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コミュ症です。(挨拶) サンデー26号感想

肉球ステッキ
鬼ヲ辿リテ幾星霜

 新連載。作者の兎中信志先生は、かつて(今はなき)月刊少年ライバルで『弟キャッチャー俺ピッチャーで!』を連載していた経歴を持ちます。ライバルからサンデーに移籍って何か劇的(イメージ的に)。

 ストーリーは、明治時代を舞台に大陸から渡って来た妖怪と時空を超えたバトルを展開するダークファンタジーといった趣で、少年マンガとしては割とオーソドックスな作品という印象なのですが、主人公のアキ少年の使う武器が猫の手が先にくっついた肉球ステッキであるという点だけが異彩を放っています。
 猫のぷにぷにした肉球ステッキが伸びてカウンターパンチを食らわせて敵を倒すというビジュアルはある意味圧倒的で、これがやりたいがためにあえて主人公の武器を猫の手にしたのではと訝しんでいるところです。

 おそらく今後も、肉球ステッキのような奇妙なアイテムがいくつも出てくるんじゃないかと思われるので、今後も圧倒的なビジュアルの威力で「何故猫の肉球をわざわざ武器に?」的な無粋なツッコミを粉砕して頂きたいと思います。

古見さんはコミュ症です。

 早くも幼馴染属性の長名さんが登場。名前だけ見た時は「誰に対してもギャルゲーの幼馴染キャラ的な雰囲気で接してくる女子なんだろうか」と予想していたのですが、その実態は「過去に一度でも接触した人間全てを『幼馴染』にしてしまう、脅威のコミュ力を持ったコミュニケーションモンスター。しかも女装癖ありというか、そもそも性別が不明」という、こちらの想像の遥か上を行くおかしいキャラでした。
 ただ、あまりに幼馴染の定義が緩く友達が多いためか、後半ではその幼馴染属性っぷりに一方的に惚れてしまった面倒くさい元同級生に性的に襲いかかられる始末。これは交友関係をむやみに広く持ちすぎるがゆえのリスクだと言えます。長名さんは、おそらく古見さんとは違うタイプのコミュ障なのではないか? と思えてくるほどです。

 何にしろ、このマンガは(視点キャラの只野くん以外は)基本的に本来ならカウンセリングを必要とするレベルにキャラが立ってる変な人揃いである、という認識を新たにさせられました。エクストリームでいいと思います。

 長名さんと友達になれて嬉しがってジャンプした古見さんがカワイイですね(結論)。

なのは洋菓子店のいい仕事

 今回の「なの菓子」は、ついにセージが「菓子を作る側の人間」に回る覚悟を決めた回として記憶されることになるでしょう。

 これまでも、佐井の危機を菓子を作ることで救って「君は菓子を作る側の人間だ」的なことを言われたり、文化祭で廉価で美味いホットケーキを作ったり、「本当の菓子屋」であるしらかわの日常に触れて自分の店の菓子屋としての至らなさを知ったりと、彼が菓子職人へ進む道を示唆する描写はあったのですが、今回のエピソードによって、セージは「自分が一人で生きていくために菓子を自分で作らなければならない」という強い動機を手に入れ、ついに本格的に菓子職人となる決意を固めました。
 おそらく今回は、この作品における大きなターニングポイントとなったと思われます。

 そして、単なる「なのは洋菓子店の次男」に過ぎなかった彼が「なのは洋菓子店の菓子職人」と立場を変えることで、これからほの香達との人間関係も大きく変わっていくことでしょう。セージとほの香がこれから本当に恋人同士になってしまうのかどうかまではまだ不明ですが。
 ある意味、ここからが本当の洋菓子店マンガとしての「なの菓子」の始まりであると言えるのかも知れません。

 それにしても、最初のうちはパティスリーであるタイム自らが「ケーキは暴力」とか言って洋菓子好きを徹底的にディスる、「洋菓子店が舞台」という設定から想像されるハートフルストーリーのイメージを逆手に取って破壊しにかかるような内容だったこのマンガが、今では何かすっかりまっとうな洋菓子マンガになってしまいましたね。
 今となっては序盤のノリがちょっと懐かしいです。

初恋ゾンビ

 前回の感想の結論は「江火野さんには幸せになってもらいたい」でしたが、今回の感想もやっぱり「江火野さんには幸せになってもらいたい」と書かざるを得ません。昔のタロウがあそこまでボンクラじゃなかったらなあ。でも江火野さんはタロウには勿体無いくらいいい子だしなあ。

 以上です。

湯神くんには友達がいない

 湯神に「よくやった門田!」と褒められた門田君が健気で可愛かったです(間違った感想)。
 もちろんこのマンガは「湯神くん」なので、湯神の「よくやった」の本当の意味が最後で明らかになってガッカリするんですが、その辺も含めて門田君は可愛いです。

