘭部長がファンからもらったプレゼントを、わざわざゴム手袋を装備して開封するシーンも、彼女の歪みっぷりを象徴していて良かったです。
 このマンガ、実はオケ部側は歪んだ女子キャラの宝庫なのではないのでしょうか。部長が絶対的な権力を握っている女だらけのソロリティということは、その内情は部長の寵愛を受けようとする部員たちが日頃からドロドロした内部抗争を繰り広げている可能性が高いはずです。歪んだ女子キャラが大好きな私としても期待が膨らみますね。続く。

リオンさん、迷惑です。

 主人公の隣の部屋に住んでるリアル天使であり現役女子高生であるルカのお姉さんって、並のラブコメマンガだったらまかり間違いなくメインヒロインを張れるだけのスペックを持ったキャラだと思うんですが、決してそうはならないところが幼女わんさかコメディーたる「リオンさん」だよなと、常々思ってました。
 ルカのお姉さんは、性格的にはものすごい素直で他の人間のことを良くも悪くも決して疑わないとても良い性格であり、この辺はこのマンガに登場する悪魔達と似通った、とても純真で優しい生き物であると言えます。我々人間は、そんな彼らを傷付けることなく共存して行けるのかが、最終的なこの作品のテーマとなるのかも知れません。基本が幼女わんさかコメディーなのでならなさそうだけど。

絶対可憐チルドレン

 今回の扉絵を見た時、一瞬「誰!?」と思ってしまいました(感想)。

 特に明君は、タンクトップが似合う筋肉質のいい男に成長しましたねー。初登場時から彼らの成長を見守っている私としても嬉しいです。久しぶりに甥っ子に会った親戚のおじさんみたいな心境になりましたよ(うざい)。
 初音はおおむね想定通りというか、コミックス30巻の頃から大きな変化はないように見えますが(おっぱい以外は)、髪型はよりワイルドに進化してますね。あれはナチュラルにああなっちゃってるんでしょうか。彼女、髪の手入れとか全くしてなさそうですし、あんな調子で将来大丈夫なのかしら。明が良ければそれでいいのかしら。

 そして次回以降は、松風君がこの二人の臨時の指揮官として働くことになりそうです。シチュエーション的には、明と初音が初登場して皆本の指揮下で戦ったコミックス3巻のエピソードを連想させます。
 最後の方では、何か明が「このあとのザ・ハウンドの任務は、ちょっと過酷かもしれないぜ?」と思わせぶりなことを言ってますが、多分ザ・ハウンドのやることなので、思わせぶりレベルで終わるに違いないと決めつけてるところです(ひどい感想)。

 あと小鹿さんについては、自分もああいう形で休職するならものすごい勢いでダラダラするに決まっているので、ちょっと親近感が湧きました。
 でも彼女が観てたトトロのバッタもののアニメ、あれは動物が子供たちを虐殺するスナッフムービーなのではないかという疑惑が。彼女、ただの動物オタクでジブリオタクなだけではなく、実は心の闇とか抱えてるんでしょうか。謎が深まります(勝手に深めた)。

絶対可憐チルドレン(3)【期間限定 無料お試し版】 (少年サンデーコミックス)

「ザ・ハウンド」の初登場エピソードが読めるコミックス3巻は、9/4までkindleで無料で読めます。兵部の初登場エピソードも載っててものすごく面白い巻なので、万が一未読なら是非


週刊少年サンデー大改革開始記念・大改革を生き残りそうな連載作品予想アンケート

「今秋以降、少年サンデー本誌もサンデー超増刊号も大改革が始まります。多くの連載作品が誌面を去り、代わりに才能溢れる新人・若手作家さんが次々と誌面を賑わすことになります。半年後にはさらに改革の速度を上げていきます。読者の皆様におかれましては是非、少年サンデー再建の目撃者になって下さい」
(週刊少年サンデー2015年38号 「読者の皆様へ」より)

 斯様な形で、今後週刊少年サンデーの連載陣が大きく様変わりすることが予告されたのですが、しかしいくらなんでも、現在掲載されている作品全てが半年以内に終わってしまう訳ではないでしょう。多分。
 もしそのつもりだったら、最初からサンデーを廃刊にして別の雑誌を作ったほうが早いですからね!

