サンデー一覧

雷句誠先生の小学館提訴からもう7年 サンデー38号「読者の皆様へ」感想

このページ、少年誌の歴史に残るのでは
読者の皆様へ

 「サンデー 読者の皆様へ」でGoogle検索すると、いまだに2008年に雷句誠先生が原稿紛失で小学館を提訴した件がヒットするんですよね(挨拶)。

 サンデー38号に掲載されて各所で話題になった市原編集長への交代に伴って掲載された「読者の皆様へ」と銘打った声明文ですが、要約すると内容は

  • 今後は新人作家の育成に力を入れます
  • サンデーに掲載されるマンガは、新人ベテランひっくるめて全て編集長が独断で決定します
  • 言うこと聞かない編集者は容赦しないよ

 の三点になると思われます。
 この中で特に重要と思われるのは、「新人を積極的に登用します」の部分でしょう。この文章はタイトルこそ「読者の皆様へ」になっていますが、これから漫画家になろうとしてる新人に向けたアピールの側面がかなり強いのではないかと解釈しました。
 今のサンデーは「銀の匙」「マギ」を筆頭に、他所で活躍している作家を引っ張ってくる傾向が続いていたんですけど、今後はサンデー生え抜きの作家を重用して行くようにするし、編集者もちゃんと作家の面倒をみるので、漫画家志望の皆さんはぜひサンデーでマンガ描いてください! と訴えたいんじゃないかなーと思っています。

 ただ、新人を登用するにしても、ここ最近のサンデー編集部には、思い出せるだけでも雷句誠先生の一件を筆頭に、「東遊記」の酒井ようへい先生が編集者から罵倒されていた件とか、「ワイルドライフ」の藤崎聖人先生が小学館漫画賞を受賞した時に不自然なコメントを発表した件とか、その後「忘れたいくらいいい思い出のない作品だった」と日記で書いていた件とか、「アラタカンガタリ」のリマスター版制作の件とか、何かこう明らかに編集者と作家の関係が上手くいっていないことが原因と思われるトラブルが色々と起こっているのは、大きな問題です。
 当然これらは漫画家志望の方々にも広く知られている訳で、これらのネガティブな事件が新人作家を集める上で明確な障害になっていた可能性も高かったのではないかと思われます。わざわざ誌面を割いてまで「編集部は変わりました! もう大丈夫だよ! 今度はちゃんと仕事するよ!」とアピールするのは、そういった事情があるんじゃないのかと勘ぐってしまいました。

 ネットで皆さんが既に指摘していることではありますが、「読者の皆様へ」に列挙されている編集者の中に、雷句誠先生や藤崎聖人先生の時に名前が出てきた冠茂氏の名前がないのは、そういう意味において重要なポイントなのかも知れません。

 そしてサンデー38号の「読者の皆様へ」の掲載に先立ち、ナタリーに市原編集長のインタビュー記事が掲載されていました。
 個人的に気になったのは、この二つの部分です。

藤田和日郎先生、西森博之先生、久米田康治先生。この3名には一刻も早く帰ってきてほしいと思っています。

週刊少年サンデー特集、新編集長・市原武法インタビュー (1/3)

僕は週刊少年サンデーというのは“作品を作ることよりもマンガ家を作ることを得意とする雑誌”だと思っているので。一生マンガ家でいられるような、何本もヒット作を飛ばせるような才能のある作家さんを育てる雑誌だと。もう一度そういう個性派の才能集団に作り変えたいという思いが一番強いです。

週刊少年サンデー特集、新編集長・市原武法インタビュー (3/3)

 まず藤田・西森・久米田の各先生方が揃って活躍していたのは90年代の前半〜中盤頃だと記憶していますが、確かにあの頃はサンデーという雑誌にはまだ勢いがありました。小学館も90年代を「サンデーの黄金期」と称するサイトをわざわざ立ち上げていますし、サンデー自身がこの頃の栄光を取り戻したいと考えるのは自然なことだと思います。

 また、そもそもサンデーという雑誌の雰囲気として、かつては「編集部主導のマガジンや、アンケート重視のジャンプと比較すると、漫画家が自身の描きたいものを描ける風潮がある」という伝説がありました。自身が得意な描きたいテーマを持った個性的な作家が集まり、編集はそれに合わせて雑誌を作り、作家の個性をより伸ばしていく。その雰囲気に惹かれて、新人作家がサンデーでのデビューを目指して集まってくる。サンデーの黄金期と呼ばれていた時代は、そのサイクルが上手く行っていたのではないのでしょうか。
 「作品を作ることよりもマンガ家を作ることを得意とする雑誌」という市原氏の言葉は、そういったことが実際にできていた時代をイメージしているのではないか、と思いました。市原氏の考える「少年サンデー」は、個性的な作家を育てて作家性の強い作品がガンガン掲載される、かつての黄金時代のサンデーの姿があることは間違いありません。90年代の黄金期にサンデーで活躍していた作家の名前をあえて上げたのは、その象徴であると思います。

 しかしその一方で、それを実現するために、掲載される作品は全て編集長が独断で決定し、編集者はその方針に従ってもらうという、独裁的な手法を取ることも明言しています。編集部が強い権限を持ってマンガを作るやり方は、先程の「作家のサンデー」というイメージとは相容れないような気もしますが、まず「作家を育てることができる編集者がいる環境を作る」ところから始めないといけない状況な様なので、これは致し方ないことなのでしょう。
 サンデーをかつての「作家主体」の雑誌に戻すために、編集長があえて強権を奮わなければならないところに、今のサンデーという雑誌の苦境が現れているのかも知れません。

 もし本当に市原氏の言うように「2年以内にはかなり変わってくる。実際に秋口くらいからは完結する連載が多くなってくる」が実現するのであれば、サンデーという雑誌はこれからものすごい勢いで様変わりして行くと思います。
 我々読者としては、実際に掲載される新しい作品をちゃんと読んで、読者アンケートなりコミックスの購入なりの形でフィードバックを行いつつ、今後2年間でサンデーがどのような雑誌に化けていくのか見守っていきたいと思う次第です。

 雷句誠先生がサンデー編集部内の腐敗を訴えてから7年経った今、ついにサンデー自身がそこから立ち直る機会を得たのだ! と、今は思いたいですね。残された時間を考えても、浮上するならこれが最期のチャンスかも。いやマジで。

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サンデー黄金の90年代を支えた立役者といえば、やっぱりおキヌちゃんっスよ(ファンサイト要素)


「編集人」の名前が前号から市原氏に変わっていたことに今気付きました。サンデー36+37号感想

BE BLUES!