 明らかに湯神系の人間である面倒くさそうな新人の仁堂君も登場しましたし、野球部もこのマンガもまだまだ安泰だよなーと思いました。

絶対可憐チルドレン

 今は亡き皆本(注意:死んでません)の意志の元に、若き指揮官である松風とザ・チルドレン達が一つにまとまり、見事に「黒い幽霊」のエスパーの撃退に成功した! というカッコいい展開だった今回のお話なんですが、要所要所で微妙におかしい箇所があったため、全体的には微妙に面白おかしい雰囲気なバトルとなっていた感があります。
 まあ、タコの触手をイメージした半裸なボンテージファッションのフェティッシュな格好の敵を相手にガチでやられても困るので、これくらいのゆるい雰囲気の方が良いと思います。

 というか、ギリアムがトップに立ってからの新世代クローンのエスパーって、基本的に格好がみんなピチピチなボンテージが基調なような気がします。ギリアムの趣味なんでしょう(決めつけ)。

絶対可憐チルドレン(45) (少年サンデーコミックス)
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ギリアム程度のコミュ症なら「古見さん」の学校に行っても目立たなさそうな気がする


今のサンデーで一番カワイイのは指宿くんなのではと思える、サンデー25号くらいまでの「初恋ゾンビ」感想

初恋ゾンビ

 遅ればせながら、この前コミックス1巻を買いました。

 連載の方では指宿くんが回を追う毎にモリモリ可愛くなって来ていて微笑ましいんですけど、登場したての頃の指宿くんはタロウへの復讐に燃えていて態度や口調がえらい冷酷ですし、タロウはタロウで極力目立たずに要領よく日々を過ごすことだけを望む割とダメな男だったしと、今読み返すと「こいつら、この頃と比べると随分変わったなあ」と思えることしきりです。
 イヴの存在が、どれだけこの二人に強い影響を与えたかが伺えますね。

 「初恋ゾンビ」はそういったキャラの変遷も含めてたいへんに面白いので、みんなコミックスを買うが良いと思います(アフィリエイト活動)。

 そして物語的には、タロウへの恋心を取り戻して来ている指宿くんが、いつ「女」に戻ってタロウへ自分の想いを告白するのか(あるいはしないのか)? という辺りが長期的な視点における注目点になるのかなーという雰囲気になって来ました。
 指宿くんは、前回の話では(自分のことをイヴだと勘違いしていた)タロウから「キレイだ」と言われて著しく動揺してしまい、「自分がイヴじゃなくて指宿であることに気付いて欲しい」と自分から思ってしまう程にタロウのことを強く意識してしまっており、多分もう彼女は自分が初恋の相手であるタロウのことが好きだということを自覚せざるを得ない感じになっているものと思われます。

 しかし、彼女が今もって男でも女でもない「指宿くん」を演じている理由は、単に自分がタロウのせいで「初恋ゾンビ」という特殊な精神感応能力を得てしまったために普通の日常生活を送れなくなった恨みがあるというだけではなく、その精神感応能力によって(タロウを含めた)世の男女が様々な薄汚い欲望を抱えていることを知ってしまい、自分はそういうものにはなりたくないと拒否する心理が強力に働いてしまったがために、結果的に人間不信に陥っている面も多分にあることは間違いありません。
 かつての初恋の相手だったタロウが、自分とそっくりだけど本当の自分とは比べ物にならないくらいおっぱいが大きい「初恋ゾンビ」を連れて嬉しそうにしているのを見れば、まあウンザリしてしまうのも判ります。

 これが「絶対可憐チルドレン」だったら、登場する精神感応能力者たちは既に『人間はみんな汚いよ。汚い女よりも汚い男の方がイイ』とか割り切ることで葛藤を乗り越える覚悟を完了した猛者ばかりなので問題にならないのですが、残念ながら指宿くんはまだ「絶チル」のキャラ達のように汚れてはいないので、まだまだ彼女の葛藤は続くことが予想されます。
 指宿くんがタロウに自分の正体を明かして「女」に戻るためには、彼女が抱えている葛藤にタロウが気付いて解決してやる必要がありますし、指宿くんもタロウのことをイヴの存在を含めて認めて許してあげる必要があるものと思われます。難しいですね。

 あと、このマンガ最大の謎として、本来ならタロウの「理想の初恋の女性」の妄想に過ぎないはずのイヴに明らかな自我が宿り始めている点があるのですが、イヴが自我を持つのと指宿くんがタロウのことを意識するのには、多分何か関連があるのではないか? という気がしています。気がするだけだけど。

 以上の考察を踏まえた上での今のところの結論としては、江火野さんには幸せになってもらいたいです(おわり)。

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前作「ヒメゴト」は、一気に読むのがもったいないのでゆっくり読んでます。今3巻目


コミュ症だって恋がしたい! サンデー25号「古見さんは、コミュ症です。」感想

古見さんは、コミュ症です。

 かつてサンデーにおいて、「一番湯のカナタ」以来となる『異星人が地球の温泉にやって来る』系SFコメディに果敢に挑んだことで個人的には評価が高い『デジコン』の作者・小田智仁先生が(オダトモヒト名義で)再登場。
 「古見さんは、コミュ症です。」は、以前掲載された読み切りバージョンをリブートする形で再登場することになった模様です。

 読み切り版の時は、作品世界はほぼ完全に主人公と「コミュ症の古見さん」が一対一で対峙する形で完結していましたが、今回は連載版ということで「上がり症の上野(あがり)さん」「ナルシストの成瀬くん」「幼馴染キャラっぽい長名(おさな)さん」「中二病患者の中々さん」「精神を病んでる山井さん」など、学園内に様々な個性的かつ安直なネーミングなキャラが登場することが既に予告されています。