 ですが、我々のような読者からするととても面白そうなので、せっかくだから「少年サンデーの大改革を生き残りそうな連載作品アンケート」を実施したいと思います。
 下記のフォームから「このマンガは少なくとも半年以上は連載が続きそうだ」とあなたが考える作品のタイトルをフォームから選んで「投票する」ボタンを押して下さい。投票すると、これまでの投票結果が表示されます。
 再投票するには、このページをリロードして下さい。投票回数に制限はありません(今のところ)。

 なお、勿論これは公式のアンケートでも何でもないただのお遊びなので(ハキハキと)、本当に好きな作品の連載を続けてほしい場合は、ちゃんと編集部にお手紙を出すとかした方が良いです。

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雷句誠先生の小学館提訴からもう7年 サンデー38号「読者の皆様へ」感想

このページ、少年誌の歴史に残るのでは
読者の皆様へ

 「サンデー 読者の皆様へ」でGoogle検索すると、いまだに2008年に雷句誠先生が原稿紛失で小学館を提訴した件がヒットするんですよね(挨拶)。

 サンデー38号に掲載されて各所で話題になった市原編集長への交代に伴って掲載された「読者の皆様へ」と銘打った声明文ですが、要約すると内容は

  • 今後は新人作家の育成に力を入れます
  • サンデーに掲載されるマンガは、新人ベテランひっくるめて全て編集長が独断で決定します
  • 言うこと聞かない編集者は容赦しないよ

 の三点になると思われます。
 この中で特に重要と思われるのは、「新人を積極的に登用します」の部分でしょう。この文章はタイトルこそ「読者の皆様へ」になっていますが、これから漫画家になろうとしてる新人に向けたアピールの側面がかなり強いのではないかと解釈しました。
 今のサンデーは「銀の匙」「マギ」を筆頭に、他所で活躍している作家を引っ張ってくる傾向が続いていたんですけど、今後はサンデー生え抜きの作家を重用して行くようにするし、編集者もちゃんと作家の面倒をみるので、漫画家志望の皆さんはぜひサンデーでマンガ描いてください! と訴えたいんじゃないかなーと思っています。

 ただ、新人を登用するにしても、ここ最近のサンデー編集部には、思い出せるだけでも雷句誠先生の一件を筆頭に、「東遊記」の酒井ようへい先生が編集者から罵倒されていた件とか、「ワイルドライフ」の藤崎聖人先生が小学館漫画賞を受賞した時に不自然なコメントを発表した件とか、その後「忘れたいくらいいい思い出のない作品だった」と日記で書いていた件とか、「アラタカンガタリ」のリマスター版制作の件とか、何かこう明らかに編集者と作家の関係が上手くいっていないことが原因と思われるトラブルが色々と起こっているのは、大きな問題です。
 当然これらは漫画家志望の方々にも広く知られている訳で、これらのネガティブな事件が新人作家を集める上で明確な障害になっていた可能性も高かったのではないかと思われます。わざわざ誌面を割いてまで「編集部は変わりました! もう大丈夫だよ! 今度はちゃんと仕事するよ!」とアピールするのは、そういった事情があるんじゃないのかと勘ぐってしまいました。

 ネットで皆さんが既に指摘していることではありますが、「読者の皆様へ」に列挙されている編集者の中に、雷句誠先生や藤崎聖人先生の時に名前が出てきた冠茂氏の名前がないのは、そういう意味において重要なポイントなのかも知れません。

 そしてサンデー38号の「読者の皆様へ」の掲載に先立ち、ナタリーに市原編集長のインタビュー記事が掲載されていました。
 個人的に気になったのは、この二つの部分です。

藤田和日郎先生、西森博之先生、久米田康治先生。この3名には一刻も早く帰ってきてほしいと思っています。

週刊少年サンデー特集、新編集長・市原武法インタビュー (1/3)

僕は週刊少年サンデーというのは“作品を作ることよりもマンガ家を作ることを得意とする雑誌”だと思っているので。一生マンガ家でいられるような、何本もヒット作を飛ばせるような才能のある作家さんを育てる雑誌だと。もう一度そういう個性派の才能集団に作り変えたいという思いが一番強いです。

週刊少年サンデー特集、新編集長・市原武法インタビュー (3/3)