 「私はサクラバのドリブルを推す
 今回は、龍が赤城中央の固いディフェンスを破って新必殺技のカットインからの同点ゴールを決めた、非常に爽快感のある展開でしたが、個人的にはむしろミルコ爺さんが桜庭推しを公言したところにグッと来ました。さすが桜庭の飼い主なだけあって、ここという時にはちゃんと桜庭の有用性を認めているんですね!
 でも、そのミルコも龍が個人の技能でゴールを決められるだけの実力を持てるようになっていたのは想定外だったのでしょう。かつてミルコが龍に対して提示した問題点を、彼がキチンと克服して来たことをガチレベルの実戦で示したんですから、ミルコの龍に対する評価も改まるはずです。

 となると、次は桜庭さんがミルコの前でいいとこ見せるターンになると思うんですけど、今もチームの応援を全然していない協調性のなさっぷりは相変わらずであり、もし仮に今後この試合で起用されて相応の活躍をしたとしても、「チームの得点を喜べない奴はダメだ」というミルコの評価は変わらない可能性が高いです。ミルコさんはこのマンガの中で将来男子サッカー日本代表監督になる人物なので(決めつけ)、今のうちにアピールしておくに越したことはないように思えるのですがどうか。

 でももし仲間の応援とかしたら、それはもう桜庭さんではない何かになってしまうからなあ。試合に出たくてギャンギャン吠えてコーメイに後ろから羽交い締めにされてこその桜庭さんですからね。難しいですねえ。

マギ

 秘密裏に結んだ相互防衛条約をタテに他国の内戦に介入する妙に現実的で生臭い展開と、エルダードラゴンレジェンドが出てきて世界の理を宇宙的なタイムスケールで話すファンタジーな展開が、ついに一つの物語として合流した感じがするお話でした。

 そしてその二つのスケールの異なる物語を一つに結び、本編の事実上のラスボスとして君臨しそうなのが、葉王覇王ことみんな大好きシンドバッドだったというのが、何か彼の器の広さを象徴している感じがします。「ダビデ」と共鳴して「神」の力を得て、世界を意のままに動かす力をシンドバッドが得たのは、ある意味彼に相応しい運命であったと言えるのかも知れません。
 ただ、彼が神の力に勝って、「ダビデ」ではなく本来の彼の意志で新しい世界を作れるようになれるかどうかはまだ判りませんが。

MAJOR 2nd

 全国の少年野球やってる子どもたちがみんな読んでる「MAJOR」で、ついに人妻の不倫現場が出てくるとは! 健全な野球少年達がNTRに目覚めてしまうよ!(曲解)

 というか寿也ってあんなに女性に対して紳士的なイケメンなのに、なぜ離婚しちゃったんでしょうか。奥さんの事情がちょっと複雑そうな感じなのでそれ絡みなのかもしれませんし、少年誌的に突っ込んではいけない裏話とかあるかもしれませんし、あるいはいまだに吾郎のことが忘れられないのかも知れません。
 吾郎のことが忘れられない寿也が吾郎の息子に野球を教えるとか、メタ的にはグッと来るシチュエーションですよね。とか煽ってみる(ひどい)。

 今回のエピソードで、このマンガにおける当面の目標が「大吾と光がバッテリーを組むこと」に設定されました。大吾の野球選手としての道はおそらくここから本格的に始まることになるのでしょうが、このマンガはあのMAJOR」なので、おそらく一筋縄ではいかないことは必至でしょう。
 高校生になった大吾が、高校野球で群馬代表となった光と甲子園でついに相まみえて対戦する的なシチュエーションは今から妄想するだけで滾るものがありますけど、その二人に待ち受けるのは、かつてふたりの父親が経験した大理不尽な運命の数々!(いきなり吾郎が高校やめて寿也とのバッテリーが解散するとか) っていうか、前触れなくいきなり光が引っ越すだけでも十分に理不尽な展開なんですけどね!
 父の屍やNTRを乗り越えて生き残って強くなれ大吾と光! 死んでもいないしNTRでもないけど!

トキワ来たれり!

 日本では古来より「失うことから全ては始まる」と申しますが(主に「シグルイ」で)、「トキワ来たれり!」では主人公のトキワが片腕と片足を失い、先のソーサリアンとの戦闘でトキワを守るために自爆したマキナのパーツを移植されて蘇生するという、これまでとは打って変わったシリアスな展開に突入しました。
 これまでのこのマンガは「肉体的には普通な気弱な男の子が、持ち前の機転を武器に超人的な能力を持った連中と一緒に戦う」物語だったと思うのですが、自身も超人的な能力を手に入れてしまった以上、このマンガは今後はこれまでとは全く違った展開にならざるを得ないでしょう。本当の「トキワ来たれり!」はここから始まると言えるのではないのでしょうか。

 そして個人的に「主人公が物語の序盤で身体を欠損してサイボーグ化して復活」というと、新井素子先生の「星へ行く船」シリーズを思い出してしまうですが、30年前の小説のことなんて誰にも判ってもらえないので終わり。

絶対可憐チルドレン

 一迅社から発売されている「Febri」30号に、椎名高志先生のインタビュー記事が掲載されています。椎名先生の原点とも言える幼少期のフィクションの原体験についてから、「絶対可憐チルドレン」の今後やその次の作品についても話題が及んでいるとても興味深い内容なので、椎名先生の作品のファンの方なら読んでおいて損はないと思われます。

 特に次回作については、「自分が得意とするパロディを活かせる方向性」を模索しているように思えました。今後の自身の作家としての方向性を含めて、色々考えている様です。
 椎名先生のTwitterの発言を読んでいると、次回作はもはやツンデレな飼い猫にベタボレしている中年のメタボ気味のおっさんが主人公の日常マンガしか描けないくらい枯れてるんじゃないかとか思っていたんですけど、全然そんなことなさそうなので安心しました(ひどい)。

 そして今号の「絶チル」ですが、インタビューでも語っていた『パロディが得意な椎名高志』をアピールするかのような、チルドレン達がどっかで見たような三悪トリオを相手に戦うという話でした。こうやって見ると、やっぱりタイムボカンシリーズの三悪トリオって、誰でも「見ただけで『ああ、あいつらだ!』って判る」という意味において偉大な存在なんだよなーと再認識させられます。
 あとこの人達、ちょっと「キャッツアイ」や「ハローキティ」の要素も入ってますよね。キティさんは寛大なお方なので、「外道キティ」とかいう形で名前や意匠を使われても、きっと許してくれると思います。多分。

 そしてパロディと言えば、ラストで子鹿さんが「となりのトトロ」の替え歌のようなものを歌った挙句に交通事故に巻き込まれてましたけど、事故に遭ったのは多分パロディの対象がジブリだったからに違いありません(真顔で)。
 子鹿さんは、隙あらばジブリアニメのパロを仕掛けてくるので元々著作権的に危うい存在だったんですが、TTPで著作権法における非親告罪化が囁かれるようになった昨今、今回の彼女の姿は日本の将来におけるパロディ文化に暗雲が立ち込めている象徴なのかも知れませんね。物言えば唇寒し秋の風。

 ウソです(おわり)。

Febri (フェブリ) Vol.30
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一迅社 (2015-08-10)