 第一話では「上がり症」の上野さんがちょっとだけ出てきましたけど、彼女も古見さんに負けず劣らず、何というかこうもし彼女が実社会に存在したら三分くらいで世間のプレッシャーに負けて死んでしまいそうな感じのナイーブそうなキャラという印象を持ちました。自己紹介で全く喋れなかった古見さんも大概でしたが、上野さんも大概っぷりでは負けていなさそう。
 つまりこの学園は、あまりに個性的かつピーキーな性格を持つが故に、ごく普通の社会生活を送ることができなさそうなキャラばかりが集っていることが予想されます。

 そして、そんな過酷な猛者共が集う学園に放り込まれた主人公のマスターオブ凡人キャラであるところの只野くんは、「晴れて『友達』となったコミュ症の古見さんの願いである『友達を100人作りたい』を実現するため、相互意志の疎通すら困難を極めそうな学園の生徒達とコミュニケーションを取り、コミュ症の古見さんとの関係の構築を仲介しなければならない」という、かなり難易度の高そうなミッションに挑むことを余儀なくされることになった訳です。

 今回の第一話は、クライマックスにおける古見さんと只野くんの黒板での筆談の内容があまりに美しく感動的だったためか、この作品は「一風変わった感性を持った少年少女達が織りなす、ハートフルな恋愛ストーリー」であると認識している方が多いと思われますが、しかし作者のオダトモヒト先生は前作「デジコン」では惑星上の知的生命体を滅ぼすことを全く躊躇しない極悪な宇宙人達が地球で激しい戦闘を繰り広げ、ヒロインですら頭から血を流して死にかけるようなハードな展開を手がけていたことを考えると、ゆめゆめ油断はできないと考えるべきでしょう。
 「コミュ症」という、本来であれば精神的なケアが必要とされる障害を指すような言葉がカジュアルに使われているハードな現代社会において、理想的なコミュニケーションのあり方とそれを実現するための難しさを、如何にマンガを通じて見せてくれるのか。個人的にはその辺に期待していきたいと思います(大げさな感想)。

 なお、第一話の古見さんと只野くんの黒板での筆談ですが、サンデーの印刷具合によっては文字が潰れてしまって読めない場合があるとの話を聞きました(オダトモヒト先生のTwitter経由で)。できれば、クラブサンデーで第一話の電子版を掲載するなどの救済措置を取って欲しいですね。

デジコン(2) (少年サンデーコミックス)
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「古見さん」にも「デジコン」のヒロインのような硬派な女子キャラが出てくるっぽいので期待してます


自分も寝る以外することがないとか言いたい サンデー24号「魔王城でおやすみ」感想

彼女の将来を期待させるカット
魔王城でおやすみ

 新連載。魔王の城に囚われの身となっているお姫様が、ただ寝る以外することがないので、せめて安眠を求めて魔王城の中を徘徊してアイテムを取得しつ就寝グッズをDIYしていく趣向の作品です。

 主人公のスヤリス姫は、見た目のみならず「己の睡眠欲のためなら魔物の殺害も躊躇しない」というちょっとわがままな性格も含めて大変に可愛らしいキャラであり、魔物も「でびあくま」を筆頭に可愛げがあるデザインのものが多いので、「ちょっと変わったファンタジー風コメディ」として人気が出そうだなーというのが第一印象です。

 ただ、このマンガの作者の熊之股鍵次先生は、かつてサンデーSにおいて『「クマのぬいぐるみ」を自称する全裸の男性が、主人公の高校生男子にモフられたい一心で彼の家に勝手に乗り込み、一つ屋根の下でひたすら彼に迫り来る毎日を送る』という、控えめに考えても頭がおかしい(褒め言葉)内容の「ぬいぐるみクラッシュ」を連載していた実績があるので、決して油断はできません。
 ですので、今のところはかわいくライトなコメディにしか見えない「魔王城でおやすみ」も、おそらく連載が続いていくうちに色々とおかしくなって行くことが予想されます。楽しみです

ぬいぐるみクラッシュ(1) (少年サンデーコミックス)
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登場人物は全て男かぬいぐるみという漢らしいマンガです(本当)


耐えろ新兵物語 サンデー22+23号「あおざくら」感想

あおざくら 防衛大学校物語

 「ヘブンズランナーアキラ」の二階堂ヒカル先生が、早くもサンデー本誌に復帰。
 高校の陸上界を舞台に不死の怪人が跋扈した前作(語弊)とは全くジャンルが異なる、防衛大学校を舞台にしたマンガで再登場することになりました。

 第一話は主人公である近藤君の境遇と人となりの紹介がメインでしたが、とりあえず勉学に自主的に励める真面目な性格であること、実家があまり裕福ではないこと、そしてとことん金にこだわるガメつい性格であることは判りました。
 実家が貧乏で金目当てでその業界に入ることを志したという意味では「競女!」の主人公と似てますね。そのうちこのマンガも「競女!」のような能力バトルに移行して、近藤君が旋風尻で自衛隊の地獄の教練をクリアしていくとかいう展開に(なりません)。