 まず藤田・西森・久米田の各先生方が揃って活躍していたのは90年代の前半〜中盤頃だと記憶していますが、確かにあの頃はサンデーという雑誌にはまだ勢いがありました。小学館も90年代を「サンデーの黄金期」と称するサイトをわざわざ立ち上げていますし、サンデー自身がこの頃の栄光を取り戻したいと考えるのは自然なことだと思います。

 また、そもそもサンデーという雑誌の雰囲気として、かつては「編集部主導のマガジンや、アンケート重視のジャンプと比較すると、漫画家が自身の描きたいものを描ける風潮がある」という伝説がありました。自身が得意な描きたいテーマを持った個性的な作家が集まり、編集はそれに合わせて雑誌を作り、作家の個性をより伸ばしていく。その雰囲気に惹かれて、新人作家がサンデーでのデビューを目指して集まってくる。サンデーの黄金期と呼ばれていた時代は、そのサイクルが上手く行っていたのではないのでしょうか。
 「作品を作ることよりもマンガ家を作ることを得意とする雑誌」という市原氏の言葉は、そういったことが実際にできていた時代をイメージしているのではないか、と思いました。市原氏の考える「少年サンデー」は、個性的な作家を育てて作家性の強い作品がガンガン掲載される、かつての黄金時代のサンデーの姿があることは間違いありません。90年代の黄金期にサンデーで活躍していた作家の名前をあえて上げたのは、その象徴であると思います。

 しかしその一方で、それを実現するために、掲載される作品は全て編集長が独断で決定し、編集者はその方針に従ってもらうという、独裁的な手法を取ることも明言しています。編集部が強い権限を持ってマンガを作るやり方は、先程の「作家のサンデー」というイメージとは相容れないような気もしますが、まず「作家を育てることができる編集者がいる環境を作る」ところから始めないといけない状況な様なので、これは致し方ないことなのでしょう。
 サンデーをかつての「作家主体」の雑誌に戻すために、編集長があえて強権を奮わなければならないところに、今のサンデーという雑誌の苦境が現れているのかも知れません。

 もし本当に市原氏の言うように「2年以内にはかなり変わってくる。実際に秋口くらいからは完結する連載が多くなってくる」が実現するのであれば、サンデーという雑誌はこれからものすごい勢いで様変わりして行くと思います。
 我々読者としては、実際に掲載される新しい作品をちゃんと読んで、読者アンケートなりコミックスの購入なりの形でフィードバックを行いつつ、今後2年間でサンデーがどのような雑誌に化けていくのか見守っていきたいと思う次第です。

 雷句誠先生がサンデー編集部内の腐敗を訴えてから7年経った今、ついにサンデー自身がそこから立ち直る機会を得たのだ! と、今は思いたいですね。残された時間を考えても、浮上するならこれが最期のチャンスかも。いやマジで。

サンデー×マガジン50周年コラボ フィギュアセット 聖サンマガ学園 4時限目 氷室キヌ 単品

サンデー黄金の90年代を支えた立役者といえば、やっぱりおキヌちゃんっスよ(ファンサイト要素)


「編集人」の名前が前号から市原氏に変わっていたことに今気付きました。サンデー36+37号感想

BE BLUES!

 「私はサクラバのドリブルを推す
 今回は、龍が赤城中央の固いディフェンスを破って新必殺技のカットインからの同点ゴールを決めた、非常に爽快感のある展開でしたが、個人的にはむしろミルコ爺さんが桜庭推しを公言したところにグッと来ました。さすが桜庭の飼い主なだけあって、ここという時にはちゃんと桜庭の有用性を認めているんですね!
 でも、そのミルコも龍が個人の技能でゴールを決められるだけの実力を持てるようになっていたのは想定外だったのでしょう。かつてミルコが龍に対して提示した問題点を、彼がキチンと克服して来たことをガチレベルの実戦で示したんですから、ミルコの龍に対する評価も改まるはずです。

 となると、次は桜庭さんがミルコの前でいいとこ見せるターンになると思うんですけど、今もチームの応援を全然していない協調性のなさっぷりは相変わらずであり、もし仮に今後この試合で起用されて相応の活躍をしたとしても、「チームの得点を喜べない奴はダメだ」というミルコの評価は変わらない可能性が高いです。ミルコさんはこのマンガの中で将来男子サッカー日本代表監督になる人物なので(決めつけ)、今のうちにアピールしておくに越したことはないように思えるのですがどうか。