プリンセスプリキュア、毎回「みなみ様すてきー!」って叫びながら観てます


私も時空を超越したハニワのような存在になりたい。サンデー35号感想

マギ

 先々週の話になってしまいますが、シンドバッド率いる七海連合が「これは侵略ではない。我らは『七海連合』の盟約に従い、盟友の内紛をおさめに来た」って言いながら煌帝国の内戦に介入して来るのって、いわゆる集団的自衛権の行使にあたるのではないかと思いました(時事ネタ風挨拶)。

 「同盟国が攻撃された」ことを名目に始まった国家間戦争が世界規模に発展してしまいそうな妙に生臭いストーリーが展開される一方で、今週の話では遥か宇宙の原初の時代から存在していると思しき如何にもファンタジーな存在のエルダードラゴンレジェンドが登場してこの世界の謎について語り出したりしており、「マギ」は正に大河ファンタジーの名に相応しい展開となって来ていると言えましょう。
 そして、現実と神話を繋ぐ役割を与えられたのがゆるキャラ風味のハニワになったアリババ君というのが、このマンガ特有のユーモアのセンスの現れであると言えます。今の彼は百年以上の時間を経験した仙人めいた存在と化しているっぽいんですが、でも見た目はハニワなんですよね。そして未だに童貞(しつこい)。

 そういえば先々週はシンドバッドに説得された白瑛が彼に肩を抱かれてましたが、あの絵面から伝わる悪い男に嫌々ながら言いくるめられて従ってる感というか、「白瑛さん、その男には近づいちゃダメだよ!」って思わず叫びたくなる感じは本当に素晴らしいと思いました。シンドバッドは色々な意味で本気を出して来ましたね。

BE BLUES!

 これも先々週の話なんですが、監督が小田に交代を告げた時にのようにギャンギャン騒ぐ桜庭さんが心底プリティーでした。コーメイに後ろから羽交い締めにされてるところもチャームポイント。羽交い締めにされて騒ぐのがあんなに似合う男はなかなかいないと思います。

 今はフォワードの枚数を1つ増やしてパワープレイに持ち込みたい局面なので、ノア同様に存在自体が脅威となりえる桜庭を起用しても良さそうなところではありますが、今週の小田のように「DFのプレッシャーをはねのけて相手のポジションを意図的にずらし、龍をフリーにさせる行動を取る」という自分を犠牲にする動き方は今の桜庭さんには絶対できないと思うので、致し方ないところではあります。
 でも大丈夫! 『真の主人公は遅れて登場する』という「ダイの大冒険」におけるヒュンケルメソッドを何度も実践してきた桜庭さんのことなので、今回もまた土壇場で試合が膠着した時に出番が回ってきますよ! 主人公である龍の新必殺技・カットインの成立には、桜庭さんの存在が必要不可欠ですからね!(多分)

ファンタジスタステラ

 これも前の話になってしまいますが、ここで点を入れたら同点になって延長戦に! ってここ一番の局面で「勝ったら結婚してあげる!」って叫ぶことで竜ちゃんに活を入れ、結果的に貴重な得点をアシストする形になった琴音姉さんは、やっぱり名指導者だと思いました。

 草場先生は以前ラブコメ展開やるのが苦手だとマンガの中で告白してたと記憶していますが、こうなったら「ステラ」の次の作品は思い切ってラブコメマンガにしてしまうのはどうかと思いました。登場人物がみんなものすごい勢いで終始モジモジしている、いじらしいラブコメマンガが読めそうな予感がします(勝手な想像)。

tutti!

 老人ホームのじいさんがどう見てもゴミにしか見えないものを「後で使うから」とやたら溜め込んでるシーンに妙なリアリティを感じました。ああいう人って現実にもよくいますよね。うちの母親とかそうです(身内ネタ)。

 物語としては、そのゴミじいさんが実は音楽の達人では? 的な伏線を残しつつ、これまでは「音楽好きだけど練習したがらないボンクラの集団」的な扱いを受けていた吹奏楽部のメンバーを、一人ずつ掘り下げていく展開に入りました。
 これって、「tutti!」がそこそこ人気があって長期連載化を見越せるようになったって解釈でいいんですよね? そのうち桜井さんの心の闇に触れる話とかちゃんと読めるんですよね? 桜井さんは何も考えていない犬みたいに見えるけど実は闇を抱えているに違いない派からのお願いですよ?(迷惑です)

絶対可憐チルドレン

 体育倉庫に二人っきりという学園モノのエロマンガの定番シチュエーションをこのマンガで拝めるとは思ってもいませんでした。今回の薫の行動も、「彼氏と二人っきりになるためにちょっぴり茶目っ気を出して誘ってみたら、何か彼が想定外にがっついて来て逆にビビってしまう」みたいな、これもまた学園モノの定番的な行動なのが良かったです。ありがとうございます

 でも皆本が着ている光学迷彩の服ってその構造上脱ぐのがものすごく大変そうなので、仮にそういう雰囲気になってもそう簡単には致すことができないのではと思いました。
 というかあの服、トイレ行きたい時はどうするんでしょうか。そういう時のためにワンボタンで排出器官を露出できる機能があったりするんでしょうか。それなら致す分には大丈夫なのか。光学迷彩装備のままでするとか、何か全身タイツフェチ的なアブノーマルさがあって良いかもしれません。
 話が逸れました

 今回のエピソードですが、結果的には兵部がやらかしたミスをパティや松風、そしてチルドレン達が総出でフォローして皆本に失態を知られるのを防ぐ形になりました。特に松風君は見えないところで推理を働かせて皆本に事を知られずに事態を収拾させるために動いており、これで少しは兵部も松風君のことを再評価するのではないのでしょうか。いややっぱりしないかも(反語)。

 あと今回は、パティさんがその能力を発揮するところを久しぶりに見られたのも良かったです。「身体を粒子に変える」彼女の能力は、単に霧になって身を隠したり別のところに移動するだけではなく、粒子の構成を変えることで他の姿にその身を変えることもできるというのは、個人的には盲点でした。そう考えると、彼女の能力は諜報活動向きですね。
 マンガの方では基本的に愉快な腐女子のスタンスを崩さない彼女ですが、今回は「THE UNLIMITED 兵部京介」側の『闇の組織』に所属するエージェントとしての彼女の姿を垣間見たような気がします。今後も、時々でいいのでこういった腐ってない部分の彼女の活躍も見てみたいものだと思いました。
 やっぱり人気投票はパティさんに入れようかなあ。でも一位になると脱がされちゃうんだよなあ(決定事項)。

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ジュダル、アリババとコンビ組んでからはずいぶんと雰囲気変わった気がします