 あと近藤君には幼なじみの彼女である常ちゃんがいましたけど、現代の日本が舞台で自衛隊がテーマという作品からして、おそらく彼女は物語のクライマックス辺りで自衛隊が出動せざるを得ないレベルのカタストロフィな災害に住んでいる町ごと巻き込まれることは必死の様相なので、彼女は今のうちにイザという時の避難準備をしておいた方が良いと思いました。

 なお、自分の実家は自営隊の基地が比較的近いところにあり、日常的に自衛官を街で見かけるような環境だったこともあってか、小中学校の同級生が何人か自衛隊に入ったんですが、彼らは何故か休暇になるとD&Dの赤箱を携えて帰って来て友人集めてテーブルトークRPGを始めたり、知らない間に「信長の野望」のプレイングに精通していたり、休暇の度に高価なAV機器を購入して悦に浸ったりといった行動にほぼ例外なく走り出していたので、自衛隊という環境にはそういうのに目覚める何かがあるのかも知れないと思ってます。
 あと、昔は自衛隊に入った経歴を持っていると退役後の再就職の時に有利と聞いたことがありますが、今その辺どうなんでしょう(フォロー)。

ヘブンズランナー アキラ 7 (少年サンデーコミックス)
二階堂 ヒカル
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「アキラ」はホントに大好きなマンガでした


アニメ版「GS美神」ブルーレイ発売決定記念 サンデー21号感想

ガード不能攻撃
双亡亭壊すべし

 先週の話になりますが、紅さんが清一に対して空中ダッシュで飛び込んで両手でドスを首筋と胸元に全力で刺すという、誠一に対して明確な殺意しか感じない無慈悲な必殺技にグッと来ました。ここでいう必殺技は、文字通りの人を確実に殺すための技です。
 殺意を抱えてドス持って突撃する女学生とか、もう最高じゃないですか。最高ですよね?(感想)

 あと、彼女はカラーページで乳首を晒したのにも関わらず、空中ダッシュ中はスカートが一切捲れずパンツが見えないようになっていたのにもグッと来ました。ここぞというところで乳首は晒しても戦闘時にはあえてパンツは見せないところが、藤田先生の奥ゆかしさなんでしょう。多分。

 物語としては、双亡亭に対する殺意の波動に目覚めた紅の弟の緑郎くんが、このまま清一と共に鬼と化すのか、それともその前に務と紅が彼を人間の領域に押しとどめられるのか、まずはその辺が見どころになって来たと理解しています。
 ただ、弟のためなら殺意を持ってドスを振り回す紅が既にかなりアレな感じなので、緑郎が人間性を維持できるかどうかは務の活躍にかかって来ていると思われますが。

MAJOR 2nd

 腰の持病を抱えながらも、緩急を交えたピッチングで対戦相手を封じ込めてきた玉城が、ここぞという時に温存していた「勝負の切り札」の超速球を、野球の才能あふれる光が難なく打ち返してホームランにしてしまった回。

 「MAJOR 2nd」は主人公の大吾が野球の才能に恵まれていないこともあってか、「理論に裏付けられた練習を続けることで技術が向上し、野球が楽しくなっていく」堅実な路線が基調だったと思っているんですけど、スポーツは練習を続ける努力も大事だけどやっぱり才能が必要なんだよ! ということなんでしょうか。残酷だけどこれって事実なのよねー(知ったふうな顔で)

BE BLUES!

 日本語がネイティブではない外国人監督の言葉を選手に伝える通訳の重要性については語るまでもありませんが、今回は藍子がミルコの専属通訳として更なる覚醒を遂げた回となりました。

 強固なチームワークと忍耐力を擁する対戦相手を下してこの試合に勝つためには、何よりも勝利への執念が絶対に必要だというミルコのメッセージを、藍子は自ら水をぶっかけてびしょ濡れになりつつ「絶対譲らない気持ち!見せて下さい!」と叫ぶことで表現。武蒼の選手達の士気を「何だかよくわからないけど、藍子がここまでやるんだからやるしかない」という感じで高めることに成功しました。

 通訳とは、単に言葉を翻訳するだけという訳ではなく、言葉の持つ意味や意志を明確に相手に伝える表現行為であり、スポーツにおいては特にそれが重要であるということを、今回のエピソードを通じて藍子は学ぶことができたのではないかと思います。
 藍子が水を被ったのは、単なる濡れ透けフェチな読者に対するサービスであるというだけではないんですよね。サービスの意味も多分似合ったとは思いますが。

 あと、最後に「オトコをみせろ〜!」と藍子に叫ばせたところについては、「男は女に励まされると嬉しがるものだ」というミルコのおっさんの実にオッサン臭い持論のセンスが多分に出ていたと思われます。オッサン…。

湯神くんには友達がいない

 (一応)主人公である湯神が、(一応)本編のヒロインであるちひろに林山からのラブレターを渡すという、高校生が主人公の普通の学園マンガだったら劇的なドラマの一つも起こりそうな展開だったんですけど、結局は何一つ人間関係が発展せず、ちひろや林山に混乱を起こしたまま終了してしまいました。
 ホントにこのマンガは、普通のラブコメみたいな展開には絶対なりませんね(褒めてます)。