 でももし仲間の応援とかしたら、それはもう桜庭さんではない何かになってしまうからなあ。試合に出たくてギャンギャン吠えてコーメイに後ろから羽交い締めにされてこその桜庭さんですからね。難しいですねえ。

マギ

 秘密裏に結んだ相互防衛条約をタテに他国の内戦に介入する妙に現実的で生臭い展開と、エルダードラゴンレジェンドが出てきて世界の理を宇宙的なタイムスケールで話すファンタジーな展開が、ついに一つの物語として合流した感じがするお話でした。

 そしてその二つのスケールの異なる物語を一つに結び、本編の事実上のラスボスとして君臨しそうなのが、葉王覇王ことみんな大好きシンドバッドだったというのが、何か彼の器の広さを象徴している感じがします。「ダビデ」と共鳴して「神」の力を得て、世界を意のままに動かす力をシンドバッドが得たのは、ある意味彼に相応しい運命であったと言えるのかも知れません。
 ただ、彼が神の力に勝って、「ダビデ」ではなく本来の彼の意志で新しい世界を作れるようになれるかどうかはまだ判りませんが。

MAJOR 2nd

 全国の少年野球やってる子どもたちがみんな読んでる「MAJOR」で、ついに人妻の不倫現場が出てくるとは! 健全な野球少年達がNTRに目覚めてしまうよ!(曲解)

 というか寿也ってあんなに女性に対して紳士的なイケメンなのに、なぜ離婚しちゃったんでしょうか。奥さんの事情がちょっと複雑そうな感じなのでそれ絡みなのかもしれませんし、少年誌的に突っ込んではいけない裏話とかあるかもしれませんし、あるいはいまだに吾郎のことが忘れられないのかも知れません。
 吾郎のことが忘れられない寿也が吾郎の息子に野球を教えるとか、メタ的にはグッと来るシチュエーションですよね。とか煽ってみる(ひどい)。

 今回のエピソードで、このマンガにおける当面の目標が「大吾と光がバッテリーを組むこと」に設定されました。大吾の野球選手としての道はおそらくここから本格的に始まることになるのでしょうが、このマンガはあのMAJOR」なので、おそらく一筋縄ではいかないことは必至でしょう。
 高校生になった大吾が、高校野球で群馬代表となった光と甲子園でついに相まみえて対戦する的なシチュエーションは今から妄想するだけで滾るものがありますけど、その二人に待ち受けるのは、かつてふたりの父親が経験した大理不尽な運命の数々!(いきなり吾郎が高校やめて寿也とのバッテリーが解散するとか) っていうか、前触れなくいきなり光が引っ越すだけでも十分に理不尽な展開なんですけどね!
 父の屍やNTRを乗り越えて生き残って強くなれ大吾と光! 死んでもいないしNTRでもないけど!

トキワ来たれり!

 日本では古来より「失うことから全ては始まる」と申しますが(主に「シグルイ」で)、「トキワ来たれり!」では主人公のトキワが片腕と片足を失い、先のソーサリアンとの戦闘でトキワを守るために自爆したマキナのパーツを移植されて蘇生するという、これまでとは打って変わったシリアスな展開に突入しました。
 これまでのこのマンガは「肉体的には普通な気弱な男の子が、持ち前の機転を武器に超人的な能力を持った連中と一緒に戦う」物語だったと思うのですが、自身も超人的な能力を手に入れてしまった以上、このマンガは今後はこれまでとは全く違った展開にならざるを得ないでしょう。本当の「トキワ来たれり!」はここから始まると言えるのではないのでしょうか。

 そして個人的に「主人公が物語の序盤で身体を欠損してサイボーグ化して復活」というと、新井素子先生の「星へ行く船」シリーズを思い出してしまうですが、30年前の小説のことなんて誰にも判ってもらえないので終わり。

絶対可憐チルドレン

 一迅社から発売されている「Febri」30号に、椎名高志先生のインタビュー記事が掲載されています。椎名先生の原点とも言える幼少期のフィクションの原体験についてから、「絶対可憐チルドレン」の今後やその次の作品についても話題が及んでいるとても興味深い内容なので、椎名先生の作品のファンの方なら読んでおいて損はないと思われます。