カワイイは正義。サンデー34号「なの菓子」感想

なのは洋菓子店のいい仕事

 以前、畑先生が週刊連載に加えて月刊連載も始めると聞いた時は「畑先生は高橋留美子先生に肩を並べるマンガの鬼と化すつもりなのか」と驚きましたが、よく考えてみたら若木民喜先生も、既に「なのは洋菓子店のいい仕事」と並行してマンガONEで「ねじの人々」を連載していることに気付きました。マンガの鬼がここにもいた!(おそい)

 なお「ねじの人々」は、最初のうちは教育的な哲学レクチャーマンガの趣が濃かったんですが、回を追うごとに「神のみぞ知るセカイ」の倉川灯編が延々と続くかのようなおかしい雰囲気になって来ており、若木先生の底知れなさを垣間見ることができるマンガだと思っているので、みんな読むが良いと思います。

 そして今号の「なの菓子」ですが、ぱせり君はこのマンガにおける飛び道具だなと思いました。「ケーキは暴力」というこのマンガのキャッチフレーズ同様、この子の可愛さはもはや暴力のレベル。
 カワイイ子は何をやってもカワイイので、今後も時々はこういう回を入れてぱせりの可愛らしさを愛でさせていただきたいです。

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若木民喜先生の短編集。「アルバトロス」の読み切り版などが掲載された、昔からのサンデー読者にとっては懐かしさでグッと来ること請け合いの内容


連載十周年記念・サンデー33号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 絶チル連載十周年おめでとうございます!(二週間遅れの挨拶)

 絶チルの連載が始まった時は、「一番湯のカナタ』がああだったし、このマンガもいつまで続くか判らないし、これが椎名先生がサンデーに連載する最期のマンガになるかも知れないから、いつ終わっても悔いが残らないようにしようぜ!」みたいなことを友人達とチャットで話してた頃が懐かしいです。
 というか、あれからもう十年も経ったのか…刻が過ぎるのは本当に早い…(遠い目)。

 また当時は、まだ週刊少年マンガ誌で女の子が主人公のマンガを載せることそのものがかなりの冒険的行為だったと記憶していますが、今ではそういうマンガも普通に載るようになっているのはご存知の通りです。「絶チル」の連載作品としての成功がそういった環境づくりの一環を担ったことはおそらく間違いなく、マンガの文化的な面においても歴史に残るべき作品になったと個人的には思ってます。
 つまり、今サンデーで「競女!」や「さえずり学園OK部!」が連載されているのも「絶チル」のおかげなんですよ!(←自分がやった訳でもないのにエラそうな口調で)

 そして十周年記念企画として「絶チルキャラ人気投票」の開催が告知されており、「人気投票1位のキャラには本編で良いことが…!」と書かれていますが、これって多分作中でキャラが脱がされることを意味しているに違いありません。コミックス23巻の乳首券の前例もありますし。
 なので、投票する際には、自分が好きなキャラというよりは「脱がされるとリアクションが面白そうなキャラ」の観点から選んでみるのも良いかも知れません。マジで

 でもとりあえず松風君はちょっと前に脱いじゃいましたし、そもそも皆本や賢木や兵部は割と頻繁に脱がされているので、主役男性陣は意外性という意味では今ひとつかも。強いて上げると桃太郎でしょうか? 彼も一応釘宮理恵ヴォイスのショタキャラと考えれば案外イケる?(イケない)

 あと本編の方は、期待していたネガティブカズラが「まだ一度も当番回がない」という比較的どうでもいいことを言っていたので、当人もその辺を実は気にしていたんだなと思いました。確かに彼女には気の毒ですが、でもまあどうでもいいですよね(ひどい感想)。
 しかし、兵部ですらサディストモードの皆本に責められる妄想を抱いてしまうくらいの暗黒パワーを身に受けた状態でもこの程度のネガティブっぷりで済んでるということは、彼女がパンドラに拾われる以前の過去に経験したであろう様々な苦労は(同じく「最近出番がない」とか言ってる澪と同様に)克服できていると解釈して良いのではないのでしょうか。と、良かった探しをして終わりにします。

絶対可憐チルドレン 42 10周年記念キャラBOOK付き特別版 (少年サンデーコミックス)

コミックス42巻限定版の「キャラクターブック」はメインキャストに対して椎名先生がコメントを寄せており、それだけでも読む価値はあると思います


畑先生がマンガの鬼と化す記念・サンデー32号感想

ハヤテのごとく!

 連載500回達成おめでとうございます(礼儀)。

 第一話をリアルタイムで読んだ時は「このマンガ、どこまで連載が続くんだろうか」と不安に思ったものでしたが、今では逆に連載されていないことが考えられないような作品になったと思ってます。今や「ハヤテ」というマンガは、ジャンプにおける「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のように、サンデーが続く限り永遠に掲載される存在なったんじゃないんでしょうか。割と本気でそう思ってます。

 「どうでもいい話の間でストーリーをやる」というのが構造的欠陥として話の中で自虐的に語られていますけど、このマンガがここまで続けてこられたのは、逆にこの構造が連載作品として正しかったことを示しています。
 バトルモノや恋愛モノのマンガやアニメで一番評判が良いのが、実は日常回とか温泉回とかストーリーのウェイト的には比較的軽めの話だったりすることが多いのが世の常ですが、「ハヤテ」の場合はストーリーを締めるところをちゃんと締める話を年に一度くらい出して、基本的には「どうでもいい」話を続けることが許される構造を作れたことが大事なのではないのでしょうか(褒めてます)。

 その一方で、今号のサンデーには「畑健二郎による完全新作の月イチ新連載開始! 『ハヤテのごとく!』の連載は通常通り継続!」とかいう恐ろしい予告が掲載されていました。
 週刊連載と月刊連載をかけもつというと、自分の世代だとやはり「うる星やつら」と「めぞん一刻」を同時に連載していた往年の高橋留美子先生が思い出されるんですけど、畑先生はついに高橋先生と同じレベルに立つ覚悟を完了させたということなんでしょうか。更に畑先生には今が旬な作品である「それが声優!」もありますし、作業量的には高橋先生をも超えてしまうのかも知れません。
 畑先生がついに高橋先生と同レベルのマンガの鬼と化す姿を、我々はリアルタイムで見ることになるのでしょうか。

 これからの畑先生の鬼への変貌っぷりが楽しみです!(注意:心から応援してます)

アラタカンガタリ

 久しぶりに連載再開。「アラタカンガタリ」については以前から色々と辛そうな話が流れていただけに、もう二度とサンデーでは続きを読めないのでは? と覚悟していた時もあったので、再び読めるのは素直に嬉しいです。
 あと連載再開となると、既存のコミックス版とリマスター版の関係はどうなるんだろうかとも思ったのですが、9/18にコミックス24巻とリマスター6巻が同時に発売されるということは、どちらも継続して発刊していくという形になるみたいですね。「加筆修正」という言葉ではくくれないくらいの大改訂を行っているリマスター版を作る手間は膨大なものになっていると思われますが、それを継続していく作者の心意気には感謝したいです。