 常に自分の平安を守るために行動し、結果的にあらゆる物事を荒立ててしまう、湯神くんのキャラクター性の面白さが遺憾なく発揮された回だったあったと思います。やっぱりこのマンガ面白いです。

絶対可憐チルドレン

アニメ版「GS美神」のブルーレイが8月に発売されるというニュースがサンデーに載っていて驚きました。更に、それと同時に、文庫版のコミックスもリリースされるとのこと。
 個人的には、「GS美神」のメディア展開はパチンコを最期に終了したものと思い込んでいたので、このリブート展開にはちょっと衝撃を受けました。一体何故今「GS美神」なのか。更なる新展開はありえるのか。ちょっとだけ期待して待ちたいと思います。

 本編の方は、ギリアムの相変わらずの卑屈っぷりを披露してました。ギリアムは立場的にはエスパーを非合法な軍事兵器として扱う「黒い幽霊」のトップなんですが、今の彼は父親のような非合法ビジネスにはそれほど興味はなく、ただ自分の卑屈な憎悪を世界に撒き散らしてみんな不幸になればいいとか、そういう非常に中二病的な欲望を満たすことだけを考えているように思えます。

 そんなギリアムを根本的にどうにかするには彼の不幸な生い立ちによって生じたコンプレックスを何とかしないといけない訳なのですが、ギリアムは悠理における薫のような「この人と友達になりたい」と思えるような存在が皆無である以上、現状は何ともしようがありません。
 高校生編は「絶チル」最終章と明言されている以上、最終的にギリアムに対しても決着を付けるものと思われますが、最終的に彼はどんな運命を辿るのでしょう。

 ただ、ギリアムは兵部に対しては異常とも言えるくらいの執着を示しているので、以前サプリメントに出てきたショタ兵部ロボをギリアムに差し向けて健気な姿を見せることで、彼に敵愾心以外の感情、具体的には萌えを芽生えさせることは不可能ではないのではないかと思うのですが、その辺どうでしょう(妄想)。

姉ログ

 最終回。モヤ姉が弟の輝にベタ惚れしているのは明らかなので、最期くらいは彼女が自分の弟に対する本当の感情を自覚するのではないかと思っていたんですが、結局そういうことはありませんでした。
 でもまあ、最終的にはこの二人は絶対に結婚まで行きますよね。周囲も素直に祝福しそうですし。こういう幸せのカタチもあっていいのかも知れません。多分。

 作者の田口ケンジ先生はデビュー当時から年上女子路線を堅持してきた方ですので、今後もその路線を徹底させるつもりなのでしょうか。次回作に期待したいです。

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「GS美神」のBDにAmazon限定版があるということは、他の店舗でもそれぞれ違う特典があったりするんでしょうか


kindle版コミックス1巻購入記念 サンデー20号「天野めぐみはスキだらけ!」感想

天野めぐみはスキだらけ!

 コミックス1巻読みました。コミックスには週刊連載が始まる前にサンデーSで連載されていたエピソードも載っているので、週刊の方で初めてこのマンガの存在を知って気に入った方は、割と必読かと思います。
 個人的な感覚では、週刊連載になってからは、受験勉強に固執する学の性格やめぐみのボケっぷりがいくらかはマイルドになったかな、という気がしますね。あれでも

 このマンガ、現段階での最終的な到着点は、おそらく学が「東大へ行って憧れの女子の美川さんに逢う」という到達不可能な夢に固執さえしなければ、(ムチムチした幼なじみの形をしている)幸せの青い鳥はずっと直ぐ側にいたことに気付くという形になると思うんですが、今の調子だと学がその領域にまで到達して悟りを得るのはまだ当分先になりそうな感じがします。

 何にしろ、個人的にはこのマンガは「ありがとうございます…! 本当にありがとうございます…!」と心の中で大感謝しながら読んでいるので、願わくばこの状態がずっと続けば良いなと思ってます。
 特に今週は、「めぐみが銭湯でおばちゃん達に撫でられたり揉まれたりする様を学が妄想するだけ」という、これまでのエピソードと比較してもかなり感謝が捗る話でしたね。いいと思います。

 なお、風呂あがりに水分を沢山取っても最終的にはそのまま汗や尿として排出されるので、体重の増減には影響されないので心配ありません(マジレス)。

天野めぐみはスキだらけ! 1 (少年サンデーコミックス)
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先月発売されたリアル書籍版は、描きおろしペーパーがもらえたんですよねー


ビキニで蹲踞記念 サンデー19号感想

双亡亭壊すべし

 前回、巻頭カラーで乳首券を発行してまで全裸を晒すという大技を披露していた、本作のメインヒロイン(あるいはヒーロー)となるであろう柘植紅が本格参戦した回。

 彼女、初回から何かものすごく曰く有りげな描写をされているので、さぞやものすごい能力の持ち主なのではと思わせておきながら、その実態は生き別れの弟のことが大好きなブラコン女子であり、かつ都会慣れしてなくて地下鉄で迷って泣く系のちょっとドジっ子女子でした。都会に不慣れなのに弟が心配な一心で上京してくる健気さにグッと来ます。