 特に次回作については、「自分が得意とするパロディを活かせる方向性」を模索しているように思えました。今後の自身の作家としての方向性を含めて、色々考えている様です。
 椎名先生のTwitterの発言を読んでいると、次回作はもはやツンデレな飼い猫にベタボレしている中年のメタボ気味のおっさんが主人公の日常マンガしか描けないくらい枯れてるんじゃないかとか思っていたんですけど、全然そんなことなさそうなので安心しました(ひどい)。

 そして今号の「絶チル」ですが、インタビューでも語っていた『パロディが得意な椎名高志』をアピールするかのような、チルドレン達がどっかで見たような三悪トリオを相手に戦うという話でした。こうやって見ると、やっぱりタイムボカンシリーズの三悪トリオって、誰でも「見ただけで『ああ、あいつらだ!』って判る」という意味において偉大な存在なんだよなーと再認識させられます。
 あとこの人達、ちょっと「キャッツアイ」や「ハローキティ」の要素も入ってますよね。キティさんは寛大なお方なので、「外道キティ」とかいう形で名前や意匠を使われても、きっと許してくれると思います。多分。

 そしてパロディと言えば、ラストで子鹿さんが「となりのトトロ」の替え歌のようなものを歌った挙句に交通事故に巻き込まれてましたけど、事故に遭ったのは多分パロディの対象がジブリだったからに違いありません(真顔で)。
 子鹿さんは、隙あらばジブリアニメのパロを仕掛けてくるので元々著作権的に危うい存在だったんですが、TTPで著作権法における非親告罪化が囁かれるようになった昨今、今回の彼女の姿は日本の将来におけるパロディ文化に暗雲が立ち込めている象徴なのかも知れませんね。物言えば唇寒し秋の風。

 ウソです(おわり)。

Febri (フェブリ) Vol.30
Febri (フェブリ) Vol.30
posted with amazlet at 15.08.17
一迅社 (2015-08-10)

プリンセスプリキュア、毎回「みなみ様すてきー!」って叫びながら観てます


コミックマーケット88 椎名高志作品関連サークル

8/14 (金曜日)
8/15 (土曜日)
  • 西ち01a UNVER (アンディ×兵部)
  • 西ち01b mimosa (アンディ×兵部)
  • 西ち02a ランデヴー (アンディ×兵部)
  • 西ち02b LUNE (兵部中心)
  • 西ち03a Current (アンディ×兵部 小説)
  • 西ち04a binzoco (アンディ×兵部 小説)
  • 西ち04b AYASE (アンディ×兵部 小説)
  • 西ち05a 流星街 (アンディ×兵部 小説)
  • 西ち05b CheepChips (アンディ×兵部)
  • 西ち06a リルケ (アンディ×兵部)
  • 西ち06b Par Deux (アンディ×兵部)
  • 西ち07a クレイジーガーデン (アンディ×兵部)
  • 西ち07b 鏡茶屋 (アンディ×兵部)
  • 西ち08a eternal smile (真木×兵部)
  • 西ち08b かいむどう (アンディ×兵部、真木×兵部)
  • 西ち09a (真木×兵部中心)
  • 西ち09b 犬西 (真木×兵部)
  • 西ち10a 鈴鳴茶屋 (真木×兵部)
  • 西ち10b galaxy lover (真木×兵部 小説)
  • 西ち11a とまとジャム (真木中心)
  • 西ち11b Flowerspolka (兵部×アンディ 小説)
  • 西ち12a ezaki (兵部×アンディ 小説)
  • 西ち12b Secret Story (兵部×アンディ 小説)
  • 西ち13a GLASS (兵部×真木、兵部+パンドラ 三幹部)<\li>
  • 西ち13b 加速気味 (賢木×葉)
  • 西ち14a 染赤 (皆本×賢木)
  • 西ち14b ファルス (賢木受)
  • 西ち15a ジパング貿易 (影チル+賢木、子供キャラ中心)
  • 西ち15b メッサーK (葉×賢木)
  • 西ち16a crazy (兵部×皆本 小説)
  • 西ち16b BLACKOUT (兵部×皆本メイン)
  • 西ち17a Paraiso (賢木×皆本)
  • 西ち17b 風桜花 (皆本×薫 小説)
  • 西ち19b 白竜堂白亜店 (オールキャラギャグ)
  • 東Q49b 絶対主義 (真木×兵部、賢木×皆本あり?)
  • 東ポ29b Caramel Macchiato (アンディ×兵部あり?)