 そして本編の方ですが、本当に「前回の続き」になっててビックリしました。連載作品なので前回からの続きなのは当たり前なんですが、前との間隔が間隔だから総集編的なものを挟むのかなーと何となく思っていたので、純粋な「前回の続き」が載っていて驚いた次第です。
 そういやハルナワって、とにかく人殺す奴だったよなー(そこからか)

なのは洋菓子店のいい仕事

 言葉さん、明らかにおかしい(頭が)人なのに、本当に住み込みの従業員として居着くことに成功してしまうとは。
 最初登場した時は、ラブコメ要員っぽい設定ではあるけど色々とズレてる残念の塊みたいなキャラだったのに、タイムやセージの仕掛けた試練を乗り越えて最終的には何かちょっと可愛げが出てきてますし、これはもしかしたら本当にセージに対するラブコメ要員として役に立つかもしれないのでは? と思うようになってきました。
 もう一人のラブコメ要員であるかの香が「セージの幼なじみでライバル店の娘で性格はツンデレ」という非常に判りやすいキャラであるのとは対象的なキャラになってると思います。

 このマンガは基本的に「洋菓子店を舞台にしたハートウォーミングなストーリー」というイメージを逆手に取った、お菓子で人々を救わず全くハートウォームもしない、読者の期待の斜め上を行くひねくれた構造のマンガである、という認識は変わりませんが、ラブコメ要素については判りやすい展開を期待しても良いのかも知れません。
 でも多分、そっちもかなりひねくれた話を持ってくるのではないかと思いますが。期待してます。

BE BLUES!

 ゴールを決めた後、ノアの熱い抱擁から逃げようとする曽我さんが面白かったです。みんなしてキャッキャウフフしてるようにしか見えないのが微笑ましい。

 というかこの人達、ゴール決める度にこんなキャッキャウフフをしてるような気がします。ノアが曽我にあえてラストパスを出したのも、曽我さんがゴール決めた後にキャッキャウフフしたかったからなのかも知れないと思うようになりました。こいつら仲いいなあ(感想)。

tutti!

 頼城君が桜井さんを「隣の家の犬よりも何も考えていない奴」と評してたのが、ちょっとショックでした。
 自分の脳内では、桜井さんは一見すると常にニコニコしている明るい女の子なんだけど、その実態は貴重な戦力である頼城君を吹奏楽部に引き込むために暗躍していた吹奏楽部の陰の支配者であり、過去に一悶着あったに違いない(←妄想)オケ部に一矢報いるために今も戦っているという設定になっていたのですが、実は彼女はそういう難しいことを全く考えていなくて、単純に「音楽できそうだからうちの部においでよ」的に頼城君を親切心から誘っただけだったりするんでしょうか。彼女の頭の中は、本当に飼い犬みたいに素直なんでしょうか。

 ありえる…十分にありえる…これまで自分が考えていた彼女は、「ひねくれた性格の女性キャラが好き」という自分の理想の元に築かれた妄想だったのかも知れない…(悩みながら終わり)

競女!

 「次号、力士とバチコーン!
 話の中身は、のぞみが「お姉様」にと望んでいる澄玲が抱える過去が明かされる割と真面目な回でしたが、最後のハシラの煽り文句によってその雰囲気の何もかもが破壊された気がします。でかした編集(エラそう)。

 次回は相撲対尻相撲の異種格闘戦な展開になりそうですが、久しぶりに物理法則を超越した競女ファイターの超能力が拝めるのではないかと期待しております。

アラタカンガタリ~革神語~ リマスター版(5) (少年サンデーコミックススペシャル)

リマスター版ものすごく評判良いので改めて読みたい


2015年になって「スール」って言葉を聞くとは思わなかった記念 サンデー31号感想

競女!!!!!!!!

 過去三ヶ月間における当サイトへの検索キーワードを解析した結果、「乳首」「乳抜刀」「パイパイルパイパー」等の「競女!」関連のキーワードがよく使われていることが判明しました。
 このサイトは3000〜5000ヒット/月程度の中小マンガ感想サイトに過ぎないにも関わらず「競女!」関連のキーワードでこれだけヒットしているということは、即ちネットでは今まさに「競女!」の感想コメントが求められているということであり、この世界にはまだ「競女!」が足りないということに他なりません。

 ですので、当サイトにおいても、SEO的見地に基づき、「競女!」についての感想をこれまで以上に書いていかなければならないとの意識を新たにしました。
 ネットでマンガの感想を書いている皆さんも、もっと「競女!」について語るが良いと思います。実際このマンガ、声に出して読みたい日本語が満載ですしね! 朝起きた時に太陽に向かって「パイ・パイル・パイパー!」と唱和したら、人生が豊かになったような気がして来るはずなのでオススメです!(やけくそ気味に)

 そしてマンガの中では前回あたりから、「姉妹」と書いて「スール」と読ませる、往年の「マリア様がみてる」を連想させる先輩後輩の新たな関係性について語られるようになって来ました。
 「マリみて」のスールは精神的にも肉体的にも強い繋がりを持った関係として表現されてましたが、こちらの場合はどちらかと言えば「モンキーターン」におけるプロの競艇選手同士が一緒にエンジンやプロペラの整備を行いつつレースのテクニックを伝授するグループ的な意味合いが近いのでは? と思われます。でも、あえて「グループ」や「師匠と弟子」ではなく「スール」という呼称を使うからには、選手間における「マリみて」的な女子同士の精神的な繋がりの描写も、勿論作者の側の念頭におかれているのは確実でしょう。
 例えば、この前ののぞみの乳首陥没エピソードのようなことが起こった場合、妹の凹んだ乳首を治すのは姉の努め! みたいなアレで乳首を摘んだり引っ張ったり舐めたりするようなシーンも期待できるのではないのでしょうか。ないのでしょうか。

 養成学校東西対抗戦以来、どんどんあらぬ方向に突っ走っているこのマンガにこれからも注目ですネ!(やけくそ気味に)

MAJOR 2nd

 さすがの大吾ちゃんも、あの佐藤寿也の前では緊張して赤面するんだなと思いました(感想)。

 まあでも、あの作品の世界の中では寿也は吾郎と並ぶ伝説の野球選手になっているはずなので、大吾が緊張するのも無理はないと思われます。自分だって、いきなり近所のバッティングセンターに寿也が立っていたら驚くに違いありません。だってあの、吾郎×寿也の寿也ですよ。少年野球時代から高校野球そしてメジャーリーグに至るまで、長年に渡って色々な意味で我々読者を楽しませたあの伝説のカップリングの片割れですよ!?

 そうなんじゃよ…君のおとさんの吾郎と佐藤寿也のカップリングはまさに一世を風靡し、当時ファンの皆は大いに盛り上がったものじゃったよ…おとさんが海堂学園高校を突然辞めてカップリングが破綻した時は、そりゃあもう当時の二次創作界隈は大騒ぎになってのう…(←おじいちゃん誰と話してるの?)

tutti!