 サンデーにおける弟大好き女子といえばもちろん「姉ログ」のモヤ姉なのですが、「姉ログ」の連載はまもなく終了するので、サンデーにおける筆頭ブラコンの座は柘植紅さんが譲り受けること確実な状況です(「双亡亭」はそういうマンガではないことは認識しています)。

 しかし、彼女が大好きな弟の緑郎くんは、父をショッキングな形で失ったトラウマによって既に双亡亭を積極的に壊していきたい殺意の波動に目覚めており、同じく双亡亭を壊したい系男子であり腕がドリルになる系男子でもある清一と、意気投合してしまっている様子。
 果たして彼女は、弟をドリルから身も心も取り戻すことができるのか。その辺が次回の見どころかも知れません(「双亡亭」はそういうマンガではないことは認識しています)。

だがしかし

 アニメにも登場した、お好み焼き屋の玉井たまこが本編に再登場。
 彼女とココノツ父が一緒にいると、そういうマンガじゃないのは判っているのですが、何かすごいいけない大人の関係な雰囲気がすごい醸されてる気がしてドキドキしてしまいます。この二人の「酒が飲みたくなる」は何かエロいことの暗喩なのではないかと思ってしまう程です。

 ベビースターのぐるぐるもんじゃは、たまに食べると美味いと思います(感想)。

柊様は自分を探している。

 このマンガ、最初のうちは「道士郎でござる」のような、一本筋が通った傾奇者が周囲の人達を爽やかに変えていく系統の話かと思っていたのですが、何か実は彼女の正体は人から生命力を奪うことで永遠の命を得られる人智を超えた不老不死の超生命体であり、彼女と同じような別の超生命体からちょっかいを出されているかのような描写がなされ始めているのが気になります。

 もしかしてこのマンガ、実は超人たちが跋扈する異能バトルな世界が舞台だったのでしょうか。それとも、柊様が人間じゃないということは、いわゆる「空から降ってきた人間じゃない女の子さいこう!」的なラブコメが展開される可能性もあるということでしょうか。油断できなくなってきました。

天野めぐみはスキだらけ!

 ビキニ姿の剣道少女に蹲踞の姿勢をさせるのって、ものすごい大発明なのではないかと思いました。
 ありがとうございます。

初恋ゾンビ

 回を追う毎に指宿くん(ヒント:本当は女)がどんどん可愛くなっていくことで有名な「初恋ゾンビ」ですが、今回は「自分をモデルにして作られたタロウにとっての理想の女性であるイヴが『タロウがワタシの方が可愛いって言ってくれた』と言っているのを聞いただけで赤面してしまう」という一面を見せてくれました。
 その後の様子からも、間接的ながらもタロウに可愛いと言われたから自分が赤面してしまったことを明らかに自覚していることが伺えます(一生懸命その感情を否定してるけど)。

 この調子で自分がまだタロウのことが好きなことを自覚してモリモリ可愛くなって行って欲しいところではありますが、でも今の指宿くんはこれまでの人生におけるつらい経験を経て「指宿くん」という男性のペルソナをアイデンティティにするに至った経緯も持っている訳で、そう簡単には彼が己のペルソナをかなぐり捨ててタロウへの愛を語るようなことにはならないのではと思われます。
 タロウの理想であるイヴと、イヴのようには絶対なれない現実の自分との違いに対して、どう折り合いを付けていくのか。その辺がこのマンガのもう一つのテーマなのではないのでしょうか。

 それはともかく、今のエピソードのメインキャラクターである姫夏利っておっぱい大きいですよねえ。
 おっぱい大きい幼なじみなんて最高なはずなのに、透くんたらどうしちゃったんでしょうねえ(頭悪い感想)。

絶対可憐チルドレン

 谷崎主任が久しぶりに登場。色々な意味で相変わらずで何よりですし、何より「左遷先の勤務地に先に着任していた」といく役割にこれほど馴染むキャラは他にいません(断言)。

 あとちょっと意外だったのは、結局ナオミちゃんも大学時代で彼氏の一人もできなかったことですね。あれだけモテそうなのに意外です。谷崎主任に仕込まれた完璧な礼儀作法と、これも谷崎主任によって形成されたサディスト的な性格と相まって、逆に近寄りがたい雰囲気を醸しだしてしまったのかも知れません。
 それより何より、彼女が画策した谷崎主任のモホーツク送りは、何か客観的に見ると高度な放置プレイの一環のようにしか見えないのも問題です。何かこう理想的なSMの関係じゃないですか君たち。

 これだと、ますます谷崎主任と結婚するしか道がないのではと思ってしまいます。
 頑張れナオミちゃん。もう手遅れかも知れないけど。

読み切り:アルタイルの懺悔

 かつて「ファンタジスタステラ」において、ラブコメシーンをものすごく恥ずかしそうに描いていたあの草場先生が、こんなピュアなラブロマンスを描けるようになっただたんてスゴイ! と思いました。いやマジで。

 お話としては、「天体観測が大好き」という確固たる自我を貫き通した主人公の舟が、LINEに象徴される下世話な人間関係に迷った幼なじみのヒロインの渚を救うという美しい話でしたが、個人的には主人公の友人というか、「ノゾキが趣味」という下世話な塊のファッティなメガネ男子が良かったです。彼こそが本当の人間ですよ! 人はみんな舟君のように清く正しく真っ直ぐな生き方に憧れるけど、でも結局はあのメガネデブのように醜く欲望に負けて生きるしかないんですよ!(「アルタイルの懺悔」はそういうマンガではないことは承知しています)

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ともあれ、双亡亭は滅ぶべきであると考える次第である。(カト・ケンソリウス) サンデー18号感想

双亡亭壊すべし

 藤田和日郎先生新連載。物語としてはまだ始まったばかりで、登場人物達の素性にしろ舞台となる「双亡亭」そのものにしろまだ未知の部分が多いのですが、とにかく(主人公格の凧葉務を除いて)ほとんどの登場人物がことごとく双亡亭を壊していきたい意志に溢れていることだけは判りました。

 あと、第一話でネコ好きの緑郎少年が血涙を流して発狂して笑い出すシーンは確実にトラウマレベルの怖さであり、かつて『吠えろペン』で富士鷹ジュビロが語った「世界中の子供たちに愛と勇気をね! 与えてあげる前提で、まず怖がらせるだけ怖がらせてあげちゃうよーん!」という例のセンスは未だ健在であることも把握できました。それでこそ藤田和日郎先生のマンガです。藤田先生がサンデーに帰って来たって実感が湧いて来ますね!

なのは洋菓子店のいい仕事

 ほの香が傷心のセージを部屋に連れ込む展開になった時はどうなることかと思いましたが(性的な意味で)、しらかわの店内で本当の菓子店の仕事を目の当たりにしたセージが菓子職人としてのやる気を覚醒させるという、いたって健全な方向に話が流れる形になりました。

 ちょっと前には、言葉がなのは洋菓子店の先々代のマニュアルを読んで感心するエピソードがありましたけど、彼女の店員としての手腕の高さと実家の財力、そしてセージの菓子職人としてのやる気が合わされば、案外なのは洋菓子店はマトモなお菓子屋として立ち直れる未来が見えてきたような気がします。
 なので、店を復活させたいのであれば、セージは言葉と結婚してタイムから店を乗っ取ればいいのでは? という結論になりそうなのですが、その辺どうなのでしょうか(と言われても)。

BE BLUES!

 「今の武蒼はオレとお前のチームだ

 コーメイがここに来て「龍はオレのものだ」宣言を!
 友坂と龍の間にフラグが立ちそうなことを察知したコーメイが、ここに来て積極的にアプローチを仕掛けてきましたよ! 武蒼と大浦南との対戦はお互いに強いところを見せる形で盛り上がって来ましたが、龍を巡るコーメイと友坂の攻防戦も白熱してきましたね!(煽り)

 まあ普通に少年マンガ的な文脈で考えたら、コーメイの独善的な主張はいつか失敗するフラグそのものなんですけどねー

だがしかし

 アニメの放送が終わってしまいました。アニメ版は期待以上に面白かったので概ね満足していますが、キャベツ太郎さんに声が付かなかったことだけは残念です。
 もし2期があるなら、ぜひコミックス2巻に収録されているキャベツ太郎エピソードをアニメ化して欲しいところです。マジで。

 連載の方は、ほたるさんは全裸になっても相変わらず全く恥じらいがないので、あんな体つきなのに全くエロさが醸しだされないのがやっぱりスゴイなと思いました。エロさという面では、逆にココノツが入浴しているところに顔を出しているシーンの表情の方がエロいのではと思います。こういうタイプの魔性の女ってのもあるんでしょうか(魔性?)。

天野めぐみはスキだらけ!

 本当にありがとうございます。(感想)

絶対可憐チルドレン

 真木の縦ロールな髪型は似合っている上に機能面でも優秀なので、秘密奥義と言わずもっと積極的に縦ロールになっていくべきでは? と思いました。そしてパンドラのみんなに笑われるがいいと思います(ひどい)。

 物語の方は、何かすっかり「黒い幽霊」にヤラれてしまっているらしい不二子が悪い方向に大活躍した結果、色々と状況が悪くなって来ていて大変なことになってしまっていますけど、それはそれとして真木とタイマンでサイキックバトルをして簡単にねじ伏せたり、己の権限を利用してあっさりバベル内で独裁体制を作ってしまう辺りは、彼女の有能さが遺憾なく発揮されているなーと思いました。ここまで彼女が有能そうに描写されるの、実は結構珍しいのではないのでしょうか。

 不二子は、これまではどちらかといえば「ホントはすごい人だけど色々と残念」な系統のキャラとして描かれていた印象が強いのですが、自分の力を自由に発揮させている彼女は、ある意味とても楽しそうに見えます。戦後は一貫してエスパーの保護と社会的地位の向上に影の存在として務めてきた彼女ですけど、本当はこういう羽の伸ばし方もしてみたかったのかも知れませんねー


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傑作と名高い「黒博物館」シリーズ。読みたい


第一回・大改革を生き残りそうな連載作品予想アンケート結果発表

 サンデー17号より藤田和日郎先生の新連載「双亡亭壊すべし」が始まりましたが、これによって以前新編集長の市原氏がナタリーのインタビューで公言していた「藤田和日郎先生、西森博之先生、久米田康治先生。この3名には一刻も早く帰ってきてほしいと思っています」が本当に実現したことになりました(久米田先生は読み切りだったけど)。
 西森・藤田両先生が復帰したことで、昨年の夏から始まったサンデーの「大改革」は一応最初の区切りは付いたとみて良いのではないのでしょうか。