 頼城君が一音だけミスしたショックを背景に、頼城君が何故一度トランペットを止めてしまったのかのバックグラウンドを説明する回。
 直情的で単純な彼のことだから、トランペットを辞めた理由も単純だったのかと思いきや、自分の才能の伸び悩みや自分よりも若い才能の出現によるショックなど、かつて「天才少年」として持て囃されたことによってシリアスな人生を歩まざるを得なかったことが伺えます。

 しかし今回の真の見どころは、「最期の舞台」でミスしてショックを受けている頼城君に対して、「じゃあもう1回ちゃんとやろうよ! このままじゃイヤなんでしょ?」と声をかけ、彼のリベンジ欲を刺激して見事に彼を吹奏楽部に引き込むことに成功した、桜井さんの話術の巧妙さにあると思います。
 さすが吹奏楽部を裏で支配している女、その手練っぷりは侮れませんね。ホントこの子素敵ですわー(ひねくれた賛辞)。

 あとひねくれていると言えば、オーケストラ部の部長もワンミスした頼城君に対して「あなた、下手だったわ」と目にシャドウを入れて言い放つサディストっぷりが素敵でした。その後自分でも完璧な演奏をして、実力の差を彼に見せつけるところも流石です。
 ただこの部長、彼の過去の才能や性格を知っているだけに、あの「下手だったわ」も実は彼に対する激励だった可能性もあります。実際、部長の「下手だったわ」で凹ませた後で桜井さんの「このままじゃイヤなんでしょ?」と言われた結果頼城君は復活できたので、あそこで彼女が罵声を浴びせる行動は、彼が音楽の世界に復帰するためには必要だったのかも知れませんね。

 なので近い将来、オケ部部長と桜井さんの間で頼城君の争奪戦が行われる芽も見えてきました。桜井さんはオケ部に対して絶対何か腹に一物抱えているに違いないので、いつか両者が衝突するのは必至の様相に。面白くなって来た感じがしますよ!(本当にそういうマンガになるのかは不明)

BE BLUES!

 ナベケンの「ノアッ! 打ってくんだろ! こいよ!」って熱い台詞にグッと来ました。
 色々と妄想が滾る台詞ですよね!

 でも実際は、ノアがシュートと見せかけた曽我へのラストパスにナベケンが引っ掛けられた形になった訳で、ナベケンのノアに対する純粋な想いはノアの裏切りによって打ち砕かれてしまった形に。
 ノアとナベケン、二人の関係はこれからどうなっちゃうの!?(ミスリード)

だがしかし

 前回は幼なじみであるサヤと縁日デートをしてちょっとドキドキしてしまう役得っぷりを発揮したココノツでしたが、今回は一転してほたるさんから「私のところに来なさい」と直接的なプロポーズを受けることに。
 郷里の幼なじみと一緒になって田舎でマンガを描きながら生きる穏やかな暮らしを選ぶか、駄菓子業界の御令嬢であるほたると共に駄菓子の王を目指す激動の人生を選ぶのか。運命の時はいずれやって来るのです。最終回あたりで(不吉)。


 まあでも、次回からはまたいつものノリに戻るんでしょうけどね。

さえずり高校OK部!

 波止場先生すごくいいなー化学教師で白衣でデコで眼鏡とか最高だよなーと思いながら読んでたんですが、自分はどうもこのマンガに対しては「普段イニシアチブを取っているみっこを逆に振り回せるキャラ」が好きなことに気付きました。
 波止場先生はみっこのノリが全く通用しない堅物(というか天然ボケ)で、みっこのボケに対して更にあらぬ方向からボケて来るタイプなので、ある意味みっこの相方として理想的なのではないかと思われます。ツッコミ不在のボケ漫才になりそうだけど。

戦争劇場

 このマンガ、もしるりと翠が相思相愛になってしまったらそのまま終わってしまうのではないかと危惧していたのですが、るりがもはやボンクラの域にまで達しているレベルで恋愛方面に鈍感だったことが判明したので、まだもうちょっとだけ続きそうで何よりだと想いました。

絶対可憐チルドレン

 「コード502」って、我々の世界ではBad Gatewayを意味するので、リバースプロキシサーバの先にあるアプリケーションサーバと正常に接続ができているかなどの設定周りを調査したほうが良いと思います(どうでもいい)。

 今回は、パティの豹変の原因が「黒い幽霊」の洗脳ネットワークが負の感情を増幅しているためということが判明しました。パティ、およびティムとバレットはまあ所謂オタク気質(穏当な表現)なのであの程度のダメさで済んでいると言えますけど、パンドラ所属でやはり過去に色々と暗いものを抱えているであろう澪やカズラにまでその影響が及ぶとなると、ちょっと何が起こるか判りません。特にカズラ。
 彼女は「カガリとは幼なじみ」という設定はあるものの、その過去が作品内で明示的に語られたことはなかったと思うので、彼女が堕天(マギ用語)した場合、彼女がどんな闇を心に抱えているのかはちょっと予測できません。それだけにちょっと見てみたい気もしますが(悪趣味)。

 でも多分、兵部が言うところの「危険なんてレベルじゃない…!」が本当に起こったとしても、何かギャグの範疇で治まってしまうような気がするのも事実です。松風君が葉っぱ一枚になって股間を抑えてうずくまるとか、そういうレベルで。

アラタカンガタリ~革神語~ リマスター版(1) (少年サンデーコミックススペシャル)

それはそうと、次号のサンデーから「アラタカンガタリ」連載再開って聞いて驚いてます。もうサンデーで続きは読めないものだと覚悟していたので


「巨人の星」の破滅の音ごっこをやったことがある人?(←挨拶) サンデー30号感想

MAJOR 2nd

 光を女子に寝取られた大吾が、ついに己の中の光に対する愛に目覚めて彼を取り返そうと男を磨く話でしたね(曲解)。
 というか、光君は明らかに佐倉さんを使って大吾の心理をコントロールし、大吾を自分の意のままに動かそうと画策してますよねこれ。なんて恐ろしい子…!

 あと今回はあの薫さんがスパッツ姿になるという、オッサン読者が大喜びしそうなサービスシーンがあったことは銘記しておかねばならないと思いました。勿論私はオッサンなので大喜びです。
 個人的には、速球を投げようとして四十肩を起こしたシーンの効果音が「ビキッ」ではなく「ピシッ」になってて、その直後に「破滅の音が〜!」と星飛雄馬っぽく言ってくれたらもっと良かったと思います(もはやアラ還ネタ)。

BE BLUES!