 当サイトでは、サンデー大改革が始まった昨年の8月に「週刊少年サンデー大改革開始記念・大改革を生き残りそうな連載作品予想アンケート」を実施していました(やった理由:面白そうだったので)。
 とりあえず紙面改変の区切りが付いたということで、アンケートの結果を公表しつつ、実際どのくらいの連載作品が入れ替わったのかを振り返ってみたいと思います。

質問:サンデーは今後大幅な連載作品や作家の交代を含む大改革が予告されていますが、現在連載されている作品の中で、その改革を生き残って半年以上は連載が続きそうとあなたが考えている作品、あるいは単にあなたが連載が終わって欲しくないと想っている作品はどれでしょうか?

タイトル 投票数 結果
BE BLUES!~青になれ~ 51
だがしかし 50
絶対可憐チルドレン 49
BIRDMEN 40
なのは洋菓子店のいい仕事 29
銀の匙 Silver Spoon 27 ○(不定期連載)
湯神くんには友達がいない 22
サイケまたしても 21
境界のRINNE 19
名探偵コナン 18
マギ 16
MAJOR 2nd 15
競女!!!!!!!! 14
ハヤテのごとく! 14
姉ログ 13
トキワ来たれり!! 13
常住戦陣!!ムシブギョー 11
ヘブンズランナーアキラ 11 ×
リオンさん、迷惑です。 11 ×
天使とアクト!! 9
アラタカンガタリ~革神語~ 8 ○(不定期連載)
tutti! 8 ×
アンペア 7 ×
今際の国のアリス 7 ×
まじっく快斗 7 ○(不定期連載)
おいしい神しゃま 6 ×
キャラクタイムズゴールデン 6
闘獣士 6 △(サンデーSに移籍)
レタス2個分のステキ 6 ×
AREA D 異能領域 5 ×
さえずり高校OK部! 5 ×
戦争劇場 5 ×
電波教師 5

 実際には、これに(アンケート開始時には既に終了が決まっていた)「ドリー・マー」、サンデーSに移転した「闘獣士」、およびアンケート実施後に連載が始まり今週号で連載が終了した「ニッペン!」が加わるので、この期間に終了した作品は13件です。サンデーの通常の掲載枠は22~24作品なので、約半数の作品が七ヶ月で入れ替わったことになります。

 七ヶ月で13作品が終了というのは他の週刊少年マンガ誌と比べて多いのかどうか? という点についてですが、昨年の週刊少年ジャンプで終了した作品数を数えたところ12件だったので(参照)、少なくともあのジャンプをも上回るハイペースな勢いで掲載作品が入れ替わっているといえます。
 これは、これまでのサンデーではちょっと考えられないスピードであり、サンデーの大改革は本当に行われているのだ、ということがお分かり頂けるのではないかと思います。

 終了した作品は、円満に終了したと思われるものに加え、かつて「マギ」「銀の匙」がヒットしてから顕著だった外部からの作家の招聘方針の見直しによると見られるもの(「おいしい神しゃま」「ヘブンズランナーアキラ」「レタス2個分のステキ」など)が見られるのが特徴でしょう。特に「ヘブンズランナーアキラ」は、個人的にはおそらく編集長が変わらなければまだ連載が続いていたのではと思っています(=連載が終わってしまって個人的には残念という意味)。
 また、いわゆる不人気による連載打ち切りと思われるものにしても、これまでと比べると条件がかなり厳しくなって来ている感があります。こちらも、個人的には「tutti!」「戦争劇場」などは、多分昔のサンデーだったらまだ連載が続いていたのでは? という感覚があります(=連載が終わってしまって個人的には残念という意味)。
 新編集長下になってから連載が始まり、そして終わってしまった「ニッペン!」の連載期間の短さを考えると、よく言われていた「サンデーは最低でもコミックス3巻分は連載を続ける」という伝説はもう今の編集部下においては通用しなくなっていると考えるべきなのでしょう。

 そして最大の問題である「それでサンデーは前よりも面白くなったのか?」という点については、まあ面白さというのは主観的なものなので断言することはできませんが(予防線)、少なくとも今は「何故このマンガがサンデーに載っているんだ?」と思ってしまう作品が載っていないくらいには面白くなっていると思ってます。まあ、前はそういうマンガもあったということなのですが(ドクロ)。
 また新人作家の読み切りが掲載される機会も従来に比べてかなり増えていますし、「サンデーは新人作家の育成を絶対的な使命とする」という方針はまだ堅持されていると見てよいでしょう。

 市原編集長はナタリーのインタビューで「2年以内にはかなり変わってくると思います」と言っていますし、サンデーの大改革はこれからも続いていくのでしょう。これからどのような作家が育成され、どんな作品が掲載されてどうサンデーが変わっていくのか、楽しみに待ちたいと思います。

 そして、改めて投票にご協力下さった皆さま、ありがとうございました。