 ノアさんが龍にラフプレイを仕掛けたことで試合が荒れて来ましたが、それを観戦しているミルコさんが「スポーツ選手ってものは、もともと血の気が多いものでな…」と呟きつつウットリしてるカットが最高に素敵でした。これって、自分も血の気が多いって言ってるようなものですよね。

 ミルコさん、夏合宿でのBCDチームを率いた時も「Aチームからレギュラーを奪い取れ!」と煽ってましたし、元々血の気の多い連中を率いて戦うのが大好きなのかも知れません。かつて東欧の荒くれ者達を率いて戦った猛者、未だ衰えずといった感じが出ていて良かったです。
 最後のコマでノアがクイックリスタートで奇襲をかけた時も嬉しそうな表情をしてましたし、多分ミルコさんはノアのようなフィジカルに秀でてかつ狡猾、そして血の気が多いタイプの選手が大好きなんでしょう。

 なので、もし将来ミルコが日本代表監督になった時は、龍や桜庭と共にノアもそのチームの一員になってそうだなーと思いました。それまで連載が続くといいのですが。いやマジで。

tutti!

 頼城君のトランペットを核に吹奏楽部の演奏がまとまっていく描写をバックに、眼鏡の土井君が吹奏楽部に入るきっかけを描いたエピソード。彼が吹奏楽部を誘ったのはフルート担当の桜井さんでしたが、そこからも当時から吹奏楽部を事実上まとめているのは彼女であることが伺えます。これまでの彼女の演奏の描かれ方からして、そこそこ腕前も良さそうな感じがします。
 桜井さんだったら、おそらく正統派のオーケストラ部に行ってもそこそこ演っていけそうな感じがしてならないのですが、それでも彼女があえてインディペンデントな吹奏楽部に所属しているのには、きっと何か深い訳というか、オケ部に対する深い闇が存在しているに違いない! と個人的に確信しました(決めつけ)。

 彼女の闇が明らかになる時は来るのか。それとも、そもそも彼女に闇なんてなく、単に頼城君とは違うベクトルの音楽バカなだけなのか。

 そんな感じで勝手に謎を増やして楽しんでます。いいマンガだと思います。

BIRDMEN

 電子書籍版を発売して下さり、本当にありがとうございました。
 速攻で買ってkindleで読んでます! 本棚に本を置く場所が無いのでマジで助かります!(私信)

 今回はヒーローの本場アメリカの鳥男・アーサーが派手に登場したおかげで、これまで日本でひっそりやって来た烏丸が頭を抱える展開がメインでしたが、鷺沢が本格的に「能力」に目覚めたり、仲間を欲しがってるアーサーに「一緒に世界を変えてみないか?」と囁く声が近付いてきたりと、物語が新たな方向に動き出したことを感じさせる回でもありました。

 そんな中で個人的に一番グッと来たのは、やっぱり烏丸が鷹山に対して「一人だった時さびしいと思ってた? 今は違うだろ?」と、自分達が既に大切な仲間であることをナチュラルに語っていたところでした。
 前までの烏丸だったらこんなことを鷹山に言う時は絶対照れてしまっていたはずであり、そういった面からも烏丸の変化を窺い知ることができるなと思いました。この二人のコンビいいなあ。「絶チル」のパティさん的ではない意味においても。

リオンさん、迷惑です。

 マンガ的な表現における女子の面倒くさいところを全部突っ込んで煮詰めたようなロゼッタさんが素敵すぎてたまりませんでした。
 あそこまでしてしまったんだから、三雲は彼女を幸せにしてあげるべき。方法は知らないけど。

だがしかし

 サンデーの今号は「MAJOR 2nd」の薫のアラフォースパッツ姿が掲載された号であると共に、今回の「だがしかし」のサヤの可愛らしさを存分に楽しめる号であることも記録されるべきだと思いました。
 今回はそれ以上申し上げることはありません。コトヤマ先生ありがとうございました。

絶対可憐チルドレン

 かつて「黒い幽霊」に洗脳されていたパティさんが、洗脳から解き放たれて一般社会で再び生活できるまでの社会性を獲得できたのは、彼女がいわゆる腐女子となったからであるというのが公式な設定なので、今回のように兵部×松風な展開を目の前でされたおかげで妄想が爆発、そのおかげで「黒い幽霊」の暗示から復活できてしまった、という異常な展開も合法になります。
 つまり公式が病気

 なお兵部×松風のカップリングについては、現段階では松風君がヘタレ気味なのでどうしても兵部の鬼畜攻め的な展開にせざるを得ないイメージが強いのですが、もし松風の正体が本当に「黒い幽霊」の仕込みを受けたキャラだったりしたら、本性を表した彼が誘い受けから逆襲して攻守交代する展開にもつれ込める可能性もあるのではないかと思いました(思うな)。

だがしかし(2) (少年サンデーコミックス)
小学館 (2015-05-29)
売り上げランキング: 172

ほたるさんがいないとサヤとココノツがラブコメし始めるのでがんばれほたるさんと思いました


サンデー29号短め感想

MAJOR 2nd

 初代「MAJOR」は野球好きで才能も根性もある吾郎が周囲を巻き込みながら共に成長していく正統派の野球マンガでしたが、「MAJOR 2nd」は野球好きだけど才能も根性もまだない大吾が、才能も根性もある光に巻き込まれる形で野球を続けて行くという、初代とは逆のスタイルの野球マンガになってますね。
 何にしろ「少年野球なんだから、野球が好きな子なら上手くても下手でもやればいいじゃん」というこの作品のスタンスは好感持てます。

 あと女子が男子と混ざって野球できるのは少年野球ならではなので、佐倉さんもこのままチームに入ればいいと思います(結論)。

だがしかし

 「この人黙ってるとほんとかわいいな…
 個人的には、駄菓子のことを楽しそうに語ってるほたるさんの方が好きです(聞かれてません)。

なのは洋菓子店のいい仕事

 一話まるまる使って、新キャラクターである言葉さんが如何に残念な子なのかを丁寧に描写した回。彼女がこの作品にとって如何に重要なキャラなのかが伺えます。
 この作品の貴重なラブコメ要素のキーとなるかも知れないキャラクターとして、あえてこんな残念な子を持ってくるところが流石だと思いました。

湯神くんには友達がいない

 ラブコメといえば、こちらも何か百瀬さんがよりによって湯神に対してフラグを立ててしまったかのような描写がなされていましたが、でも「湯神くん」がまともにラブコメ展開をやるとは到底思えないので、多分また百瀬の性格が更に歪んで終わるんじゃないんでしょうか。
 性格が歪んだ女性キャラが大好きな私としては、そちらの展開に期待したいですね(ひどい)。

BE BLUES!

 武蒼のAチームが、夏合宿でのBCDチームのような、龍を活かすためのポゼッションサッカーをやり始めた回でした。
 でも龍が幸せそうだと、近いうちにひっくり返されそうで怖いんですよねー(悲観論)。

絶対可憐チルドレン

 今回はパティさんが「黒い幽霊」に狙われたっぽい! という展開でしたが、「黒い幽霊」に操られていた過去はともかくとして、彼女がいわゆる腐女子になったのは、洗脳を解くために黒巻によって後天的に施された性質なので、もし「黒い幽霊」の介入で再び洗脳されてしまって彼女が腐るのを辞めてしまったらどうしようと、本気で危惧しています。彼女の理性は腐ることによって保たれているのです。

 あとパティが男子の乳首を気にしていたのは、もしかしたら「競女!」の乳首一本背負いを初めとした華麗なる乳首技を見て、男子の乳首でもそういう技ができないかと考察していたからなのではないかと思ったのですがどうか(ダメ)。

MAJOR 2nd(メジャーセカンド) 1 (少年サンデーコミックス)
満田 拓也
小学館 (2015-06-12)
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Amazonのレビューはまだまだ賛否両論といった感じ


ご無沙汰しております。サンデー27+28号感想

BE BLUES!

 連載200回達成。名実ともにサンデーを代表する作品になったというか、むしろ「BE BLUES!」がないと今のサンデーって相当辛いんじゃないかと思ってしまうくらい、今のサンデーを支える作品になったと思ってます。

 その200回記念の巻頭カラーを飾ったのは、龍でも桜庭でも優希でも藍子でもなく、ノアとナベケンの二人でした。つまりこのマンガの主人公はこの二人ということになりませんかね?(突然)

 実際ノアさんは、身体能力のみならずエキセントリックな性格からしてもそのままスポーツマンガの主人公を張れるくらい色々な意味でキャラが強いですし、ナベケンはナベケンで幼少期から龍達と競って成長することで「努力・友情・勝利」を体現した実に主人公らしいキャラになったと言っても過言ではないくらい頼もしい存在である訳で、どちらも記念巻頭カラーを飾るに相応しい存在であることは間違いありません。
 まあ実際、ベンチからノアを躾がなってない犬のように睨んでる不機嫌な桜庭さんが巻頭カラーを飾っても一般的な読者は困ると思うので、今回はこの二人がカラーで良いと思いました。

 前回と今回はミルコ爺さんも驚くフィジカルっぷりを魅せつけるノアと、いろいろ吹っ切れてプレイに迷いがなくなった龍が目立った話でしたが、その一方でノアの当て馬的な演出に使われているマコさんはちょっと可哀想でしたね。桜庭と一緒にノアに逆襲できる時が来ると良いのですが。

アンペア

 新連載(先週の)。物語としては、諸般の事情でクラスの中で友達がいない優太君と、友達が欲しいけど明らかに空気を読む能力を欠いているために人造人間の美月さんによる、ボーイミーツガールな物語だと思われます。

 前回、友達がいない主人公の優太君が「友達」のあるべき姿について語るシーンがありましたが、「周囲が誰も信じなくても、信じてあげるのが本当の友達」っていう役割は、どっちかというと個人的にはそれは友達よりも肉親や恋人がするべきことなんじゃないか? 君は「友達」を少し重く考え過ぎてないか? とか思ってしまいましたが、こう感じるのは多分自分が友達の少ない嫌な大人だからだよなと自省しました。

 あと「アンペア」はせっかくヒロインが人間じゃないんですから、人間じゃない女の子の転校生ってさいこうじゃん! みんなそういう子と友達になりたいって思ってるはずじゃん! って視点を持って描いて欲しいなーと、かつて「電化製品に乾杯!」で椎名先生のファンになった自分としては思ってます。

なのは洋菓子店のいい仕事

 これも前回の話になってしまいますが、ライムが常に吸っているタバコには本当に秘密があったことに、今更興奮してます。
 弟のセージ君のみならず出てくる客が誰も彼のタバコについてツッコミを入れないので、元々そういう世界観なのかと疑ってましたが、彼はタバコがないと死んでしまう+現実には影響を及ぼさないものあるという設定がなされたことで、この問題はこれで解消。

 ライム本人が「タバコ喫ってるケーキ屋なんて前代未聞」って言ってるので、一応彼もその辺は気にしているんだーと感心しました。彼はそこまで非常識な人間じゃないのかも。単に態度がすごく尊大で底意地が悪いだけで。

tutti!

 単なる音楽好きのノンポリメガネかと思っていた土井君が、吹奏楽部のリーダーとして、そしてアレンジャーとしての意外な才能を発揮した前回、そして桜井君に負けないくらい個性的なメンバーが存在している(←好意的な表現)ことが明らかになる今回と、今後のバトルに向けてかなり盛り上げて来てますが、やっぱり桜井君の音楽バカっぷりが一番光ってました。
 その桜井君、最後のページで自信たっぷりに「俺達の演奏にビビってドタキャンすんじゃねーぞ!?」って対戦相手のオケ部部長を騙ってますが、こういう台詞を言うのは基本的にヤラレ役であると思われるので、おそらくこの勝負は(略)。

 あと前回、土井君が雨の中で頼城君を探し回って階段でコケて楽譜を落としたところで頼城君がその楽譜を拾うシーンは、何というかこう「不良が雨の降る中、捨てられてた子猫を拾う」的ながあっていいと思いました。

境界のRINNE

 高橋留美子先生デザインの萌えキャラが拝める回として貴重だと思いました(感想)。
 その萌えキャラ「みゅーみゅー」のデザインが微妙に歪んでいるのもポイントで、あれは前時代的なキャラデザイン(「みゅーみゅー」というキャラ名からして、『東京ミュウミュウ』が現役だった2000年代初頭くらい)の雰囲気を出すための意図的な演出だったのではないかと推測してます。

 そして『東京ミュウミュウ』と言えば「未来の地球にご奉仕するにゃーん!」の決め台詞が歴史的に有名ですが、彼女たちから見て未来に生きている我々としては、彼女たちが猫耳を生やしてまで願った地球生態系の保護を維持するべく、弛まぬ努力をしなければならないとの想いを新たにしました。全然「RINNE」と関係ないですが。

リオンさん、迷惑です。

 今回の三雲がゴスロリっ子悪魔のロゼッタに何故かモテる話を読んで思ったのですが、このマンガって実は主人公が幼女に囲まれてモテモテになる話なんじゃね? とか思いました。
 出てくる幼女がみんな(社会的な適性の面に対して少々問題を抱える)悪魔であるという根本的な問題はありますが、幼女から無条件モテることに比べれば種族の違いとか社会性とかは大した問題ではないと思われます。人間じゃない女の子さいこうの心意気があれば大丈夫です。

 まあその辺を度外視するにしてもロゼッタはとてもいい子であり、また彼女が現実社会を生きる上で他の人間の助けが必要な状況であるのも明らかなので、三雲は責任を取って彼女を幸せにしてあげて欲しいと思いました。


クックドッポ 1 (少年サンデーコミックス)
山仲 剛太 魚柄 仁之助
小学館 (2011-11-18)
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「アンペア」作画の山仲剛太先生がサンデー超で連載していた作品。当時は独特の風味があるグルメマンガだなと思ってました